二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【東方二次創作】幻想復興録 ( No.9 )
- 日時: 2016/10/09 02:21
- 名前: 孤独人 (ID: .Vo2i2Gg)
???「あやや・・・」
空に佇む鴉少女、【射命丸 文】〔しゃめいまる あや〕はそう呟いた。
彼女の周りには下っ端と思われる妖怪達が大勢倒れていた。
文「まぁ、この子達じゃあ貴女の相手にはなりませんよね」
霊夢「よくわかってるじゃない。あんたもこうならないうちに帰ったら?」
霊夢は文のことをよく知っていた。
普段の文は状況が不利になると適当にごまかし逃げるのだ。
そのことに期待して、逃げることをすすめたのだが・・・
文「そうですねぇ。普段ならそうさせていただきますが」
やはり、今の妖怪達に普段の常識は通用しなかった。
しかし、普段の戦いでも霊夢と文の実力差は明らか。
それでも逃げないということは、その実力の差を覆す何かがあるはず・・・
霊夢はそう考えていた。
霊夢「・・・あんた、何か隠し持ってるんじゃない?」
文「・・・ご名答、さすがですね」
霊夢「隠してるのはいいけど、このままじゃ負けるわよ?貴女」
文「それもそうですね。でも、後悔するならいまのうちですよ」
そう言って、再び懐からカードを取り出した。
霊夢「(スペルカード・・・?)」
そして、叫んだ。
文「スペルカード発動!《強化詠唱〜極限の加速〜》」
詠唱し終わった瞬間、文の雰囲気がガラッと変わった。
その変貌の有様に、霊夢は驚きを隠せなかった。
霊夢「強化・・・詠唱・・・?」
文「これだけで驚かれたら困るんですよ、霊夢さん!」
さらにカードを取り出し・・・。
文「スペルカード発動!《武装詠唱〜断風の刃〜》」
文の手中に短剣が現れた。
薄い、軽い、鋭い。
素早さが長所の、文の為に作られたような武器だった。
霊夢「な、なによ!そのスペルカードは!」
文「これは元々、修行不足の霊夢さんの為に紫さんが作ったスペカなんですよ」
霊夢「!?」
文「それを私達が使える様に調整したのが、このスペルカードという訳ですよ」
霊夢「でも、そのスペルカードは・・・」
文「弾幕ごっこのルールに反する、でしょ?」
霊夢「そうよ。スペルカードだってそのルールに従って作られるはず・・・」
文「そうです。これも、元々は殺傷能力の無いスペルカードでしたから」
霊夢「ならどうして・・・」
文「私達が殺傷能力を付与したんですよ。人間を手際よく殺すために、ね」
霊夢「なんてことを・・・!!」
文「お喋りは終わりです。そろそろあの世へ送ってあげますよ」
そう言った瞬間、文の姿が見えなくなり・・・
霊夢「・・・が・・はっ・・・・」
霊夢は地面に倒れた。
身体中切り傷だらけで、もはやどこが痛いのかすらわからなかった。
意識が消えかかっている霊夢の耳に入ってきたのは・・・
文「とどめです」
冷ややかな文の声と・・・
翔・魔理沙「おい、ちょっとまてよ」
文「・・・おやおや」
手紙を読んできてくれたのだろう、翔と魔理沙の声だった。
それを最後に、霊夢の意識は途絶えた。
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