二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方 夢想朱 ( No.2 )
日時: 2016/08/05 18:59
名前: 瑠愛 (ID: qUUtOunA)


第一章


楽園の素敵な巫女、博麗霊夢。
それが、私の名前だ。

昼下がり、そして日射しが煌々と照らす夏。
私はいつものように、人気のないこの神社の掃除をしていた。
博麗神社。
私が巫女として務め、信仰する神の社。
そして幻想郷の中心であり、結界の核になるもの。
この博麗神社だけは、どこかに外の世界へと繋がる道がある。
たとえ結界が張られていたとしても。
だが、外の世界からの侵入はできないため、妖怪たちが外の世界に出ないようにこうして博麗の巫女がついている、というのも一つである。
極稀に、特別な力を持つ人間は幻想郷に入ることができる。
それは、この神社につく神に認められたから。
__________なんて、本当は神など存在しないのに。

「はぁ……」

退屈な毎日に溜息をつくと、私は疲れていた手を止め、休息をとろうと居間に入ろうとした。
だが、それはまた面倒くさい相手に止められる。

「おい霊夢、溜息なんてつくと寿命が縮まるぜ」

よく知った声。
後ろを振り返ると、やはりそこには顔馴染みでもあり、数少ない古くからの親友がいた。
普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
白黒とした格好に、ふわふわと癖のついた金色の髪、その髪の一部を緩く三つ編みにされており、そして何より真っ直ぐと透き通った青い瞳が彼女を目立たせている。
彼女自身「だぜ」と男勝りな口調をしているが、とても人懐っこく、話せば誰とでも仲良くなれるだろう。
そして本人はあまり見せたがらないが、その裏はとても努力家で人一倍自分を惜しまない、それこそ彼女の本来の強さとも言えるであろう。
だが、彼女は今「霧雨魔法店」と自分の店を建てているが、本当は人里にある「霧雨道具店」という店の実の娘であり、何だかんだで「魔法の森」に逃げ、そして魔法使いなった。
普通の人間である彼女は自分の心情を見せない。
隠して、隠して、そして彼女は少しずつ壊れていっている。
だからその分だけでも、私は彼女の理解者になりたい。
彼女が私にしてくれたように。
私も彼女に何かをしてあけたいのだ。

そして、私は彼女に特別な感情を抱いている。