二次創作小説(紙ほか)
- Re: サトミちゃんちの恋のライバル!? ( No.17 )
- 日時: 2016/06/08 16:18
- 名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: OWyHbTg8)
〜信じてたんだよ〜
『俺はいつも、お前の隣にいるから』
『うん…!』
「ふふっ」
「?なんだよ、急に笑って」
「ううん。ちょっと、昔のこと思いだして」
「…?あっそ」
意味が分からない、とでも言うように彼は返事をし、スマホに目を戻す。
彼というのは、あたしの彼氏「山下ブンゴ」のこと。
恥ずかしながら、あたしが高1の時に告白して、23歳になった今も付き合っています。
「あ、俺明日夕飯いらねぇわ」
「分かった。何かあるの?」
「ああ、仕事のことで。レストランで話するんだ」
「そうなんだ。ゆっくりしてきていいよ」
「ゆっくりできんのかな…」
明日ブンゴは夜ご飯はいらない。そう心の中で3回唱えて、頭にインプットさせる。
ブンゴの仕事は、やっぱり山下家関連の仕事。
経済的な仕事が多いようで、話し合いとかが多いらしい。
きっと明日もそうなんだろう。
——そう、思っていた。
〜☆〜
今日は、ブンゴが休みということで、カオルンと外食をしてきた。
「じゃあねカオルン」
「うん、じゃあねー」
カオルンは用事があるらしいから、駅で別れる。
カオルンとの付き合いは中学からずっと続いていて、今でも仲良し。
高校まで一緒で、大学は分かれたものの、家が近いから結構よく会ってた。
自分が行く駅へ向かおうと歩き出す。
すると、途中レストランの前で足が止まった。
「ブン…ゴ?」
レストランの窓際の席に座っているのは、間違いなくブンゴだった。
向かいの席に座っているのは、あたしと同い年くらいの若い女性。
仕事って言ってたのに…。
って、何思ってるんだろうあたし。
別にそんな、仕事相手が女性ってことも十分ありえるのに。
『へらっ』
ブンゴの顔が、緩んだ。
「えっ…」
相手の方も見てみると、やっぱり笑顔だ。
あんな楽しそうにするなんて。少しなら、分かる。
でも、でもあんな…カレカノみたいな!
「っ…!」
怖くなって、悲しくなってあたしは駅に向かって走り出した。
ブンゴが、あんな奴だなんて思わなかった!
「ズキン」
何度も何度も、ブンゴと相手の女性のへらっと笑った顔が頭に浮かぶ。
「ズキン」
嫌だ。嫌だ。こんなの…絶対嫌!
〜☆〜
玄関で靴を脱ぎ棄て、走って自室へ。
布団に突っ伏し…泣く。
「そんな…そんなわけない…!」
自分に言い聞かせる。けど、涙は止まらない。
「ブンゴが離れるなんて…嫌だ…」
いつも、隣にいて元気づけてくれたり笑いかけてくれたりしたのはブンゴだった。
そのブンゴが離れていくなんて…そんなの嫌だ。
「振られるのかな…」
向こうからフラれたら、あたし立ち直れるかな。
だったらこっちから別れた方イイんじゃない?
だって、あんなの見ちゃったんだし。
「もういいや」
明日、明日ブンゴとは…別れよう。