二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.65 )
日時: 2016/12/04 14:36
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第十三話 ご馳走

 そして、組み分けが全員終了したので、マクゴナガル先生が帽子と椅子を片付けた。それから、職員テーブルの椅子に座っていたダンブルドア校長(汽車の中で、ハリーが食べたカエルチョコのカードに載っていたので覚えていた)が立ち上がり、優しそうな青い瞳で大広間を見渡してからこう言った。

 「新入生の皆、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせて頂きたい。では、行きますぞ!そーれ、わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」

 それだけ言い終わると、ダンブルドア校長は再び席に着き、大広間中が拍手喝采に包まれた。ライリーも、きっと気さくな人なんだろうなと思いながら皆に合わせて力いっぱい拍手をした。

 「うわぁ、ご馳走だ!」

 ロンがそう言ったのでライリーは視線を下に向けた……すると、驚いたことにさっきまでは何もなかったテーブルに、ご馳走が現れたのだ。
 「ホグワーツって、とっても楽しそうだね!」と、ライリーが言うと、ハーマイオニーは「食べ物だけじゃなくて勉強もあるのよ」と笑いながら言った後、ゴブレットにジュースを注ぎ、一気に飲み干した。

 「でも、豪華な食事ね。今日が新学期だという事を差し引いても、とーっても豪華だわ。確かにワクワクするのも分か……ってライリー、貴方少し食べすぎじゃない?そのチキン何個目?」
 「お腹空いてたから。……もう、ホグワーツって本当に天国だよね」
 「ああ。これから毎日ここで過ごせるなんて最高さ!」
 「凄いよ、僕こんなの食べた事ない!」

 がぶがぶと食べ続ける男子たち——と一人の女の子——を見てハーマイオニーはまた、「食べすぎじゃない?」と言いながら野菜を皿にとった。
 それから、チキンを口いっぱいに頬張ったライリーが、「ハーマイオニーが少食なんだよ」と言うので、ハーマイオニーは「貴方が大食いなの」と反論した。
 それからライリーはいろいろなものをそれぞれ大量に食べていた。だから、銀色のゴーストが近寄ってきて首をぽっきり曲げたり(中の血管だか臓器だかが丸見えだった)しても、怖がりのライリーはあんまり怖がらなかった。

 「あーもう、天国天国!」
 「お嬢さん、食べ過ぎると太るぞ?」
 「大丈夫だよ、リー。気にしないから」
 「太るとモテないぞ?」
 「モテたい相手もいないしなー」 
 「うわぁジョージ、このお嬢さんとっても欲がないぞ——あ、お坊ちゃんだからか」
 「そんな事言うとミス大鍋に睨まれるぞ。この制服はどうやら、『職権乱用の塊』たる呪いの品らしいからな、気をつけろよ——それにリー、僕はフレッドだよ。こっちがジョージさ」

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.66 )
日時: 2016/08/07 18:16
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 「ふう、僕もうお腹いっぱいさ」

 ロンがそう言い、多くの生徒がロンと同じ気持ちになった頃——といってもライリーだけは違い、「まだ胃の八割も来てないよと言っていた——今度は様々なデザートがテーブルの上に現れ、多くの生徒が目を輝かせた。
 
 「まさかこんな……マーリンの髭!」
 「ほんと、髭だよね」
 「ライリー、貴方略しすぎよ」

 それからハーマイオニーはあまりお菓子をとらず——何せ彼女の家は歯医者なのだ——ライリー達は相変わらず大量に皿に取り続け、フレッドやジョージやリー、それから時々パーバティ(彼女はグリフィンドールに入ったが、パドマはレイブンクローだった)と話したりしながら沢山食べていった。

 「まあいいかな、やっぱりグリフィンドールってイケメン多いし」
 「ふうん、じゃあ良かったね。パドマも楽しそうだし——あ、この糖蜜パイ大きい!あー、でもこっちのシェパーズパイも……」
 「もう、貴方ってとっても大食いね——それと、貴方ってとってもその、綺麗な顔してるわよね、男の子じゃないみたい」
 「うん、だって男の子じゃないもん、私!女の子よ、れっきとした」
 「だって——貴方の制服ズボンでしょ?」
 「これは……その、ショクランケンヨウの塊なんだよ!」
 「それは職権乱用、よ、ライリー」

 ハーマイオニーに訂正されて顔を真っ赤に染めながら、ライリーは糖蜜パイとシェパーズパイ、それからとっても分厚いパンケーキ——メープルシロップが大量にかかっているので、ハーマイオニーは顔をしかめていた——を皿にとって、あっという間にたいらげてしまった。
 
 「うっわー、おったまげー、マーリンの髭!さ!」
 「ああ、マーリンの髭だね——それも、ハグリッドやダンブルドアクラスでも足りない——そうだな、百メートル分くらいさ」
 「こんなにほっそりしたお嬢さんが大量のご馳走を平らげてしまうなんて、本当にマーリンの髭としか言いようがないな」
 「ああ、本当に、髭だ……」

 それからライリーは、向かいの席にいるハリー達に糖蜜パイを強ーくお勧めしてから今度はアイスをたくさんとった——すぐに食べたので、頭がキーンと痛くなった——ロンはまた「マーリンの髭!」と言いながら糖蜜パイをとり、また「マーリンの髭!」と言った。
 それからハリーも驚いたようで、「髭!これ、本当にすっごく美味しい!」と言って糖蜜パイを何個も食べた後、

 「痛っ!」

 と言って額——しかもあの傷のあたり——を押さえた。「どうしたの?」とライリーが今度はクランペット——パンケーキみたいなものだ——を頬張りながら尋ねると、ハリーは「なんでもないよ」と言った後パーシーに、黒い、べっとりとした髪を肩のあたりまで伸ばした、まるで育ちすぎた蝙蝠の様な、黒いローブを着た先生について尋ね始めた。
 その隣には、紫色のターバンを巻いた先生がいる。確か、ダイアゴン横丁にいて、ハリーに話しかけていた気がする。

 「魔法界って、変わった人ばっかり」

 ライリーはそう言って、またデザートを皿に取った。