二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方怨崎録 ( No.24 )
日時: 2016/03/26 16:11
名前: こんにゃく春風 (ID: ZgzIiRON)

番外編Ⅰ 紅魔館生活はやめられない(諸事情により紅目線でスタート)

俺は望月紅。紅魔館の執事兼参謀だ。え、誰に説明してるのかって? そりゃ、画面の前のアンタだよ。 俺の目の前には今、此処の主レミリアがいる。どういう状況かというと、先日俺はこの御嬢さんの命令があるにもかかわらず、図書館で居眠り、というか惰眠をむさぼってたわけで、今日はそのお叱りという事だそうなのだ。

「だいたい紅、あんたは虎の威を借る狐なんだから、もうちょっと新米の感覚というものを持ちなさいよ!」

その物言いが頭に来たので、俺はとっておきを使うことにした。 あくまでも、周囲に聞こえないように、ボソッと

「ピーマンぐらい食えよ」

と言ってやったのだ。 それがこの傲慢な吸血鬼にはイワシの頭より効いたらしく、

「うっ……」

と言ったきりだったので俺はさらに追い打ちをかけた。

「わが館の主は、大なりとも幻想郷を恐れず、小なりとも夏野菜を恐れたもう、か。 ハハッ、傑作だねこりゃ」

「ふざけるのもそこまでになさい、紅。お嬢様が本気になれば、あなたの命だってお嬢様の手の上なのだから」

横から、俺の名付け親、十六夜咲夜が口を出す。 その言葉を、俺の身体は待っていた。瞬時に懐から、コルト・ガバメントを出し、レミリアの眉間にむかって構える。このガバメントは特殊で、中の弾は銀でできている。所謂、銀弾鉄砲だろうか。そして吸血鬼の苦手なものの一つとして、銀が挙げられる。某ゲームだったら、効果は抜群だっただろう。

「そちらこそ忘れないでいただきたいですね、咲夜『様』。俺はあなたに感謝こそしているが、この馬鹿には恩を何一つ感じちゃいない。よってこいつの眉間を撃ちぬき、下克上するなり幻想郷中を放浪するなりが可能、ということを」

「はったりも冗談も顔だけにしなさい、あなたには度胸も技術もあるだろうけれど、メリットが何もないわ。あなたは、欲とメリットで動くのでしょう?」

俺はこのメイドに、負けの態度を見せた。ガバメントを捨て、両手を挙げた。よくある、『お手上げ』というやつだ。 まあそれでお説教は、ひとまずの終わりを見た。ところで—————俺の顔って、そんなに悪いのかな?