二次創作小説(紙ほか)
- Re: マリオとマジカル*マスターズ【白と黒の訪問者】 ( No.88 )
- 日時: 2016/02/12 17:20
- 名前: シロマルJr. ◆o7yfqsGiiE (ID: .DwXlVdY)
ワリ「なぁ…ホントに俺達の出番いつなんだ?」
ワル「知らんな」
本編↓
6.
ーーーバタンッ!!
マリオが勢いよくドアを開ける。
さっきまでしんしんと降り続いていた雪は、いつの間にかすっかり止んでおり、地面に積もっていたそれも、
もううっすらと、おおよそ2センチほどしか積もっていなかった。
外には案の定、あの巨大カメがズーンと仁王立ちしていた。
手には、前見たモノよりもさらに頑丈そうなカゴを持って。
「やっぱりお前だったか、クッパ!!」
「グハハハハハハハ!お前達がいつまで経ってもリベンジに来ないから、ワガハイの方から来てやったのだ!」
「くっ、まだ覚えてたか…」
ーーーリベンジーーーーー
その言葉に、マリオは若干ザッと後ずさる。
あれは忘れもしない、ちょっと前の出来事だった。
マリオは、ルイージ、ヨッシー、キノピオと共に、すでにさらわれていたピーチ姫を救出するために、
クッパ城に向かっていた。
「やいクッパ、ピーチ姫を返せ!!」
「グハハハハハ!!ピーチ姫を返して欲しければ、ワガハイと戦え!」
そして、いざ一戦交えるだろうと、誰もが思い込んでいた時、
「うん、ムリだな」
突如マリオの口から放たれたその言葉に、その場全員が凍りついたのだ。
結局、彼らは寒いだのアイテムがないだのという理由で、クッパ城から飛び立っていったのだった…。
「さーーーーーーーーーてマリオ?どういう事か聞かせてもらおうかしら…?」
頑丈そうなカゴの中から、ピーチ姫の声が聞こえる。
彼女が 今かなり怒っているという事は、おどろおどろしい声色からすぐに分かる。
おそらく、表情は鬼のように恐ろしいのだろう。鬼の形相というモノだ。
何かヤバイ雰囲気だと察したマリオが、あたふたしながら言葉を探す。
「…いや、違うんだよピーチ姫。あれは何かの事故だっt」
「何が事故よ!!悲劇のヒロインである私を平気で置き去りにして、何が救世主なのよ!!」
すると一変、ピーチ姫は檻をガシャガシャ揺らしながら怒鳴った。兄のピンチに、ルイージが助け舟を出す。
「お、おおお落ち着いてピーチ姫!兄さんだって悪気があってやったわけj」
「永遠の2番手は黙ってて!!あんたも同罪よ!!あの時ちゃんと自分の考えを持って反対してたら、
私はこのカメにあんな事こんな事される事なかったのに…」
だが、その助け舟も、あえなく嵐に巻き込まれてボロボロに崩れてしまったようだ。
「…何の騒ぎですか?騒々しい。ヨッシーさんが起きてしま…」
するとそこに、キノピオが右手に銀色に鈍く輝く物体を持って、家からひょこっと顔を出した。
マリオ達は、彼が出てきた事には気づいていないようだ。
「…………」
が、一瞬にして、キノピオの顔から全ての表情が消え去る。
そして何を思ったのか、それを自分の顔の前でピタリと静止させた。
刹那、
「覚悟おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
彼の喉から出るとは思えぬ大声で、右手を真上に上げて、クッパの方に走り出した。
キノピオの右手に握られていた物体はーーーーー包丁だった。
こんな大声が上がっても、なぜかマリオ達はキノピオに気づかない。
するとーーー
「借りるよ」
キノピオの右手から、一瞬で包丁が消え去った。
ーーー否、奪われたと言った方が正しいだろうか。
「ーーーとにかく、あんたたち全員、後で説教1時間よ!!」
「い、1時間んんんんんんんんんんん!?」
一方マリオ達は、まだピーチ姫の長話に付き合わされている。まぁ、原因は全てマリオにあるんだが。
「いや、そんな事より、今度こそピーチ姫を助けないと」
「そうだな、こんな事してるヒマはない!!ピーチ姫、今助けるぞ、今度こそ!!」
「また逃げたりしないわよね…?」
無理矢理気持ちを切り替えて、まずはクッパの手から、カゴを奪おうとするマリオとルイージ。
ーーーーヒュッ!!!
すると次の瞬間、2人の間を包丁が素早く通り過ぎる。
2人は、あまりに一瞬の出来事に、その場に固まるしか出来なかった。
そしてその包丁は、ピーチ姫が閉じ込められているカゴの檻の一部に突き刺さる。
「ひゃっ!?」
突然自分の目の前で静止した包丁に、今度はピーチ姫が固まる。
その先端とピーチ姫との距離は、わずか5センチほどしかない。
すると、包丁が急にクルッと90度向かって右側に回転した。
同時に、カチッという音がする。どうやら、カゴのロックが解除されたようだ。
「…まったく、穏やかじゃないですね、姫様にそんな乱暴なマネをするなんて…」
鍵が開くとほぼ同時に、後ろの方から男の声が聞こえた。
その場にいる全員が、声のした方に視線を向ける。視線の先には、1人の少年が立っていた。
赤いラインが2箇所に入った黒色のコート、頭には赤、青、緑の三色のリボンが付いているシルクハット、
胸元には、黄色の三日月の形をしたチャームらしきものが。
彼の右目は、肩まで伸びた赤紫色の髪に隠れて見えない。
やや眼光が鋭いが、十分美形と捉えられる男だった。
格好だけで見れば、カノとは正反対と言えるだろう。
そして、マリオを始め全員が、この男の言動に半ば無意識にツッコんでいた。もちろん心の中で。
(((((お前が一番乱暴なんだよ!!)))))