二次創作小説(紙ほか)
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.70 )
- 日時: 2016/08/08 21:06
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
第十四話 ルームメイト
最後のデザートも消え——ライリーはがっくりと項垂れた——ダンブルドア校長が立ち上がった。諸注意——ハーマイオニーは寝てしまったライリーを起こしながら話を聞くのに神経を使っていた——の後、ホグワーツの効果を皆で歌って、それぞれの寮の監督生について寮に戻ることになった。
「もう!ライリーったら!」
「凄い熟睡してるや——うわあ、つついても起きないぜ、こいつ。ほら、やって見ろよ、シェーマス」
寮に戻るとき、すっかり熟睡していたライリーは、ロンに支えられ——何せ、ライリーはかなりほっそりしていて小柄で、ロンはとても大柄なのだ——て寮まで辿り着いた。その途中、シェーマス・フィネガン(ご馳走の時、母が魔女で父がマグルだから自分はハーフなんだと大声で言っていた)につつかれたり、遠慮がちながらもネビル・ロングボトム(ヒキガエル探しの男の子だ)にも肩を叩かれたが、ライリーは全く起きなかった。
それから動く階段を上り、ポルターガイストのピープズに熱烈な歓迎を受けながらもパーシーについて皆廊下をぞろぞろ進み、突き当りの大きな肖像画——ピンクのドレスを着た太った貴婦人が描かれており、まるで生きているみたいに動いている——に合言葉(カプート・ドラコニスと言ってラテン語で『竜の頭』という意味だ)を言うと、画が動いて大きな穴が現れた。
「此処がグリフィンドール寮の談話室だ」
「素敵なソファ……とっても暖かみがあるわ、綺麗な赤色よ。ライリーったら、もう!まだ起きてないじゃない。ロン、重くない?」
「大丈夫だよ、ライリー、ハリーよりも小っちゃいんだからね」
その後、シェーマスやハリーが再び何度もつつきつつも全く起きる気配を見せないライリーに、とうとう痺れを切らしたハーマイオニーが耳元で「起きなさい!」と言うとライリーは飛び起きた。
「君、最初っからそれすれば良かったんじゃないかい?」
「ええ。でもまさかこんな簡単に起きると思わなかったんだもの」
「クレアおばさんに似て怖い声だったから思わず……」
ライリーはさっきの声を思い出してすっかり縮み上がった。それからグリフィンドールの談話室を一通り見渡してから、寮生はパーシーの指示で女子は女子寮に続くドアから、男子は男子寮に続くドアからそれぞれ入る事になった。
- Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.71 )
- 日時: 2016/08/09 12:51
- 名前: すず (ID: 3NNM32wR)
「あら、ライリー、ハーマイオニー。あたしたち、一緒の部屋なのね。よろしく。こっちはラベンダー、ラベンダー・ブラウンよ」
女子寮に続くドアを開け、部屋にたどり着くと、中にはライリー達よりも先にパーバティと、くるくるとカールした明るい茶色の髪にピンクのスカーフを巻いたラベンダー・ブラウンという女の子がいた。
「よろしく、あたしラベンダー。ラベンダー・ブラウンよ、——貴方って男の子じゃないの?だって、制服ズボンじゃない」
「残念ながら、女の子だよ。でもさ、顔立ちそんなに男の子っぽいかな?」
「顔立ち自体は綺麗だと思うけど——だって、制服ズボンなのよ!たとえ物凄く女の子っぽーい顔立ちでも男の子かって疑うわ。髪も短いし」
ライリーはふう、と溜息をついた。ズボンをスカートにする魔法とか一年生じゃ習わないのかなあ——と思いながら豪華な天蓋付きベッドに寝転がった。ハーマイオニーに無理やり起こされたのだが、やっぱり眠かったのだ。
「ハリー・ポッターって割とイケメンじゃない?」
「えー……そう?イケメンっていうか可愛いって感じ。そ・れ・よ・り!ロン・ウィーズリーのお兄さんの双子!とってもカッコいいじゃない!」
「ねえライリー、貴方ってポッターのガールフレンド?それともウィーズリーの双子のどっちか?それともロン・ウィーズリー?」
「え、パーバティったら気づかなかったの?ライリー、双子と声がでかい人とよく喋ってたじゃない!双子のどっちかに決まってるわ!」
ガールフレンドって女友達って意味だから普通全部に当てはまるんじゃないかな、と思いながらライリーは本格的に眠りについた。
☆
「やっぱりあの子、男の子っぽいけど将来育つね!」
「いっやーもうちょっと色気がいるんじゃないか?」
「ディーン、お前はわかってない!今はちょっとボーイッシュな女の子がいいんだよ!そういうジャンルなんだよ!」
「へー……二人とも、詳しいんだね。僕、トレバーがいればそれで十分だよ、女の子だなんて」
「ネビル、幾らなんでもヒキガエルで十分なんて駄目だと思うよ……」
「そんな意見の男がいるだなんて、マーリンの髭さ!それならまだハーマイオニーっていうあのボッサボサの真面目ちゃんの方がマシさ!」
ハリー達のルームメイトは、シェーマスとディーン・トーマス、それからネビルだった(男子は五人部屋なのだ)。それから五人は瞬く間に打ち解け、今に至る——のだが、シェーマスとディーンはずっと女の子の話題ばかりだ。
「パチル姉妹はいいね!顔も整ってるし女の子らしいし」
「違うんだよディーン!男の子っぽい女の子が育つまでの過程を見るのがいいんだよ!だからアークロイドはいいんだよ!」
そんな会話が延々と続く男子寮の——とある一室だった。