二次創作小説(紙ほか)

Re: 【東方】霊夢の声が出なくなった ( No.10 )
日時: 2016/12/25 17:36
名前: 鈴苺 (ID: G0MTleJU)

「はあぁぁ……」


深いため息と共に、ベッドに倒れるようにして寝ころんだ。

病気、声が出ない、初期症状……。

初めての事がいっぱいで、正直こんがらがっている。

もう一度深いため息をつくと、仰向けになり、先ほどの話を思い出すように目を閉じた。

…私は、さっきの話を認めたくなかった。

霊夢がそんな病気だったなんて、知りたくなかった。

だって、ほら、これまで霊夢がかかった病気といえば、風邪とか、インフルエンザとか、寝てれば治る病気だったから、だから…

そんな病気だなんて、全然わからなくて……


——言い訳ばかり。


…誰だ。


——本当は、そんな病気、無いんだって思ってるんだろ?


…違う。


——話さなくなったのは、自分の意思なんだって思ってるんだろ?


…違う。


——霊夢は、私の事が嫌いになったんだって思ってるんだろ?


違う、違う!


——そして、そんな霊夢の事が、


耳を塞いでも、見えないナニカの声は聞こえる。

やめろ、それ以上言うな。黙れ、黙れ、黙れ。


——面倒くさいって、思ってるんだろ?


「違うっ!!そんなこと…そんなこと思ってない!!」


そう叫んだ私の声は、ナニカの笑い声によってかき消された。


——嘘つき。


嘘じゃねえ。


——嘘。私は何でもお見通しだ。


黙れ。知ったような口振りしやがって。


——あはは。本当にわからないのか。


………お前は、誰だ?


——私は——


「っ……!」


……何だ?今の。

……夢?

…頭が痛い。

ガンガンする頭を手で押さえながら起き上がり、ベッドに座った。

あんな夢を見たせいか、呼吸が荒く、服が汗でベトベトだ。

…気持ち悪い。

アリスに言って、風呂貸してもらうか…。


「痛っ…」


立ち上がり、歩こうとすると、また頭に痛みが走った。

熱にでもなったのかな……。

まあいいや。ちょっと寝てたら、すぐ治るだろう。

脱ぐのを忘れ、ずっとかぶっていた帽子をベッドに投げ捨て、部屋から出た。