二次創作小説(紙ほか)
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.135 )
- 日時: 2016/04/24 07:07
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: YQou4sy7)
マ「そういや、お前もう部活始まったんだって?」
シ「あ、うん。今日も行ってきたよ」
カ「よく分かりませんが…勉強も部活も更新も頑張ってくださいね!」
シ「ありがとう!一生懸命頑張りまっす!』
<本編>
10.
ーーーーまた別の日
「暑っ!…ここ溶岩多過ぎだろ。もうちょっと減らしたらどうなんだよ……」
汗をかいてボヤいているのは、この城の主(クッパ大王)の実の息子、クッパJr.だった。
クッパクラウンに乗って、あちこちを飛び回っている。
城内に何か不審物等がないか、色々調べているのだろうか。
「全く、お父さんも人使い荒いよな…こんな事を息子のボクにやらせるなんて……」
父親に無理矢理お願いされたのか、クッパJr.の顔には疲れたような表情が浮かんでいる。
ーーーー左側の足場を見ると、溢れんばかりの赤い溶岩の海が広がっていた。
いくらクッパ城だからって、流石にやり過ぎなのではないかと思う。
空気中がむせ返るほど暑い。汗が止まらない。住みづらくてしょうがない。
だからボクはお父さんに「溶岩の数を減らして!」と、毎度のように頼んでいるけど、
全く聞く耳を持ってもらえない。それどころか、
「グハハハハハハハ息子よ!溶岩は真心なのだ、だから大事にしろっ!!グハハハ!!」
なんて訳の分からない事をほざいているのだから、もう呆れ返るしかない。
最近マリオに負け過ぎてたせいなのか?
…とにかく、そんないい加減になった父親に、ボクは嫌気が指しまくっていた。
ーーーーと、ウンザリとした話はここまで、本編に戻りますか。
汗だくになりながら歩いていると、ふと視線の先に、大きな穴の開いた床を見つけた。
穴の大きさを分かりやすく表現すれば、クリボー10体以上、クッパ未満といったところだろうか。
こんな穴を開けられるのは、この城にはアイツしか居ない。
「おい、出てこいドッスン!」
クッパJr.は、滴る汗を拭いながら、そいつの名を呼んだ。
するとーーーーーー
ーーーーーーードスンッ!!!
「お呼びですかい?Jr.様?」
ほとんど真上から、正方形に棘のついた石の塊が落ちてきた。
クッパJr.は間一髪でその塊を避け、近くの床に転がった。
「危ないじゃないか!もっと落ちる場所とか考えろよ!!」
「いや〜すいやせん……で、何のご用件でしょう?」
彼こそがドッスン。一言で言えば、クッパ城の番人(門番)のようなものだ。
説明している暇はない。早く伝える事を伝えなければ。
「お前、床に穴開けたらちゃんと直せって言ってるだろ!何回言わせるんだよ」
そう、このドッスンは、今まで何度も城内の床に巨大な穴を開けては放置してきた、問題児なのだ。
「いやですな…あっしに手はないので、そんな芸当はーーー」
「何が芸当だ!そこは自力で何とかしろ!お父さんが落ちたらどうするんだ!!」
「……分かりやしたよ」
クッパJr.の忠告に、渋々といった様子で修理に向かうドッスン。
そんなドッスンを、呆れたような目で見つめていると………
ーーービュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
「うおおおおおおおおおおおっ!?寒っ!!」
突然の激しい風とともに、全身をつんざくような寒気を感じた。
この辺はマグマの海。どれだけ見積もっても『寒い』なんて事は無いはずだが……?
「な、何が起きているんだ!?」
驚いたクッパJr.は辺りを見回す。もう既に、クッパクラウンのプロペラ部分が凍り始めている。
数秒後、激しかった風は止んだ。
「…気のせいか?」と、クッパの部屋に戻ろうとした、その時、
「…ここだよ」
突然、静かで氷のように冷たい声が、城内に木霊した。
声のした方を振り返ると、そこには黒髪蒼眼の少年が立っていた。
その光景に思わず吃驚したが、それ以上に吃驚したことがある。それは彼が立っている場所だ。
少年が立っていたのは、非常に面積が広い、氷河の上だった。
勿論、それだけでは全然驚かない。驚いたのはその氷の正体だ。
あの氷の場所は、妙に心当たりがあるような気がしてならない。
ーーーその氷河は、さっきまでのマグマの海を、隙間なく凍らせたものだった。
クッパJr.は、その有り得ない光景に、呆気に取られるしかなかった。
(何なんだ一体!?
あそこって、確かあの暑るしかったマグマの海だっただろ?
………まさか、あいつが今の一瞬で凍らせたのか!?あり得ないっ!!)
マグマ海だけでは無い。壁や窓、更には我らが大王のクッパの彫刻、オマケにクッパクラウンまで、
完全に凍りついている。
なぜ、いつから、どこでこうなってしまったのか、脳内で色々思考していると、
「……その通り…だよ」
クッパJr.の心に直接、先ほどの少年の声が響いた。読心術でも習得しているのだろうか?
「お前誰だ!?どうやってここに入ったーーー」
「悪いけど……お前には……興味は無い」
話を遮り、静かに語りかける黒髪蒼眼の少年。
次の瞬間、少年の口からは、クッパJr.が最も理解しているであろう人物の名前が出てきた。
「今…クッパ大王………いる?」
その名前を呼ばれて、クッパJr.は軽い戦慄を覚えた。