二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【ポケスペ】あなたとわたし【表紙できました】 ( No.27 )
- 日時: 2017/01/16 21:34
- 名前: Orchid (ID: HccPNei.)
第15話 VSハヤト
キキョウジムに居座っていたポッポが治るまでの間、他のトレーナー達とバトルをして経験値を積んでいると、あらかじめポケギアの番号を交換してあったハヤトさんから電話が来た。
案外早く回復するもんなんだな、とゴールドは言い、マイは早くバトルがしたい! と声を嬉しそうにあげていた。
「たーのもー!」
「だからそうじゃないって……」
「やあ! さっきはすまなかったね、早速バトルと行くかい? まずは筆記テストからなんだが、これはゴールド君が引き受けてくれるんだったね。では、ゴールド君こっちの部屋に来てくれ」
相変わらずマイのジムに対して扉の掛け声がイマイチ理解できないゴールドだったが、先程とは雰囲気の変わったハヤトに名前を呼ばれると少しばかり緊張感のある返事を返す。
ゴールドは筆記テストのため、他の助手と一緒に別室に行き、残されたマイとハヤトはここで実践のバトルというわけだ。
「話に聞いていたのとはちょっと違うね」
「え?」
さぁバトル! と意気込み、腰につけたボールに手を掛けた時、不意にハヤトから話を振られ呆気に取られる。
「クリス君からは、君はもっと内気で、ゴールド君の後ばかりを大人しくついていると聞いていたんだが。君もこの旅で変わったということか。あ、いやいや余計な話だったな、バトルと行こうか」
「は、はい!(わたしでも変われてるんだ! わたし変われたんだ!)」
思わぬ角度からの褒め言葉にマイの頬も緩み、えくぼが見える。
「ルールはポケモン2体勝負、交代もありだ! まずはコイツからだ! 行け! ピジョン!」
「ピジョー!」
高く放り上げられたモンスターボールから出てきたのは、ポッポの進化した姿、ピジョン。羽を羽ばたきジム上を、風を切って飛び回っている。
「さあ、マイちゃ……君のポケモンを!」
今はクリスの友達としてではなく、1人のトレーナーとして扱うべく呼び方を直す。
「まずはこの子! お願いがんばってピーくん!」
ボールを投げてピカチュウを出したマイ、相性は抜群だ。これもゴールドの情報のおかげだと内心、にやりとする。
「ピーくん! 電光石火!」
「気をつけろ! 中々素早いピカチュウだ!」
このジムの地形は木々に囲まれた森のようなステージで、ピカチュウが木を、その名の通り電光石火の速さで駆け上り空中にいるピジョンを狙い落とそうと近寄る。
「でもな! ピジョンお前の力を見せてやれ! 風起こしでピカチュウを地面に落とすんだ!」
電光石火で木を登り、ジャンプするピカチュウ。あと少しで届きそうな時に、ピジョンの大きな羽ばたく力で風が起きる。せっかくジャンプしたのに風によって地面に叩き落とされてしまった。
「ピーくん!」
「どうした! まだ行けるはずだろ!」
目を回しているピカチュウを見たことのないマイは頭の中でパニックになっていた。
ジムの強さに圧倒されてしまっている。どうしようと指示を迷っている間にもハヤトの指示は止まらない。
「ピジョン! そのまま降下して、つつく攻撃だ!」
「ピーくん!」
マイが叫ぶ間にもどんどん速さを増していくピジョン、このまま来てしまうと確実にピカチュウに攻撃が当たる。
そう、ピカチュウにも、ピジョンにも接触する。
「——そうだ! ピーくん、真上にピジョンが来る !あのままのスピードなら絶対方向を変えられないはずだよ! ありったけの力で電気ショック!」
「何ッ!? 止まれ! 止まれー!」
まさか、ここで冷静なる新米トレーナーがいるとは知らなかったハヤト。
止まれと指示を出したもののピジョンにとっても速すぎるスピード、止まれない。自分の行く先にはピカチュウが力を貯めて待っている。
「ピジョーン!」
「ぴ、ぴじょ……」
ピカチュウの電気ショックを受け止めて身体がピクリとも動かない。ハヤトは苦い顔をしてボールにピジョンを戻す。
「最後の1匹だ! 行ってこい! ピジョット!」
出てきたポケモンは、またまたピジョンの進化系、ピジョット。ピジョンよりもずっと大きな姿、大きな羽というより翼を持っている。
マイはピカチュウを休ませようとボールに戻し、ミニリュウを出した。
「行ってきて! リューくん!」
「ミニリュウ! 変わったポケモンを持っているようだが、俺のピジョットだって負けてはいない!」
2戦目開始、となる手前にゴールドが部屋から出てきた。どうやら筆記テストは終わったようだ、点数も満点で助手も拍手で扉を開けた。
「ゴールド! わたしがんばってるよ!」
「分かってる! 無駄口叩いてねーでバトルに集中しろ!」
「その通り! バトルに余所見は禁物だ! ピジョット、ミニリュウに泥かけ!」
ゴールドが来たことにより、マイのやる気もみなぎる。しかし、余所見はいけないことだ。
ピジョットの大きなかぎ爪で泥を掴み取り、ミニリュウにぶん投げる。ミニリュウも気を取られていたのか顔面に泥を被ってしまう。
「リューくん! ごめんなさい! 今地上にいるからチャンスだよ! 電気ショック!」
ミニリュウが付いた泥を落とそうと顔を振る。マイの指示もキチンと聞こえている、しかし。
「どこを狙っている! ピジョットはこっちだぞ! ピジョット! 風起こしであの木にミニリュウを吹き飛ばせ!」
「な、なんで当たらないの?!」
「さっきの泥かけがミニリュウの目に入ってあんまり見れていない! だからうまく当てられないんだよ!」
特大サイズの風起こしでもするのだろうか、ピジョットが大きく羽ばたきをしている。
マイはなぜ攻撃が当たらないのか分からずに、後ろの付き添い人用の青いベンチに座っているゴールドに聞くと直ぐに答えが返ってくる。
「わたしが余所見してたから! どうしよう、あの風起こしが来たらリューくんも傷ついちゃう!」
何かいい案はないかとジムの地形を見渡す。木がどこもかしこも生い茂っている。しかし木がこれだけ大量にあるのにも関わらず1本も枯れていないと言うことは?
「そうだ! 地下水だ! リューくん! 地面に穴を掘る! そのまま深い所まで行けば絶対水があるはず!」
敵が空中なら、こっちは逆に地中。ミニリュウは素早く穴を掘って、地下水を目指す。ここはジムだ、すぐに地下を流れる水を発見。
「くそ、ミニリュウが出でこなければ風起こしも意味がない! しばらく地上に戻って待機するんだ!」
ピジョットが不思議そうに首を傾げて、ミニリュウの掘った穴を覗く。一向に戻ってくる気配はない。そう、その穴からは。
「リューくん! 目もキレイになった所で10万ボルト!」
地下水で目を洗ってきたミニリュウが、頭の突起物でピジョットがいる場所を察知。
そして、油断している時に、真後ろから頭を出し、ミニリュウ渾身の10万ボルト!
油断して、しかも真後ろからの突然の雷撃。これに反応できなかったピジョットはその場に倒れる。
「ピジョット……! 僕の完敗だ」
経験値を上げていたおかげか、相性のおかげか、ピジョットは倒れてからボールに戻るまで動くことはなかった。
ハヤトは気を取り直して、マイにある物を渡した。
「こ、これは?」
「キキョウジム制覇の証、ウイングバッジだ! 君にふさわしい!」
「わあ! やった、やったよゴールド! リューくん、ピーくん、ありがとう!」
ジムバッジを受け取り、空に向かってバッジを掲げる。キラリと太陽の光に反射して美しい。
ミニリュウもピカチュウもボールから出てきて、一緒に喜びを分かち合っている。
わーい、わーいとマイが花が咲くように笑みもこぼしている姿を見て、ゴールドは旅に付き合って本当によかったと思う。
「マイよかったな、残りのバッジもがんばって集めような!」
「うん! がんばるよ!リューくん達ならきっとがんばれる!」
かくして、1つ目のウイングバッジを手にしたマイ達。まだまだ旅は続く、続く。
