二次創作小説(紙ほか)

Re: サトミちゃんちの恋のライバル!? ( No.19 )
日時: 2016/06/09 16:27
名前: ももたん ◆hjAE94JkIU (ID: yW/8TsYW)

〜ありがとう〜

「…はぁ」

格好つけて出てきたものの、行き先がないんだよなぁ。
この荷物、結構重いからどこかで休みたいんだけど。

ピロン

「…カオルン?」

スマホを見ると、無料通話アプリを通じてカオルンからのメッセージが表示されていた。

『サトミちゃん、もしかして困ってる?』

そのメッセージには続きがあるらしく、あたしはアプリを開いた。

——————
『サトミちゃん、もしかして困ってる?』
『カオルンについてるサトミちゃんセンサーで、分かっちゃうんだよ!』
『もし辛いことがあるなら、遠慮せずうちにおいで〜』
——————

「カオルン…」

あたしは素早く「今から行くね」とメッセージを送り、キャリーバックをガタガタいわせながら駆け出した。

〜☆〜

「あ、いらっしゃぁい。どうぞ〜!」
「お邪魔します」

カオルンは、今でも実家暮らし。
お姉さんは結婚して家を出たようで、二人で使っていた子供部屋も、今ではカオルン専用の部屋になっていた。

「ごめんね、急に」
「だいじょーぶ。で、どうしたの?」

カオルンが、ずいっと顔をこっちに寄せてくる。

「うん。あのね…」

〜☆〜

「そうなんだぁ…。サトミちゃん、頑張ったんだね」
「うん…。でも、これでよかったのかな」
「大丈夫だよぉ!サトミちゃんの選択は間違っていないっ!」
「そうかな。ありがとカオルン」
「どーいたしまして。で、サトミちゃんこれからどこに住むの?」
「う…。それはまだ」

痛いところをつかれてしまった…。

「だよねぇ。じゃあ、落ち着くまでうちに泊まっていかない?」
「…え?いいの?」
「もちろん!1週間くらいならね」
「本当?ありがとう!」
「もー、サトミちゃん素直すぎ!」

こうしてあたしはカオルンちに1週間だけ泊めてもらうことにした。
カオルンのお母さんたちも、

「まあ、お付き合いしてたらそんなこともあるわよ。泊まってゆっくりしていって」
「ああ。心の傷をしっかり治しな」

と、温かく迎えてくれた。

1週間の間で、あたしとカオルンはあたしが寝泊まりするところを探す。

そういえば、中学の時もこんなことがあったな。あたしが飛び出して行っちゃって。
本当に、カオルンとご両親には助けてもらってばっかりだ。