二次創作小説(紙ほか)

Re: 【東方】霊夢の声が出なくなった ( No.3 )
日時: 2016/09/12 17:05
名前: 鈴苺 (ID: G0MTleJU)

「…なあ」


どれくらい時間がたったのかはわからないが、私的には三十分ほど無言だったと思う。

茶も煎餅も無くなり、することも無く、喋ることも無く、ただボーっとしているのはムズムズしてしまう体質で、ついに耐え切れなくなり、私は霊夢に対し、『なあ』と、一言だけ言葉を発した。

少し喋っていないだけなのに、久しぶりに喋った気がする。


「………?」


霊夢が『何?』と言わんばかりの顔で、こちらを向いた。


「あ……えっと、その…」


特に喋る内容も考えておらず、一生懸命に話す内容を探す。

弾幕ごっこ、宴会、昔のこと…。

色々と話題はあるのに私はテンパってしまい、口をもごもごとさせていた。

そんな私の気持ちを察してくれたのか、霊夢が『無理しないで』と言ってるかのように、私の肩にポンと手を置いて微笑んだ。


「はは…すまないな、霊夢……っあ、す、すまん、用事を思い出した。私はそろそろ家に戻るぜ」


なんだか霊夢に申し訳なくなり、私は隣に置いていた箒を手に取り立ち上がった。


「じゃあな、霊夢!」


箒にまたがり、霊夢に挨拶をすると、箒がゆっくりと浮かび上がり、森へ向かって進み始めた。

ちらっと座っている霊夢を見ると、優しく微笑みながら、胸の辺りで手を振ってくれていた。