二次創作小説(紙ほか)

Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.110 )
日時: 2016/03/14 12:05
名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: 4qcwcNq5)

ル「シロマル…受験終わったから遊び放題なんだね…」

マ「いいよなぁ…俺達はもうすぐお説教タイムなのに……」


〈本編〉
2.

ーーーーピピピピピピピピピピピピッ!!

「…ん?う〜ん……」
何故か持ち込んでいたキノコ型目覚まし時計で、マリオは目覚めた。
帽子を取った頭には、寝癖が勢いよくぴょんと跳ねている。
眠そうな目で時計を見ると、まだ朝の6時だった。
正直、まだまだ寝ていたい。なら何でこんな時間に設定してあるのか…。

「…おはよう、兄さん」
マリオの向かって右のベッドで寝ていたルイージも、目を覚ました。
ルイージも同じく、寝癖が立っている。

「あれ?ヨッシーいなくない?」
起きてすぐに、ルイージはヨッシーが寝ていないことに気付いた。
ルイージに言われ、マリオは自分の左側のベッドを見る。
そこに、ヨッシーは寝ていなかった。

「…本当だ、先に起きたんだろ」

「一番ねぼすけなイメージなのに」

「俺達も下行くか?」

「そうだね」

マリオがそう言って、部屋のドアを開ける。ルイージもそれにつられて部屋の外に出た。






「おはよ〜」
異常な程ゆるっとした調子で、マリオがみんなに挨拶をした。もうみんなテーブル周辺に集まっていた。
マリオ達が一番最後だったようだ。

「おはよう」

「おはようございます、マリオさんにルイージさん」
みんなが、次々と挨拶を返してくれる。何だか気分が良くなった気がした。

「おはよう、遅かったねマリオにルイージ。ほら、早くボクの作ったご飯でも食べてよ」
そう言ったのは、キッチンにいたヨッシーだった。
次の瞬間、ヨッシーが皿一杯に盛られたご馳走を、両手で運んできた。

「おおおおおおおおおおおおお〜〜!!」
そこに出された料理は、気のせいか黄金色に輝いて見えるほど美味そうに見えた。
その場の全員が、その料理にすっかり見入っている。

「凄い…なんて美味そうなご飯なんだ…凄いよ!」

「どこかのキノコとは大違いだな」
マリオがワザとキノピオを煽るように言ってみる。

「…まぁ、問題は味ですからね」
キノピオはムッとした表情で、ヨッシーの作った料理をまじまじと見つめている。

「いいから食べてみなよ!昨夜何も食べてなくて腹ペコペコだろうから、沢山作っておいたよ!」

「いただきま〜す!!」
ヨッシーの言葉を合図に、みんなが飛びつくように食事を始めた。

「う……美味ああああああああああああい!!」
オムレツを一口食べた途端、マリオが大声を上げた。姫様のお城で見られる場面とは到底思えないが、
叫ばずにはいられなかったのだろう。

「本当だ、メッチャ美味い!」

「悔しいけど……本当に美味しいです!」

「これ、本当に全部ヨッシーさんが作ったんですか?」

「もちろん!伊達に食いしん坊キャラやってないよ」
みんなからの称賛の言葉に、ヨッシーは自慢げに両腰に手を当てる。

「ホラ、お代わりもたっぷりあるから、遠慮なくどうぞ!」

「よっしゃ俺が一番だあああああああああああああああ!!」

「兄さんうるさい、僕が先だよっ!!」
マリオとルイージが一目散にキッチンに向けてダッシュする。あとは夢中だった。






「ごちそうさまでした〜!」
約1時間後、全員が満足そうな表情で朝食を食べ終えた。

「もう動けない…」

「食べ過ぎた……」
そう言っている輩がほとんとだったが、約1名、みんなと離れた場所で一生懸命何か作業に
取り組んでいる男がいた。

「ん?ネル、何やってるの?」
ヨッシーがネルの手元を覗き込む。ネルの手には、赤、青、緑のリボンと一枚のハンカチがあった。

「ふふ……後でのお楽しみにしておいてください」
ネルはふっと笑みを浮かべると、リボンの方に目線を戻し、再び作業に没頭し始めた。
ヨッシーも、「じゃあ楽しみにしてるよ!」と言って、みんなの方に戻っていった。

「じゃ、私はキノコ商店に買い物に行ってくるから」

「そんな所あったんだ……」

ピーチ姫も、買い物に行くのなんので元気である。食事直後なのに、何でこんなに元気なんだろう?

「そうだカノさん、あなたもいらっしゃいよ、新しい素敵な服か何かでも買いに行きましょう?」

そう言って、カノの方に向き直る。呼ばれたカノは「はい?」と腹を押さえながら返事した。
しばらくしてから、マリオがピーチ姫に物申した。

「あのさピーチ姫、それって不審者が子供とかを連れ去る時とかに使う言い分だよ?
そんな怪しい言い方でカノが付いていくわけ……」

「行きます行きます!!カノも服欲しいです!!」

「行くんかい!?」
カノの純真すぎる反応に、マリオは思わずズッコケる。
目をキラキラ輝かせながら、カノがピーチ姫の横側に走って行った。

「じゃあ行きましょう、みんな城の事よろしくね!」

「姫様!私どもも、共に参ります!」
そう言って飛び出してきたのは、お馴染みのキノピオ軍団だった。

「あら大丈夫よ、ちょっと買い物に行ってくるだけだし、2人で行けるわよ」
ピーチ姫はキノピオ軍団の同伴を断り、カノと2人で城の外に出て行った。
出て行った瞬間、キノピオ軍団は部屋の奥に一直線に行進していく。

「あいつら…この為だけに出てきたのか……悲しいな奴らめ」

「兄さん、そういう事言っちゃダメ」






残されたマリオ、ルイージ、ヨッシー、キノピオ、ネルの5人は、しばらくその場で思い思いに過ごしていた。
しかし、数秒後にネルが

「そうだ皆さん、今日午前9時から雷が落ちる可能性があるそうですよ」
と、ふと思い出したように言った。

「もうすぐか…っていうか今の時期に雷……珍しいな」とヨッシー。

「で?だからどうしたんだよ?」と呆れてマリオ。

「この城は、かなりの高さを有しています。なので、今から落雷対策をした方がいいかと…」

「どうやって?」

「このピーチ城…でしたっけ?…に、雷が落ちないようにする必要が あります」

「そんな事できんのか?」
マリオがそう質問すると、ネルがいきなりその場で立ち上がって言った。

「私なら可能ですよ、任せてください」
そう言って何を思ったのか、ステッキ2本を手に取って外へと飛び出した。

「あ…ネル!待ってよ!」

「…お、俺達も行くぞ!」

「分かりました、行きましょうマリオさん!」

「み、みんな待って〜!」
ネルにつられて、ヨッシー、マリオ、キノピオ、ルイージの順に、外に向かって走り出した。