二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIRYTAIL 小さな魔導士は妖精の夢を見るか? ( No.5 )
日時: 2016/03/24 10:34
名前: 雪乃 ◆YY./.qapS. (ID: b/D5tvZu)

———episode1
 小さな魔導士、アンジェ———

そして時は流れた。

少女は森を抜け、近くの町へと足を運んだ。話によればこの町のどこかに少女の師匠に当たる人物の「昔の居場所」‥‥ギルドがある。

「‥‥別に、怖くないもん」

ボソッと呟きながら町の中を歩き始める少女。口ではそう言っておきながらも本心は怖い。この16年間森で暮らしていた少女にとっては森の近くにあるこの町、マグノリアも未開の土地に等しかった。

「大丈夫、何とかなる。きっと目印になるものがあるはずだもの。昨日もそれで行けたもん」

ここに来るのはもう両手で数えきれるほどになってきただろうか。それなのに毎日のように複雑な構造をしているこの町で迷いそうになる。


この道を確か右に曲がって、

それでしばらくまっすぐ進んで、


頭の中で必死に道を思い出しながら歩いていく‥‥正直この道があっているかどうかは分からないが。

「‥‥あれ、アンジェじゃない!今日も早いのね」

すると少女を呼ぶ声がした。
少女‥‥アンジェは声のした方向を振り向くと、そこには金髪のかわいらしい同年代の少女がいた。

「‥‥ルーシィさん、おはようございます。いい天気ですね」

金髪の少女ことルーシィに礼儀正しく挨拶をした。ルーシィもアンジェに挨拶を返す。

「今日もあっちの森から来たの?」

「はい。森の方が落ち着くから‥‥」

髪を指先でいじりながらそう言った。森は騒がしくないから、という理由で彼女は毎日この町の奥深くにある森で師匠と暮らしている。

「こっちに住む予定とかないのね‥‥」

「‥‥別に、住みたくないとかじゃないです」

頬をムッと膨らませ、自分は不機嫌だということをアピールする。

「それは分かってるわよ!」

笑いながらそう反応するルーシィ。しかも彼女より身長が低い為か頭を撫でられる。正直頭を撫でられるのは嬉しい‥‥が表情に出すのは我慢しなくては。

「‥‥別にそんなこと言われても、頭を撫でられても全然嬉しくないです」

口元が緩みそうなところを何とか我慢するも、ルーシィにはもろにばれていた。

「変なところで素直じゃないわね!?」

少女の名前はアンジェ・トロイメライ。
最近このギルド、妖精の尻尾に加入したそれは小さな魔導士である。

———————
アンジェは森ガール要素も少し入ってます。