二次創作小説(紙ほか)

Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.76 )
日時: 2016/02/12 17:13
名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)

2.
「うおおおりゃ!!」
マリオが豪快に振りかぶり、ヨッシーめがけて雪玉を投げつける。
「よっと!危ない危ない!」
ヨッシーはそれをジャンプで避け、空中で一回転し、スタッと両足で着地する。
「うーん…3点!」
「いや体操じゃないから!あと点数めっちゃ低くない!?」
2人の合戦を体操座りで見ていたルイージが、なぜかヨッシーのジャンプに点数をつけた。
ヨッシーはその点数に納得がいかないらしく、足をジタバタさせて、あれこれ文句を言っている。
キノピオに至っては完全に飽きたらしく、短い手足を懸命に動かし、ペタペタと雪だるまを作っている。
「ペタペタ…あと鼻のところにニンジンと野球ボールを取り付けてっと…」
…まぁ、相変わらずのヘンテコセンスではあるがw

そんなこんなで、まだまだ雪合戦は続いている。
といっても、戦いすっかりマリオとヨッシーだけの独壇場と化しているが。
「あーもう!!ワリオのやつ何で来ないんだよ!?せっかく俺が殴ってやろうと思ったのに…」
「そういう事言ってるからじゃないの?」
ーーワリオとワルイージは、色々な諸事情があってお休みだそうです。


ーーその頃のワリオとワルイージは…

ワリオ(以下ワリ)「あーヒマだ…」
ワルイージ(以下ワル)「同じく…」
ワリ「何かマリオ達が雪合戦に誘ってきたけど、俺たちは別に行かなくて良かったんだよな?」
ワル「良かったんじゃね?」
ワリ「っていうか、行ったら行ったで色々メンドくさそうじゃん?だからこうするのが正解だって」
ワル「まあ俺たちも、つい先日まであいつらと一緒にやってたんだけどなw」
ワリ「それなw」
ワル「…あ、でもさワリオ?」
ワリ「何だよワルイージ」
ワル「このままじゃ俺たち……これからほとんど出番なくなるんじゃね?」
ワリ「……あ」
ワル「作者も気まぐれだし、このままじゃ俺たち、リストラされるかもしれないぜ?」
ワリ「そ、それはヤバイな………」
ワル「雪合戦…行っといたほうが良かったんじゃない?」
ワリ「…だな」







ーーさて、話は戻って雪合戦に。
「…何か凄くリアルな話が出てきた気が…?」
どうやって聞いたのかよく分からないが、ヨッシーは話の内容をなんとなく理解しているようだ。
「気にしたら負けだぜ、さあヨッシー!決着の時だ!!」
「OK!手加減なしで行くよ!」
いつの間にか、雪だるまを作っていたキノピオも、ルイージの横にちょこんと座っている。完成した手作りの
雪だるまを抱えて、じっと2人を見つめている。
「さてこの勝負、一体どちらが勝つんでしょうか?世紀の大勝負です!!」
「大げさだって…」
キノピオはノリノリだが、ルイージはそうでもないようだ。
「俺は…お前とこうして1対1で勝負できる日を、心から待ってたぜ…」
「ボクだって、いつかマリオに勝てるように色々頑張ってきた…だから勝つよ!!」
「「絶対に負けられない戦いが、そこにある!!」」
「勝手にやってなよ……行こうキノピオ」
そう言って、ルイージはキノピオに悪影響を与えないようにと、キノピオの手を取って、一刻も早くその場を
立ち去りたい気分だった。
普通の人だったら、確実に全力ドロップキックをお見舞いしてたことだろう。
キノピオは、急に右手を掴まれたので、持っていた雪だるまを落としてしまった。
「あ…ボクの『キノまる4号』が…」
「…何それ?」
「ボクが作った雪だるまの名前です!」
「…あ、うん……」
キノピオの独特すぎるセンスに、ルイージはただ頷くしかできなかった。


ーーそして雪合戦組は、お互い今まさに決着の一球を決めようとしていた。
それも、なぜかさっさと帰る組のすぐ真横で…。
「何でこっち来るんだよ!?向こうでやってよ!!」
「くらえヨッシー!!」
「覚悟だマリオオオオオオオオオオオオオ!!」
「人の話を聞けえええええええええええええええええええ!!」
マリオとヨッシーが同時に投げた雪玉は………なぜかルイージの方に方向転換し、ルイージの
頭上すれすれを勢いよく掠めた。
「ちょ…危ないだろ!?2人とも超ノーコンじゃんか!!他の誰かに当たったらーー」
ルイージの怒号もお構いなしに、雪玉2つは勢いを弱めることなく、まっすぐ直進する。
そしてーーーー


ーーーバシバシッ!!


「きゃっ!!?」

…ハイ、誰かに直撃してしまいました。
雪玉が当たったのは、1人の少女だった。髪は透き通った銀髪をしており、冬だというのに黒い長スカートに
薄手の白いカーディガンを羽織っている。
「わわわわ!!だ、だだだだだだだだだ大丈夫ですか!?」
ルイージが慌てて頭を下げて謝る。キノピオも一緒に謝っている。
その銀髪少女は、数秒フラフラとよろついた後、ばたりと広場の真ん中に倒れこんでしまった。
「うわあああああああああ!!きゅ、救急車!!」
「落ち着いてキノピオ!気絶しただけだよ!…多分。あとこの世界に救急車ないから!!」
「え…そうなんですか?」
「ほら、兄さん達も謝って!2人が投げた雪玉なんだから!!」
「ええ…ヨッシーのが先に当たったんだよ…」
「なっ!?マリオの方が最初に当たってたし!!」
「あーもうどっちでもいいよ!!とにかく看病しなきゃ…!手伝って!」
そう言って、前からルイージ、キノピオ、ヨッシー、最後にマリオが、少女を担ぎあげる。
少女を家まで運びながら、ルイージは1つの堅い決心をした。

「……もう二度と…雪合戦なんてしない」