二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【東方】霊夢の声が出なくなった ( No.9 )
- 日時: 2016/12/10 14:58
- 名前: 鈴苺 (ID: G0MTleJU)
「話せなく……なった…?」
話せなくなった。霊夢が。病気のせいで。
「…そうよ、けれど「ふざけんなっ!!」…魔理沙」
「話せなくなっただと!?それも、病気の初期症状!?霊夢が…霊夢が病気なんかにかかるわけないだろ!!」
紅茶の入ったティーカップが倒れた事も気にせず、私はアリスの両肩をグッと掴み、行き場のない怒りや焦りをぶつけた。
そうやったって、霊夢の病気が治るわけじゃないのに。
「ああ、そうだ。私が魔法で霊夢の病気を貰い受ければいいんだ。なあ、アリス、そんな魔法あるんだろ?教えてくれよ。そうすれば霊夢は……」
「魔理沙」
アリスは、怒りと焦りで興奮している私の両肩を掴み、なにかの呪文を唱え始めた。
何の呪文かはわからなかったが、結構短く、呪文を唱え終わったときには、不思議と私の心は落ち着いていた。
「霊夢の大親友である貴女が取り乱してどうするの?仮にそうしたとしても、霊夢はきっと、自分を責めるわ。…『こうなってしまったのは、自分のせいだ』…って」
「っ…」
「…本当に霊夢の親友なら、今霊夢が貴女にしてほしいことを考えなさい」
俯き、黙ったままの私を見たアリスは、そっと席に戻してくれた。
「……それに、治るかもしれないわ」
「!」
「…まだわかっていないけれどね。だから、私とパチュリーと永遠亭の人達で調べているところよ。けれど、もし、その病気についてわかれば、霊夢を治すことができるかもしれないわ」
「そう、か……」
可能性じゃダメなんだ。…ちゃんと治す方法があるまで、落ち着けない。
「…とりあえず、今は休みなさい。向こうに客室があるから、好きに使っていいわよ」
「そうか……ありがとう」
私は俯きながら、重い足取りでその客室へ向かった。
背後でカチャカチャと音がしたから、きっと倒れたティーカップを片付けていたんだろうけど、今の私は、それを手伝う気力も無かった。