二次創作小説(紙ほか)

Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.141 )
日時: 2016/05/10 07:24
名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: 4qcwcNq5)

シ「炭酸飲料の良さがよく分かりません…」

カ「……?」


<本編>
12.




ぶぶぶぶ……ブビビビビビビビ〜!!…プッ!






「ーーーくぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
変な音を唸らせた"黄色い"おっさんに腹を立てたのか、"紫"のおっさんがソイツをグーで思い切り殴る。

「ぐはあっ!!」
殴られた黄色のおっさんーーーワリオは踏ん張りきれず、家の壁に激突した。
部屋一面に、何とも言えない嫌なニオイが充満する。

「ワリオてめえっ!開始早々何かましてくれとんじゃオイイイイイ!!」
ワリオを殴った紫のおっさんーーーワルイージが、ワリオを指差して更に注意する。

「だってよ〜、俺達久々過ぎる出番なんだぜ?だから頑張って特技のオナラをかましてやったのn」

「そんな事頑張らなくていいんだよ!!あと特技がオナラって何だよ?悲しすぎだろ!!?」
ふざけた自己主張をするワリオに、ワルイージは近くにあった座布団を思い切り投げつけた。

「痛っ!!何すんだお前!!」

「座布団だから痛くないだろ!!部屋めっちゃ臭くなったじゃねーか、どうしてくれんだよ!?」

「いや俺のせいじゃない」

「100パーお前のせい……ああもういいや」
ツッコミを入れるだけでもメンドくさいと感じたのか、ついに何も言わなくなってしまった。

「つーかさ、今日やけに暑くね?」
必死で話をそらそうとしたワリオが、早速本日の気温のことについての話題を提供した。
それも自分には無関係と言いたげな顔をして、呑気にうちわで扇ぎながら。

「そうだなー、お前のせいで余計にな!」
イライラがピークに達しているのか、ワルイージの声にかなり力が入っていた。

「なぁ、オナラのことなら悪かったって、やっぱり俺が悪ぃの?ワリオだけに」

「うん、そういうのいらねーから」
くだらないギャグをかまされて、ますます怒りの感情が溜まる。
とりあえず何もない場所で転んで、足つく程の浅い池とかで溺れてもらえないだろうか?

「とにかくさ、このニオイどうにかしねぇ?窓開けようぜ?」

「……そうだな」



ちょうどその頃、ワリオ達の家の近くを、あるキノピオの親子がワイワイ通りかかっていた。
空は真っ青の晴空。春にしては暑いくらいの気温だった。

「ねぇママー、今日の昼ご飯は何?」
子供が目をキラキラ輝かせながら母親に尋ねる。

「そうねぇ……じゃあ今日はあなたの大好きなキノコパスタにしましょうか」

「やった〜!キノコパスタ大好き!!」
誰しも一度は経験したであろう、幼き頃の無垢な会話。まるで夢のような時間である。
その至福の親子の時間が、

「窓開けようぜ?」

ーーーという、1人のおっさんの言動によって、すぐに崩れ落ちることになろうとは……






「とにかくさ、このニオイどうにかしねぇ?窓開けようぜ?」

「……そうだな」
何とか部屋のニオイを全て消したいと考えたワルイージ。すかさず1つの窓を開ける。

すると、

ーーーーぶわっ!!!

開けた窓からニオイが、爆風となって外に飛び出していく。
その爆風はというと、運悪くあの親子の方向へ流れていった。
2人の前を勢いよく通過した後………


「あーあ……もうダメなんだ」
しばらく経ってから、急に息子キノピオの様子がおかしくなった。

「ど……どうしたの!?」
異常なほどフラフラふらつき始める息子を心配し、横で焦りながら支える母。

「ボク…昼ご飯何もいらない……」

「えっ?」

「ボクもいつか、あんな風になっちゃうんだよ…」
誰が見ても分かる通り、言っていることが完全に異常。ワリオみたいなバカでも一目瞭然だろう。

「ボクもいつか、人間にキノコパスタにされちゃう運命なんだよ……」

「な、何を言っているの?」

「そうしたら、ボクは誰にも食べられずに捨てられるんだよな…その後燃やされて埋められてーー」

「何を訳分からない事言ってるの!ホラ行くわよ!!」
これ以上、おかしい息子を誰かに見られたくないと思ったのか、母親は息子を抱えて一目散に走り出した。
その親子の様子を、2人は窓から気の毒そうな眼差しで見送っていた。

「何か……悪い事しちまったな…」

「ああ…」
何がどうなったのか分からないが、ワリオのオナラを吸った後に、あの子供の様子がおかしくなったのは、
状況からして疑いようがない。

つまり、詳しい原理は不明だが、どうやらワリオのオナラには、人をネガティブにする効果があるらしい。

まぁ、九九も言えないおバカなワリオは、そんな事気づいちゃいないだろうが。


その時、気のせいか今までに増して強くなった気がする。
それと同時に、何か尋常ではない程の激しい熱気を感じた。窓越しでもしっかり感じるくらいの。

「おいおい、何で急に暑くなった?」

「…さあ?」
部屋のニオイが無くなったはいいが、今度は蒸せ返るくらいの熱気。こめかみに汗が滴り始める。

すると、ワリオ達の見ていた視線の先から、


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


と、何とも暑苦しい雄叫びをあげながら、こちらに向かって走ってくる青年の姿が見えた。
一言で表すと『激アツ』といった感じの青年を見ながら、2人は事の事態を察した。



ーーーーあーあ、こいつ………絶対メンドくさい奴じゃん。