二次創作小説(紙ほか)

Re: 佐多くんは今日も能天気 【銀魂】 ( No.6 )
日時: 2016/11/09 21:30
名前: 杏子 ◆EZhnkW6cPU (ID: kRzIGuhz)

「オイ佐多、初仕事だ」

「んぁ…マジですか」

「お前今また寝てたよね」


■ 二.佐多くんはお祭りに行きます【前篇】


「コラぁぁぁ!クソジジイぃぃぃ!平賀テメッ、出て来いコノヤロォォォ!!」

「てめーはどれだけ近所の皆様に迷惑かけてるかわかってんのかァァ!」

「昼夜問わずガシャコンガシャコン!ガシャコン戦士かてめーはコノヤロー!!」

「ガシャコン戦士ってなんですか」


これは初仕事と呼べるのだろうか。答えはおそらくノーだろう。

佐多含む万事屋一行は、お登勢達かぶき町ばば…レディー集団に引き連れられて、昼夜問わず騒音をたてるため非常に迷惑とされている男のいる家の前にやってきていた。
なんでもその男は発明家らしいのだが、それにしてもご近所様に騒音迷惑をかけすぎているそうだ。今回は騒音をやめさせることが目的らしいが、仕事というよりはただの雑用のようなものだ。


「おいヤローども、やっちまいな!」


お登勢がそういうと、音楽機器を抱えた佐多達が前に出て、何かの準備を始めた。そして準備を終えたのか、マイクをもった新八が胸をはってまた前に出た。


「一番、新宿から来ました、志村新八です。よろしくお願いします」


その瞬間爆音で音楽が流れ始め、それにあわせて新八も歌い始めた。その歌声も大きいかつ音痴だ。動物も失神しそうなほどの音痴だ。
銀時と神楽はもちろん、佐多やお登勢達も慌てて耳を塞いだ。とうの新八はとても気持ちよさそうに歌っている。


「おいィィィ!てめっ何してんだコラ!私は騒音止めてくれって言ったんだよ!なんだコレ?増してるじゃねーか!二つの騒音がハーモニー奏でてるじゃねーか!!」

「いじめっこ黙らすには同じよーにいじめんのが一番だ。殴られたこともない奴は人の痛みなんてわかりゃしねーんだよ」

「わかってねーのはお前だァ!こっちゃ鼓膜破れそーなんだよ!」

「でも見てババア、佐多寝てる」

「佐多ァァァ!!しかもちゃんと耳塞いだまま寝てるし!!鼻ちょうちん出てるし!!どんな神経してんだアイツはァァァ!!」


その時だった。しめきられていたシャッターがガラリと開き、家の中から巨大なロボットが出て来た。一行は驚きで硬直し、自分たちの三倍以上あるであろうロボットを見上げた。


「……え?え?これが平賀サン?」


と銀時が馬鹿なことを言ったのもつかの間、ロボットに頭を鷲掴みにされて宙ぶらりんにされている。お登勢と共に来ていたかぶき町のレディー集団は、それを見て慌てて逃げていった。


「いだだだだだっ頭とれる!!頭とれるって平賀サン!!」

「止めろォォ平賀サン!!」

「そのままいっちゃってください平賀サン」

「平賀サンンンン」

「あだだだだっやばい!!ヤバイってこれマジ頭とれるぅぅ!!つか佐多ァてめえ起きて早々嫌な事言ってんじゃねェェェ!!」


「たわけ、平賀は俺だ」


家の中から出て来たのは、今度こそ人間だった。頭はお情け程度に髪がはえており、あごひげをたくわえている。服は作業着で、スパナを所持しているようだ。


「人んちの前でギャーギャー騒ぎやがって、クソガキども!少しは近所の迷惑を考えんかァァァ!!」

「盛大なブーメランを投げましたね」

「そりゃテメーだクソジジイ!!てめーの奏でる騒音のおかげで近所のやつはみんなガシャコンノイローゼなんだよ!!」

「ガシャコンなんて騒音かなでた覚えはねェ!ガシャッウィーンガッシャンだ!!!」

「いやなんでもよくないですか」

「佐多、そっとしといてやれヨ」


お登勢と平賀による口論はおさまることなく続いている。平賀は実力行使に出ようと、己の作ったロボットに命令した。


「オイ三郎!かまうこたぁねェ、力ずくでこいつら追い出せ!!」

『御意』


巨大なロボットは頷き、次いで手をぶんと振り上げた。その手にはまだ銀時が捕まっている。
そして手を振り上げた先には、平賀がいる。


(あ、それストライクするパターンのやつ)


佐多が心の中で思ったのも束の間、投げ飛ばされた銀時は平賀と激突し、吐血しながら二人とも吹っ飛んでいった。