二次創作小説(紙ほか)
- Ai:birthday(その1) ( No.146 )
- 日時: 2017/02/09 23:50
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
今回はアイオーン様の誕生日話として過去編を執筆しました。そろそろきらりさんの話も書かないとなー・・・;
どんなに練習してもどうしてもあの人に追いつけない。
それでもいい。
自分に負けなければーーー。
Ai:birthday
アイオーン「・・・う、わぁ・・・流石おばあさまだな・・・」
新しくたどり着いたMIDICITYで事情を知ったおばあちゃんが用意してくれた高層マンションの部屋。広々とした空間であの家とは変わりはない。学校はおばあちゃんが学費を払うことを条件でおぼっちゃま名門男子校に通い続けられることになった。学校はちゃんと卒業しろということか。おばあちゃんがこんなにもサポートしてくれるのはそれはおばあちゃんなりの優しさであることに気付いた。だからと言ってあの家に戻るわけには行かない。俺には夢があるーーー。
アイオーン『うわぁー・・・!』
家での期待の重圧が続いた幼い頃、俺は母親から離れて迷子になって泣いていた日、あるバンドの名演を見ていた。今は解散したアマテラストという伝説のバンドだ。その時、俺はその時のギターボーカルだったシュウの歌とバンドの演奏に感動し、一瞬で泣き止んだ。
アイオーン『シュウ!シュウ!シュウ!』
自分もああいう風になりたいと思った。感動したから。それはシュウだったから。俺は家の権力を使い、シュウにこそこそ会いに行こうとした。すると・・・
アマテラストファンA『あっちで撮影会だって!!』
アマテラストファンB『マジ!?』
アマテラストファンC『急げー!』
アイオーン『!!?』
アマテラストファンA『ちょっと邪魔!!(幼いアイオーンの身体を押す』
アイオーン『うっ!!?(たっ、助けてー!!!』
???『おい!!』
すると、ある人物がアマテラストファンに注意した。当時アマテラストのドラマーのロムだ。
ロム『お前ら!!子供がいるのが分からねーのか!?』
シュウ『おーい、ロム。女に注意はほどほどにしとけ』
アイオーン(シュウ!)
シュウ『ったく。ちっちゃくても見えてたぜ。応援してくれたのは嬉しいが、迷子・・・』
アイオーン『シュウ!!僕、あなたみたいなギターが弾けるようになりたい!』
アイオーンの決意にシュウとロムは嬉しそうにフッと微笑む。
ロム『そりゃいい心構えだ』
シュウ『だけど、ギターがそれなりに上手にならなければダメだよ。俺達だってNo.1のバンドになりたい。だから・・・』
アイオーン『それでもいい!僕は・・・No.1のギタリストになるから!』
アイオーンの変わらぬ覚悟にシュウはフッと微笑む。
シュウ『・・・わかった。待ってる。でも、なるべく早く急いでね;』
アイオーン『?うん!』
それから俺はギターを始めておばあちゃんの家の「好きなことをやるには他のことも完璧にやれ」というしきたりで必死だった。でも、それでもいいと思った。シュウを越えれるなら。でも、俺が高校卒業直前、アマテラストは解散してしまった。シュウもロムもどこに行ったか分からなくなってしまい、俺以外はアマテラストを徐々に忘れていった。
その数年後。俺は一人でギターの路上ライブをしていた。自作曲で。その路上ライブに数人の娘が嬉しそうに見ていたが、まあそれは気にしないようにしておこう。すると、あるか弱き小動物の男が俺を見ていた。まあ小さくて可愛いが、俺を何か睨みつけているような気がして怖かった。そして俺はその数人の娘から厚意で金が渡された後、その小動物の男が俺の自作曲を見ていた。
???「・・・ふーん」
アイオーン「!見るな!」
???「お前の曲、クソヘタレだが」
その小動物の言葉に俺は怖かったが、その言葉には続きがあった。
???「いいな」
アイオーン「・・・ヴ?」
???「一緒にうちの事務所に来い。俺、お前の才能を買ってやる!一緒に家畜共を出荷するぞ!(アイオーンの手を掴む」
アイオーン「ヴッ!?」
この時は俺は「事務所」という言葉はチンピラしか頭がよぎってなかっただろう。しかし、ちゃんとした芸能事務所に俺は安堵した。その社長が言う。
メイプル「いやー、まさかクロウ君が連れてきたですとはー。これは確かにいい曲ですぞ」
クロウ「当たり前だ!ギターに厚みが欲しくてな、もう一人ギターが欲しかったところだ。後輩のシアン達プラズマジカに負けるわけには行かないからな!」
アイオーン(クロウ?達が先輩なのか・・・)
メイプル「では残りの仲間もスタジオにいますから紹介しますぞ。スタジオにいるのは基礎練しているベースのヤイバ君、あと、シンガンクリムゾンズのリーダーであり、ドラムの・・・」
すると、俺はあるドラムの音が聞こえた。俺はその音に聞き覚えがあり、その場所に走る。
クロウ「あっ、ちょっと!?」
間違いない。あの時のバンドのドラム演奏。シュウが聞いたドラムの音。
俺はスタジオのドアの窓越しからその人物を見た。そいつはーーー
アイオーン「ーーーロム?」
アイオーン「・・・続けてたんだ。音楽」
後にロムと初対面として会った俺はロムにトライクロニカの映像を見せられる。髪の色も違えどギターボーカルのシュウ☆ゾーがシュウだと一瞬でわかった。
俺はロムとシュウに再会することはできたが、ロムとシュウの間にはピリピリした空気が流れており、もうかつての「シュウ」はもういないことを悟った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・ここはどこ?
俺はいつの間にか子供の姿になって、その場所にいたシュウに訊ねる。
シュウ。俺はあなたみたいなギターが弾けるようになったかな?
そう言うと、シュウの顔は見えないが、どこか微笑んでいるようにも見えた・・・。
目覚めたのは俺の部屋のベッドの上だった。シンガンクリムゾンズに加入してから、たまにだがこんな夢を見る。俺は着替えながら思う。
ーーーそうだ。たとえ何もかも変わってしまったって自分の道を決めたのは自分だ。
アイオーン「ーーー我降臨」
俺はセッションの練習でBRRのスタジオに行く。そしてその練習が終わった後に俺は一人残り、社長に呼ばれた。俺は聞く。
メイプル「アイオーン君。トラクロとの初の対バンが決まりましたぞ」
アイオーン「!・・・あの、どうしてそれを俺に・・・?普通はリーダーのロムにではないのか?」
メイプル「それは秘密ですぞ」
アイオーン「・・・あの」
俺はあることを聞く。
アイオーン「・・・ちゃんと皆に、仲間だと思われているのか・・・」
メイプル「確かにアイオーン君はちょっと人見知りですが、音楽の才能は他のメンバーも認めてますぞ。ちゃんと仲間だと思ってますぞ。たとえ別れが来ようが来ないが」
アイオーン「・・・ああ。離れても音楽は繋がっているのだからな・・・」
すると、社長は言う。
メイプル「ーーー「本当にいい曲は小さな身震いでも感じないと稀」、ですぞ」
アイオーン「ヴッ?」
メイプル「これはある指揮者が言った言葉ですぞ。アイオーン君の曲は誰かに届けたいほど苦しくて家畜はみんなそれを感じながら感動してますぞ。アイオーン君の曲は今は意識的には無理かもしれませんぞ。ですが、もっと届けたいという苦しみではなく想いであればきっと、本当に届けたい人に伝わりますぞ」
すると、俺は真っ先に小さな頃に出会った少女を頭に浮かべた。その次にシュウ。この言葉にどこかで救われた俺は微笑む。
アイオーン「ああ」
俺は今は意識的には届けたいという気持ちを届けることは無理かもしれない。だが、「音楽が好きだ」。それはきっと届くことだから。
アイオーン(見せてもらうぞ、シュウ。お前の今の夢を)
クロウ「やっべえ;緊張する・・・;」
ヤイバ「故に;」
アイオーン「・・・;」
ロム「こんなことで諦めるなお前ら!!俺達は俺達の魂を届ければいい!!」
アイオーン「!」
ロムはロムで変わらない。シュウもシュウで心底変わったわけではないのだ。だから、シュウに届ける。
クロウ「行くぞ家畜共ぉぉぉぉぉー!!!」
シュウ☆ゾー「・・・!」
カイ「どうしたんですか、シュウ☆ゾー君?」
シュウ☆ゾー「・・・ううん。ちょっと懐かしい気持ちがして・・・」
シュウ。聞いているか?今とても幸せだ。これ以上の幸せもあったかもしれないが、今も過去も未来も音楽が好きな気持ちは変わらない。音楽が好きだ!めちゃくちゃ大好きだ!だから、今はもう笑って生きていい。
- Ai:birthday(その2) ( No.147 )
- 日時: 2017/02/10 00:00
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
クロウ「・・・やい!ヘタレオン!」
アイオーン「ヴッ!?」
目覚めたのはいつものスタジオだった。そう、今までのは過去の夢だった。大切な思い出である。
クロウ「ほら!今日はお前が主役の誕生日なんだから、シャキッとしろよ」
アイオーン「ヴ!」
クロウ「ところで寝てる時に幸せそうな顔をしていたけど、どんな夢を見たんだ?」
アイオーン「・・・大切な」
アイオーン「大切で憧れの過去の夢だ」
おしまい
「後書き」
今回はアイオーン様の過去でした。アイオーン様も彼なりに前に進もうとしているんです。
ちなみにうちのアイオーン様はBRRのプラズマジカの後輩でシンガンクリムゾンズの追加メンバーです。過去で「アイオーン様が来る前」と言っていたのはそのため。
実は他の話も書こうとしましたが、2月10日がアイオーン様の誕生日だとわかり、半年前ぐらいから練っていたものを急遽書きました。アイオーン様、やっぱり可愛いですvアイオーン様、お誕生日おめでとうございます!
感想OK