二次創作小説(紙ほか)

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.89 )
日時: 2016/08/11 21:24
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

第十六話 悪夢の魔法薬学

 「いっやはやぁ、金曜日にあ・の、スネイプの授業とはね!」
 「ああ、素ン晴らしい、スネイプ教授の授業だとはね!」
 「ああ!本当に君たちは幸運だ!金曜日まであと少し時間があるんだから」
 
 ライリーが変身術を成功させた日の夕食で、双子とリーはまたまたライリーの近くに座り、スネイプ教授——魔法薬学の担当の先生で、スリザリンの寮監だ——の悪口を言い続けていた。
 しかも、物真似がとてつもなく面白かったので——なんと、どこからかあのベタベタ髪のカツラまで取り出したのだ!——ライリーと、いつの間にか近くにいたハリーとロンも爆笑していた。

 「もう、魔法薬学ってとっても魅力的なのに!あの三人のせいでやる気をなくしてしまいそうだわ!ライリー、移動しましょう」

 そう言ってハーマイオニーはライリーの手を引いて、四人からなるべく離れた席に座った。目の前には、ネビルが一人で寂しそうに皿に野菜をとっていた。それから「僕ってなんて落ちこぼれなんだ……」とつぶやいた。

 「どうしたの、ネビル」
 「え、えーと……君は確か、寝てた子?」
 「そうだよ、寝てたライリー・アークロイドだよ」
 「私はハーマイオニー・グレンジャーよ、覚えているわよね?」 
 「ヒキガエルを探してくれた子だ!二人は、ハリーとロンの友達だよね」

 ネビルがそう言った途端「そうだよ」と言うライリーの声と、「違うわ」と言うハーマイオニーの声が重なり、ネビルは「え?——ああ、そういえばさ、この野菜ってお、美味しいよね……うん……」と、聞いてはいけない雰囲気を感じ取ったのか、かなり強引に話題を変えた。

 「まあ確かに、悪い人ではないんでしょうけど。熟睡していたライリーを支えてくれたし」

 それからハーマイオニーは、ソーセージに口に放り込み……「そんな話はどうでもいいのよ、そう……貴方の『才能』の話をしなくちゃって、思ってたの」と言った。ネビルが興味深そうな表情をする。

 「——ほら、動物と話せる事よ」
 「あー、あれ?きっとまぐれだよ、よくある事だよ」
 「断じて無いわ、部屋に帰ったら貴方の猫の——猫に試してみましょ」
 「どうせ意味ないのにね、どう思う、ネビル?」

 ライリーがそう尋ねるとネビルは、真っ青な顔になって、「どっちでもいいよ、どうせ君って才能があるんだもん」とがっくり項垂れた。

 「変身術の時間に一点入れたろ?僕なんか、入れるどころか減点対象になるよ!」

Re: 正しい魔法使い 【ハリー・ポッター】 ( No.90 )
日時: 2016/08/10 13:08
名前: すず (ID: 3NNM32wR)

 「来たよ——魔法薬学だ」

 ロンが泣きそうな顔でそう言った。「フレッドの言う通りじゃなきゃいいけど。グリフィンドールは何しても減点!って。実際そうだったらほんと、マーリンの髭だよな」

 するとハーマイオニーはフンッと鼻で笑ってからこう言った。

 「それはきっと、貴方のお兄さんに問題があるのよ。スネイプ先生もきっと、きっちり選ばれた公明正大な先生よ。そんな事するわけないでしょう。ライリー、こっちに行きましょう、最前列だとわかりやすいわ」
 「でもさ、ハーマイオニー。ベタベタ髪の蝙蝠だよ?」
 「あら、見た目は関係ないわよ、ライリー」
 「身だしなみって言葉知らないのかい?あっ、君も髪の毛がボサボサ……」
 
 ロンがそう言うと、ハーマイオニーは脅すように杖を構えて移動した。ハリーとライリーは同時に、「デリカシーがなさすぎだよ」とロンに言った。
 ——ハーマイオニーはあんまり見た目を気にするほどじゃないけど……ライリーよりはずっと女の子らしいし、気にする可能性は無くもない。

 「きっと、魔法薬学って、とっても魅力的だわ!教科書を読んだ限りはそうよ!見た、この『おできを治す薬』なんて本当に……」

 最前列の一番教卓に近い席に教科書類を置いてから、ハーマイオニーは魔法薬学の魅力について語り始めた。
 良かった、いつものハーマイオニーだ。そう安心すると同時に、ライリーは若干面倒な気持ちにもなった。

 「ごめんハーマイオニー、教科書ってあんまり、というか全く読まないんだ。だってさ、魔法薬学って何だか面倒臭そうだし」
 「あら、そんな事はないわ!真面目に教科書を読んで初めてわかる事がたくさんあるの、ほら見て——」

 ライリーは思わずため息をついた。一週間も経たないうちにハーマイオニーはずっとライリーにこんな話ばかりしている。いい加減、ライリーも飽き飽きしてくる。
 元はと言えば、全く終わらない宿題に音を上げたライリーがハーマイオニーに手伝いを頼んだ事からだった——「貴方は本当は才能があるの!」何度もその言葉を言われた。
 もう、うんざりである。

 「いいよ、ハーマイオニー。後で見るから」
 「いいえ良くないわ!大体、貴方が真面目にしないせいで変身術の授業だって五点のはずが一点よ!そういうところが段々大きくなってくると——」
 
 そしてハーマイオニーはまたこう言った。「貴方は本当は才能があるの!」と、何度も何度も言われた言葉だ。才能があろうが無かろうがどうでもいい。「本当は」だなんて、ライリーのすべてを分かったかのようにいつもいつもハーマイオニーは言うのだ。
 
 ——お節介。

 そんな言葉がライリーの脳裏をよぎった。