二次創作小説(紙ほか)

とっておきのうた(その1) ( No.389 )
日時: 2017/09/12 23:08
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

今回はヘドさんとアイオーン様と空メインのお話。新曲作りに悩むヘドさんでしたが・・・?






王ドラの担当の一つの病院。事故に遭っていたヘドの幼なじみのマオは昏睡状態から奇跡的に記憶の大部分を失うことなく目を覚ましたが・・・


マオ「お腹すいた・・・(机の上にくだーっ」
コスタ「・・・;」
マオ「ねぇ、なんか食べ物はある?あたしはお腹空いてるんだから・・・」
看護師「ダメです!最後の今日の検査が終わるまでは飲食禁止!」
マオ「ちぇー」


マオの回復は医師達も驚くほど順調であとは足のリハビリの最終に入るほどだった。肝心の指は・・・


ストルナム「ところでマオちゃん、指の方は?」
マオ「ああ、大丈夫っ。もう指が動けるほど回復してオーボエも病院でも吹いていいって」
バーテブラ「マオの回復力半端ねえな・・・;」
ペルヴィス「マオ、そういや家族はどうしてるの?」


そのことを聞かれた瞬間、マオの顔は一瞬険しくなったが、すぐに笑顔に戻った。


マオ「ああ、大丈夫。見舞いには来てないけど、仕事が落ち着いたらすぐに来るって」
ペルヴィス「そっか」
バーテブラ「・・・」
マオ「そういや、ヘドは?」
バーテブラ「あー、アイオーンが見舞いに来るよう説得してるよ。あいつ、マオが目を覚ますまで毎日見舞いに来てたのに顔合わせづらいのかなあ・・・」


一方、アイオーンはヘドにマオの見舞いに来るよう彼なりにオブラートに包んで説得していた。


アイオーン「マオ、オーボエがもう吹けるほど指は回復している。足も回復しているから見舞いにこ・・・」
ヘド「無理。つか、何度も言ってるだろ。俺はマオが退院するまで見舞いには来ないって」
アイオーン「だが、もう一ヶ月ぐらいだろう?マオも言わないが、本当はすごく心配して・・・おい、聞いているか?」
ヘド「世話焼きヘタレオン」
アイオーン「ピシッ」
ヘド「これからシンガンのバンド練習するんだろ、毎日よくやるよな」
アイオーン「無理してるって言いたいのか。神は好きでやっている。仲間が大事なのだから。それはそうと「アイオーン様!?ヘド!?」ヴッ!?」


すると、ヘドのファン兼アイオーンの家畜達が黄色い声を上げながら二人を取り囲んでいた。ヘドは笑顔で対応する中、アイオーンは見かねたクルークに救出された。


クルーク「アイオーン、大丈夫?相変わらずモテるねー、キミら」
アイオーン「こんなに家畜がいたなんて実感が湧かないがな」
クルーク「どうどう;マオは才あるオーボイストなんだろ?考えれば3年のブランクでも復活の余地はあるって!」
アイオーン「まあ、そうだがな。ヘドはマオのことを話してくれたが、まだ完全に心を開いてない感じだ。そもそもマオ以外は興味がないという感じ」


ヘド『今どういう気持ち?』


あの言葉を言われた時からずっとそうだった。一番苦手なのは浅黒い感情を明かす時のあの瞳かもしれない。マオのために自分を歌で表現することを封印している気がした。マオのために。
一方、空はビャッコにチェロを教えていた。空はビャッコの悪かったところを指摘する。


空「違うよビャッコ君。この音はもっとしっかり弾かなくちゃ」
ビャッコ「えっと・・・こう?」
空「そうだよなかなかいいよ」


すると、ペルヴィスが入ってきた。ペルヴィスは言う。


ペルヴィス「頑張ってるね二人とも(差し入れのバーテブラが作ったハチミツレモン」
ビャッコ「ハチミツレモンだー!」
空「チェロを教えることは基本を復習できることだから。そういえば、クルークに聞いたんだけど、ペルヴィスちゃん達、病院のお見舞いに行ってるんだって?紅葉姐さん、何かすごいことをやらかしたの?(ワクワク」
ペルヴィス「いや、違うから;実はヘドの幼なじみが入院してて・・・今リハビリの最終段階に行ってるんだけど、才あるオーボイストなんだ。写真もあるんだけど、この子なんだよ」
ビャッコ「わっ、すっげー綺麗な顔ー!」
空「才あるオーボイストなら私も見せ・・・!!!ペルヴィスちゃん、その写真を見せて!!」
ペルヴィス「えっ?」
空「早く!!」


すると、何かに気付いた空がマオの写真を見る。ペルヴィスは聞く。


ペルヴィス「なんだよ〜;もしかして、マオのことを知ってるの?」
空「・・・知ってる・・・」






空「会ったのは、私が小さかった時の親戚同士の触れ込みで一度だけだよ」
ペルヴィス&ビャッコ「!!!」






幼いながら忘れもしない、私が初めての親戚同士の食事会で会った子。その次の食事会から全く姿を見せなくなった従姉。彼女はオーボエの腕前を見せた時に私が感激して6歳の時からチェロを始めたきっかけ。彼女が私にチェロを勧めた時の言葉は・・・






マオ『空ちゃんは6歳からチェロを始めた方がいいよ。今はまだ小さいから無理だろうけど、空ちゃんはチェロでカッコよくなるから』






従姉は私にそのことを言い残して、姿を現さなくなった。


空「嘘でしょ・・・」
ペルヴィス「本当なのそれ!?」
空「お願い、ペルヴィスちゃん!私とミイと紅葉姐さんをその病院に案内して!」
ペルヴィス「う、うん!」


一方、マオは腕慣らしにオーボエを吹いていた。3年のブランクが嘘みたいに綺麗な音だった。マオは吹き終えた後に言う。


マオ「・・・どうせ来るわけないよ。だって、あの人は・・・」


すると、ドアが開く。そこには驚くペルヴィスと、空とミイと紅葉だった!


マオ「ペルちゃん!?それとキミ達は・・・」
空「私はキミの従妹だよ、マオちゃん!覚えてる?」
紅葉「覚えてるなら返事代わりにオーボエの音を聞かせてくれ」


すると、マオは返事代わりににオーボエのBのフラットの音を吹く。マオは確かに三人のことを覚えていた。


マオ「ちゃんと覚えてたよ。それがどうかしたんだい?」
ミイ「マオちゃんがあれから親戚同士の食事会に来なくなったことが気になってたの。マオちゃんの両親が離婚して私達の親達が親交のあった外部のマオちゃんの父親に引き取られたって聞いた。マオちゃんの父親との間に何かあったんなら教えて欲しい!」
ペルヴィス「ちょっと!マオの父親は仕事が忙しいから来られないって・・・」


すると、ここでペルヴィスも何かに気付く。ペルヴィスが気付いたことによりようやく観念したマオは言う。


マオ「・・・大丈夫。もう貿易商の社長であるお父さんの跡取りとして身体に気をつける必要はない。もうすぐあの家も出られるんだ。・・・お父さんが、お母さんが出て行かれた前の愛人と1年前に再婚して」






マオ「新しく子供が生まれたからもうあたしは跡取りにいらなくなったって」






マオから語られた衝撃の事実に四人は驚く。マオは言う。


マオ「でも、別にいいんだ。大人の都合であんな寂しい家に連れて来られてオーボエはするなとかお父さんとその家族が音楽が嫌いだとか跡取りだなんだって今までも十分振り回されてきた。大人が勝手なのってとっくに慣れたし、オーボエの先生が環境を用意してくれたおかげでオーボエを隠れて吹けれたり、ヘドやバテ兄達と一緒にいられただけで頑張れた。こんな苦しみに遭わなかったのがヘドじゃなくて本当に良かった。これからはあたしがヘドを守るんだ」


マオの愉快そうにかつ寂しそうな微笑みをする中、ペルヴィスは聞く。


ペルヴィス「・・・マオは退院したらどこに住むの?」
マオ「わからない。多分遠くに一人暮らしさせられるんじゃないかな?」
紅葉「じゃあ、うちの事務所の寮に来ればいい」
マオ「えっ?」


紅葉の誘いにマオが驚く中、彼女は言う。


紅葉「うちの事務所との必要最低限の契約はしてやる。もちろん保護者は私の父親に事情を話して頼み込むから、リトルモンスターのオーボイストとして所属すればいい。そもそもマオに遠いところの一人暮らしは似合わない」
空「紅葉姐さん・・・!(ジーン」


紅葉の真剣な瞳にマオは流れそうになった涙をぐっと堪えて言う。


マオ「うん。今はリハビリ中だから自力で立つことはできないけど・・・退院したら、あたしはヘドと同じ事務所のオーボイストとして吹きたい。だから、あたしが退院するまで待っててくれるかい?きっとすぐに来るから!」
紅葉「!・・・ああ」


一方、バーテブラからマオの身の回りの物を病院に運ぼうとしていた吟遊月華はマオの住んでいた家に上がりこんでいた。家にマオの父親がいない上で。

とっておきのうた(その2) ( No.390 )
日時: 2017/09/12 23:13
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

エニシ「洗面具は俺が運ぶから、ミヤビはマオの少しの着替えを運べ」
ミヤビ「はい」
ヤマト「ったく・・・マオちゃんの父親は仕事で忙しいから仕方ないとして・・・」


すると、玄関のドアの外から物音がした。声もする。


???「健二?(マオの父親の名前)マオ?いるのー?」


すると、吟遊月華は外見が派手そうな熟女に会う!その熟女は驚く。


???「・・・誰?あんた達」
シグレ(えっ・・・マオさんの父方の・・・おばあさん!?)
ナルカミ「あの・・・」


すると、ナルカミがマオの身の上を説明する。


ナルカミ「実はマオさんが3年前に交通事故に遭ったので、一ヶ月前ぐらいに目を覚ましたばかりなんです」
マオの祖母「ええっ!?嘘!?」
ナルカミ「これ、入院先の病院と病室のメモです。詳しくは後ほど話しますので、だから早く行ってあげて下さ「もー、どうすんのよっ」






マオの祖母「ほんっと面倒くさいんだから。あいつ!(ナルカミが渡したそのメモを投げ捨てる」






シグレ(ーーーは・・・?何・・・?)
マオの祖母「つか、私の息子の健二が新しく子供ができて愛人と再婚してて、あの子がこれから一人でほっぽり出される所への引越し代もかかるし、入院費用とかないんだけど。あ、でも入院なら確か事故なら保険が入るのかしら!?だったら、ラッキーかもー♪」
シグレ(なんなんだよ、こいつ)


マオの祖母の全く初孫を心配しない様子にエニシは聞く。


エニシ「・・・あなた、おばあちゃんですよね?少し、心配とか」
シグレ「マオさんが・・・マオさんが、オーボエをしていたこと、知ってますか?」
マオの祖母「オーボエ?あんなの健二の元妻を悪魔にした楽器よ。マオは全く言わないのねー、昔から何も言わない悪魔みたいな子だったし」
シグレ「・・・そんなんだったら・・・っ」






シグレ「マオさんのことを大事にしないなら、うちの事務所にください!」






シグレの涙ながらに切れたことにナルカミもびっくりする中、マオの祖母は言う。


マオの祖母「ーーーえ・・・それって・・・あなた、マオと結婚するってこと?」
シグレ「!?いや、そんなんでは・・・!」
マオの祖母「でしょうね。粋がったってまだ子供だもの。年長者に向かってそんな口きいたって、結局は・・・「うるせーよクソババア」


その言葉を発したのはマオを悪魔と迫害する祖母の心配しない様子を見て切れたエニシだった。エニシは言う。


エニシ「少なくとも、マオはあんたらよりも大人だよ」
マオの祖母「なっ・・・バ、ババアって」
エニシ「マオが退院したらすぐうちの事務所の寮に来させるって紅葉が言ってたから(←聞いたらしい)さっさとマオのバカ父と一緒にどこへでも行けよ!」
マオの祖母「さっさとって・・・あんた達に関係ないでしょ;つか、出て行って!」
エニシ「言われなくとももう行くわ!必要な書類は紅葉がなんとかするって言ったからもう二度とマオに関わるな。わかったか!」


吟遊月華が荷物を持って出て行く中、マオの祖母はエニシを睨む。


エニシ「・・・なんだよ(睨み返す」
マオの祖母「ーーー別に!二度と来ないでよね!!」


マオの祖母は逆ギレ紛いにドアを強く閉めた後、エニシはため息を吐きながら言う。


エニシ「・・・ったく・・・とんでもないバカ父とその家族だな」
ミヤビ「ーーーエニシさん。紅葉さんがなんとかするって・・・?」
エニシ「・・・」


一方、ヘド以外のdevilとアイオーンはマオの見舞いに来ていた。ヘドは新曲の作詞作曲をしていることで来なかった。


アイオーン「ヘド、結局最後まで説得できなかった・・・;」
ストルナム「マオちゃん、もう足が治るのにね」
バーテブラ「あれ?いないな?」
コスタ「そういえば、マオはリハビリセンターに・・・」


アイオーン達はその数分後に足をリハビリ中のマオを発見する。ペルヴィスは言う。


ペルヴィス「早く治したいから、体力や筋力を取り戻したいんだって。・・・アイオーン。ありがとうね」
アイオーン「ヴッ?いや、神は・・・何もしていない」
ペルヴィス「そうだね。アイオーンはただ、コミュ障でニートから治りかけでも、どんなことにもまっすぐ一生懸命だっただけだもんね」
アイオーン「!」


その一生懸命さが、ヘドの心の氷を溶かしたんだ。
その数週間前、ヘドはフランツに呼び止められていた。


フランツ『ヘド君、今いいかな』
ヘド『なんだ?』
フランツ『・・・キミの歌を聴いた時に本当は僕も物足りないなと思ったんだ。だけど、今はこれだけ歌えれば十分だと思ってしまった。シュトレーゼマンさんはキミを悪魔の学生ではなく、一人の悪魔のボーカルとして扱っている。ごめんね』
ヘド『・・・別に・・・』
フランツ『これだけは言わせてね。キミの歌は素晴らしいけれど、聴いてると苦しくなる。もっと楽しんでいいんだよ。歌を好きになってあげて』
ヘド『・・・ああ・・・』


ペルヴィス「あいつが人の意見を受け流したりせずにちゃんと聞いてるのを驚いたよ。きっとマオが目を覚ましただけじゃなくて、アイオーンの影響もあったんだと思う。アイオーンの弱くてもそれを打ち砕く優しい心が、ヘドの悲しみを溶かしてくれたんだ。だから、今はヘドはそのための新曲に取り掛かる最中なんだと思う。だから、ありがとう。アイオーン」


アイオーンはそれを聞いてやっと自分のやってきたことが初めて実を結んだことを実感する。すると、ペルヴィスは言う。


ペルヴィス「あっ。そういやアタシのキーボードの調整、今日終わったんだっけ!行ってくる!」
ストルナム「行ってらっしゃーい」


ペルヴィスが取りに行ったキーボードの預け先である楽器店の近くでゼオはポケモンコンテストの練習をしていた。リストはかっこよさ部門に、ステラはかわいさ部門の計二日間を要するポケモンコンテストに出場することになった。


ゼオ「うーん、リストもステラもいいんだけど、まだ改善の余地がありそうだな」
リスト「オレもそう思う」
ステラ「いいなー、ボクもかっこよさ部門に出たかったー」
リスト「お前はかわいさ部門だからマシな方だろ!」


ペルヴィス「えへへー。アタシのキーボードも迎えに来れたし、そろそろみんなのところに戻ろ「ちょっとお嬢ちゃん」ん?」


すると、ペルヴィスがいつの間にか不良四人に絡まれていた!不良のリーダーは言う。


不良のリーダー「顔は結構いい線行ってるじゃねーか。俺達と付き合わない?」
ペルヴィス「は?あんた達と付き合う気なんかこれっぽっちもないんだけど?」


ゼオ「?あれってペルヴィス・・・?」


ゼオが目撃する中、不良のリーダーは言う。


不良のリーダー「そうか、このキーボードが原因か。おい!」
不良A「わかったぜ。おら!」
ペルヴィス「ちょっと!!?アタシのキーボードに何すんの!!?返してよ!!」


すると・・・


ガンッ!


強く投げたキーボードはヒビが入り、直すこともできない状態だった・・・。


ゼオ「なっ!?」
ペルヴィス「あ・・・あ・・・」
不良のリーダー「可哀想に、もうキーボードはできないねぇ。ほら、こんなゴミほっといて俺達と・・・」
ゼオ「待たんか貴様ら!!」


すると、ゼオとリストとステラがペルヴィスを助けに入る!不良は言う。


不良B「なんだ?このちっこいガキは・・・」
不良のリーダー「やっちまえ!」
ゼオ「ステラ、みずてっぽう!」
ステラ「みずてっぽう!」


すると、ステラが不良のリーダーのズボンに水をかけ、それを不良達が驚愕する!


不良のリーダー「きゃあああああー!!!覚えてやがれ!!あの上条真央(マオ)の父親の命の通りに復讐に来てやるからな!!」
不良C「リーダー!!」


不良達は逃げ、ゼオはペルヴィスに声をかける。


ゼオ「大丈夫か、ペルヴィス!立てるか!?」
ペルヴィス「うん・・・大丈夫・・・」
ゼオ「キーボード、あいつらに壊されたのか!すぐにお前と同じメンバーに報告するぞ!」
ペルヴィス「できない・・・」
ゼオ「できなくない!ほら、行くぞ!」


ゼオがペルヴィスの手を掴んで、すぐにそのキーボードを持ってリストとステラとともにペルヴィスがいたマオの入院先の病院に向かう!そこにバーテブラが迎え入れたが・・・

とっておきのうた(その3) ( No.391 )
日時: 2017/09/12 23:20
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

バーテブラ「おー、おかえり・・・って、ペルヴィス、そのキーボードはどうしたんだ!!?」
ゼオ「ペルヴィスに絡んだ不良四人組に壊されたんだ。あ、俺は壊したりなんかしていない。楽器を壊すことは音楽家にとってタブーだからな」
ストルナム「あいつら、ペルヴィスにそんなことしたの!!?女の子にこんなことするなんて許せない!!」
コスタ「社会のルール違反だな」
アイオーン「それでその真の異教徒の特徴は・・・?」
リスト「アイオーン、いたんだ。確かマオの名前を叫んで父親の命で復讐に来てやるって言ってたよ」
ステラ「でも、大丈夫!ボク達がまたコテンパンにやっつけて「ヘドの前のバンドのメンバーだ・・・」えっ?」
バーテブラ「どうしよう・・・俺達のせいだ・・・」






バーテブラ「マオの親父が・・・マオを連れ戻すためにヘドの前のバンドのメンバーに金を渡したんだ・・・!」






その直後、ロムと王ドラがやってきた。王ドラは休憩時間で、ロムは立ち寄っていたためだ。


王ドラ「おや?なんか声が聞こえるなと思ったら・・・ゼオさんとステラちゃんとリスト君と・・・」
ロム「アイオーンとバーテブラ達?」
ゼオ「王ドラ、ロム!?」
バーテブラ(ようやく名前を覚えてもらえた・・・;)
ロム「?バーテブラ、どうしてお前らしくもない泣きそうな顔をしてるんだ・・・?」


ロムに気付かれたバーテブラはその数分後、病院内にある庭園で彼に話す。


バーテブラ「・・・ヘドはな、あの不良とバンドと組んでたんだよ・・・一応バンドだけど、実力の割に暴力事件ばかりを起こしてな、ヘドを守るためにマオは身代わりにあいつのバイクに轢かれたんだよ。ヘドは児童相談所に2年間入れられてその2年間も落ち込んだけど、その時に行われてたマオのオーボエのコンクールの成績を見て、マオの居場所を守るためにヘドは俺達とdevilを結成して立ち上がったんだよ。そのかいあってマオは奇跡的に目を覚ましたんだけど、多分マオの父親はマオのオーボエやヘドや俺達と一緒にいること自体が気に食わなかったんだろうな。ただヘドも俺達も、マオを守ろうとしてただけなのにな・・・」
ロム「・・・」


すると、ロムはバーテブラの頬をつねった!


バーテブラ「いででででー!!!」
ロム「バカかよお前は」
バーテブラ「ひゃい?」
ロム「それでもマオはお前らと一緒にいることを選んだんだろ。マオ自身が自分で決めたのにマオのオーボエやお前らと一緒にいることの何が気に食わないって言うんだ!それを奪うのは明らかにおかしすぎるだろ!!」


ロムに厳しく諭された言葉に続いて彼は言う。


ロム「要するにマオもお前らも何も悪くないってことだよ。本当に悪いのは自分で決めた居場所を奪うマオの馬鹿父だろ」


ロムの言葉にバーテブラの足に雫が零れ落ちた。バーテブラは思う。
普通は責めてそうなことを言うと思っていた奴の、溢れんばかりの想い・・・こんなにも辛くて・・・優しくて・・・温かい・・・。
バーテブラは涙を拭いながら言う。


バーテブラ「そうだな。じゃあ、ヘドが新曲ができるのはもうすぐだから、マオの父親とその家族をボコってくれ。頼む」
ロム「ああ。マオの馬鹿父を徹底的に殴ってやるよ」


一方、空達に呼ばれた彼女達の親族である天川家と栄家と三軒屋家と椿家の人々と勇飛達四人と闇天使生徒会と光の天使生徒会は天川家(空の家)に集まっていた。空の母親である春陽は空達に聞く。


春陽「ねぇ、空、私達に話したいことって何?」
秋人「空達の大事な用だったからギタリストの仕事を早めに切り上げたんだが・・・」←空の父親のトップギタリストのトップバンドの一つのcranberryの天川秋人ことアキト
空「・・・マオちゃんは知ってる?」
春陽「ええ、知ってるわよ。マオちゃんの行方を知ってるの?」
夏希「あらあら。春陽姉さんも女優の仕事しながら気にかけてたじゃない」←春陽の妹(次女)で職業はデザイナーの一男二女のママ(紅葉のママ)
秀一「春陽さん、なかなか余裕があるな」←夏希の夫で不動産業の社長(紅葉のパパで元西恋歌の初代総長の元ヤンキー)
冬美「マオちゃんの母親の風子姉さんは今でもオーボイストとして世界中を飛び回ってるって聞いたけど・・・」←春陽の妹(四女)で職業はメイクアップアーティストの男子の双子と一女のママ
裕也「まーねー、あの人はそういうタイプだからねー」←冬美の夫でスタイリスト
三葉「あの人には娘も同様の音楽の力を感じるのです・・・」←春陽の妹(五女)で職業はプロの棋士の一女のママ
衛「おお、また将棋の袿馬か・・・!」←三葉の夫で職業はプロの棋士
草子「マオちゃんの行方が分かってるなら車走りたいなー」←春陽の妹(六女)でプロの女性カーレーサーの二男のママ
豊「またカーレーサーかよー。まあ、気持ちはわからなくもないけど」←草子の夫で職業はプロのカーレーサー
秋太「あいつの奔放のことだから、まさかと思うが・・・何かあったのか?」←春陽の兄(長男)で栄家の跡取りの一男一女のパパ
美子「まさかあの人に限って・・・」←秋太の妻
博雪「まあ、あの人は昔からああだからな;」←春陽の弟(次男)で職業はチェロ講師の二男三女のパパ
智絵「あの人はオーボエの才能はすごいのにね;」←博雪の妻で世界各地で活躍するプロのチェリスト
彰太郎「でも、あの人は自由奔放でマイペースなんだがな・・・;」←春陽の弟(三男)で職業はプロの画家(油絵専門)の二女のパパ
香絵「いいんじゃないかしら?」←彰太郎の妻で職業はプロのイラストレーター
始「なんか集まるたびに曲が浮かんでくるんだよねー」←春陽の弟(四男)で職業はプロの作曲家の一男のパパ
沙織「こんな時に仕事の話?」←始の妻で職業はプロの作詞家
玲二「美味いなー、これ(空が作ったスープを飲んでる」←春陽の弟(五男)で職業はプロのシェフの一女のパパ
祐二「ちょっとまた料理の味見ー?」←春陽の弟(六男)の玲二の双子の弟で職業はプロの料理人の一男のパパ
智代子「いいじゃん、美味しければいいんだし」←玲二の妻で職業は美容師
美梨華「それに祐二ならわかるでしょう?」祐二の妻で職業はプロのパティシエール
春陽「そうね。風子もきっと何かあったんだろうし、仕事の話も入るだろうし・・・」
空「あの、ちゃんと聞いてる?」
春陽「聞いてるわよちゃんと」


すると、紅葉がマオのことで話そうとする。


紅葉「実は・・・」
武蔵「どうだ?この機会に食事でもしないか?」←秋人の兄で椿家の跡取り(ミイのパパ)
あゆか「あらあら」←武蔵の妻(ミイのママ)
静子「あら、いいわね!」←秋人の妹で有名なゲームプログラマー
一太「しかもまたみんなで宴会をやって!」←秀一の弟(次男)で有名な映画監督
竜一「また秀一兄さんのバイク芸を見せてもらったりしてな!」←秀一の弟(三男)でプロのダンサー
秋人「いいな!早速料理を作ってもらって・・・」
紅葉「後にしてもらいます?」


紅葉に合図をされたミイはマオのことを代わりに話そうとする。


ミイ「実は・・・」
幹彦「今夜は酒を飲みながら語り合おう!」←秋人達の父親で天川家当主
初代「いいわねそれ!」←幹彦の妻で秋人達の母親
凛太朗「大人はワインで乾杯しようじゃないか」←あゆかの父親で椿家当主
虹子「乾杯しましょ乾杯!」←凛太朗の妻であゆかの母親
福士「そりゃいいこったな」←秀一達の父親で秀一が経営している不動産業の会長
恭子「孫達も遊んだ後に食べてくれればいいしね」←福士の妻
正志「つか、紅葉ちゃんは成年だったな」←春陽達の父親で栄家当主
香世「紅葉ちゃんにもお酒を飲ませましょう!」←正志の妻で春陽達の母親
ミイ(´;ω;`)
空「あの!ちゃんと聞いてーーー」


ガンッ


すると、業を煮やしかけた勇飛とパトリが机を強く叩く。ヒビが入った後に言う。


勇飛&パトリ「後で弁償しますのでちゃんと聞いてくれますか・・・?」←ドスの利いた声
空&紅葉&ミイの親戚一同「はい(土下座」
アビス「土下座までしたぞ;」
エドガー(天川空のバカはこの親戚譲りですか・・・)
空「ありがとう、勇飛、パトリ君。実は・・・」


空はマオと風子の間に起こったこと、そして原因は音楽嫌いのマオの父親が愛人を作って娘のマオを呪縛していることを親戚一同に話した。これを聞いた正志は激怒する!

とっておきのうた(その4) ( No.392 )
日時: 2017/09/12 23:27
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

正志「なんだと!?マオも風子も何も悪くないじゃないか!!奴の本性を見抜けなかったワシもだが、許さん!!」
幹彦「そうだとも!天川家伝統のオシオキでマオの父親とその家族を粛清しようじゃないか!!」
琴「天川家伝統のオシオキってなんですか?」
ニナ「あたしも聞きたいんだけど」
幹彦「決まってるだろう!」






幹彦「天川家伝統の吊し上げ会だ!」






一方、その翌日、王ドラ・イーブイのドルチェ・クルーク・ゼオ・ププル・ステラ・リスト・くぅちゃん・アイオーン以外のシンガンクリムゾンズ・吟遊月華はマオの父親とその家族を懲らしめるために武器を持っていた。devilは今日でまだ足のリハビリは必要だがマオが退院したために彼女をアイオーンがその翌日のdevilのライブに連れて行ったからアイオーン共々不在だ。


クルーク「ねぇ、こんなバットを持ってどうするの?」
ロム「殴るしかねーだろ。マオのバカ父とその家族を」
ヤマト「でも、紅葉さんの許可なしで殴れるっすかねー」
クロウ「それでも正しい暴力として殴るんだよ」


すると、クルークにLINEが来ていた。空からだ。


空のLINE:マオちゃんに関してのニュースです。すぐに私の家に来て下さい


クルーク「なんで敬語・・・?」
ナルカミ「マオさんに関してのニュースですから行きましょう」


クルーク達が空の家に訪ねるとそこには武器を持った空達の親戚一同と勇飛達と闇天使達と光の天使達がいた!


ヤイバ「故に戦うなら勝てん・・・;」
空「違うよ!そうじゃなくて!」


空が事実を話すと、その話を聞いたゼオは驚く。


ゼオ「マオと空達が従姉妹!?嘘だろ?」
エニシ「親戚一同の覇気の強さから見るとマジだったんだ;」
紅葉「私の伝手だ。利害の一致から協力せざるを得ないだろう」
ミイ「吊し上げ会の共闘をしよう!多分リトルモンスターのメンバーがマオちゃんの父親の差し金に酷い目に遭わされたんならそれがいい!」
ププル「うん!」


すると、王ドラは紅葉とその父秀一と目を合わせる。王ドラにはこの親子に見覚えがあった。


王ドラ「あ、紅葉さんと秀一君ですか」
紅葉&秀一「!!!ワ、王ドラさん!!!(親子揃って畏怖」
王ドラ「あなた達、西恋歌を立ち上げさせた私にその恐怖の顔は何ですか?まあ、人を畏怖させるのは楽しいからいいとして(にっこり」
紅葉&秀一\(^q^)/勝てんオワタ
大半の一同(鬼だ・・・;)
ドルチェ「王ドラの喧嘩、もっと見たい!たとえ視力が弱くても!」
大半の一同(ドルチェも鬼だー!!!?)


一方、マオの父親の健二は自分の実家で自分の両親と再婚相手とその自分の実子である2歳になる子を引き合わせていた。元不良バンドの不良達四人を連れて。健二は不良達の報告を聞きフハハと嗤う。


健二「そうか、あの悪魔女のキーボードを壊したか・・・私達に逆らった吟遊月華への罰として最適だろう」
健二の父親「風呂を覗いてマオの裸を見たかったが・・・仕方ない」←風呂を覗くエロジジイ
健二の母親「マオは母親同様のただの欠陥品だもの」
健二の再婚相手「マオっていう子は何なの?」
健二「ああ、マオは風子と同じ、強欲で金遣いの荒い派手なバカ娘だよ」






急襲に来た一部の一同(^ω^#)←健二達の後ろにいた






健二&健二の母親&健二の父親&不良四人「ぎゃあああああああー!!!」
幹彦「天川家本家から話があるから天川家の本家に来い馬鹿野郎(^ω^#)」


急襲に来た一部の一同が馬鹿三人+不良四人を天川家の実家に連行する中、二日間続く吊し上げ会が決行された!!もちろん馬鹿三人以外の男一同は女一同が作ったおにぎりを食べ、馬鹿三人と最低不良四人には水と塩をあげました。その一部始終を見てみましょう。


幹彦「お家に嫁いでくれたお嫁とその子供にその扱いはなんぞ!!?」
マオの母親「ええっ・・・ううっ・・・(号泣」
ミイ「マオちゃんのおじいちゃん最低!!大嫌い!!」
マオの父親「・・・(←泣いてるwww」
秀一「女や子供に暴力とかざけんじゃねぇぞゴラァ!!」←つい西恋歌の初代総長の元ヤンキーの血が出てしまう
健二「ゴメンッほんとごめなさいっ◯◯兄ちゃーん!!!(名前が適当ですみません」
エニシ「楽器を、しかも女の大事なものを壊したらどうなるか教えてやろう(^ω^#)」
不良四人「ぎゃああああああー!!!」


説明しよう!健二は幼い頃から叔父に殴られたらしく今でも叔父や伯父が本当に苦手らしい。健二の再婚相手は聞く。


健二の再婚相手「あの・・・健二は何もしてないのに・・・」
リスト「!あんた、健二の馬鹿に騙されてたんだよ!マオの性格を偽って!」
健二の再婚相手「!!!」


リストの言葉に健二の再婚相手はようやく目を覚ます。一方、その翌日、アイオーンはマオをdevilのライブに連れていた。


マオ「アイオーンさん、ヘド達のライブのチケットを送ってくれてありがとう」
アイオーン「いや、良いのだ。ヘドはお前に伝えたいことがあるのだからな・・・」
マオ「?」


すると、devilのライブが始まった!ボーカルのヘドは言う。


ヘド「今日は楽しもうぜお前らー!いや、楽しむんだー!」


ヘドのセリフにdevilファン一同は黄色い声を上げる中、devilは曲のプログラムの進行を進める。そして最後のプログラムがなった。


ヘド「次が最後の曲だ(チラッとマオの方を見る)この曲は俺をずっと支えてくれた人のために書いた歌です」
マオ(えっ?)
ヘド「ちょっと俺なりに気取った歌詞とバラードロックだけど、聞いてくれると嬉しいぜ。では行くぜ」


ヘドはその歌を歌う!この日のために作った曲を・・・


BGM:とっておきのうた


俺より少し大人びた君 春は同じ学校の制服を着て
夏は一緒に祭りに行って 秋は一緒に音楽を奏でて
冬は一緒に年を越せたら 何もいらないから


devilファンA「ラブラブな歌詞だねっ」
devilファンB「明るい曲かな?」
マオ(ラブラブ・・・?違う気がする。この歌は)






マオ(あたしへの気持ちを表した歌・・・?)






君はこれから舞台に立って 音楽を奏でるんだ
君がもしも立てなくなったら 俺がステージを守るから
春の歌 夏の歌 秋の歌 冬の歌
どんな舞台(ステージ)は 自分だけの色に 色ついでいるから
これからも守るから 君は君の道で 強く強く輝いて


マオ(・・・ああ、あたしは・・・ヘドにずっとずっと・・・待っててもらってくれたんだ・・・)


ヘドのマオへの気持ちを表した歌詞にマオの心がようやく届いた瞬間だった・・・。マオはこれに涙してアイオーンがマオの背中をポンと優しく叩く。そのライブが終わった後、マオとアイオーンはdevilの楽屋に遊びに来ていた。アイオーンは言う。


アイオーン「お疲れだな」
ヘド「余裕そうじゃん、こっちは必死なのにさ」
アイオーン「今まで以上によかったぞ」
ヘド「えっ?」
マオ「あの・・・ヘド。ありがとう」


マオの感謝の言葉にヘドは顔真っ赤になりながら言う。


ヘド「べっ、別に今生の別れじゃないからなっ。いずれは同じ寮に住むんだしっ」
マオ「ふふっ。それもそっかぁ」


すると、アイオーンに電話が来た。クロウからだ。


アイオーン「小動物よ。健二達は吊るし上げたか?」
クロウ「ちゃんと二日続けて吊るし上げたよ。健二の再婚相手が健二に言ったことは「私の子供にもマオにもあなた達には会わせない。だから、私の子供の養育費と学費だけを振り込んで会おうとしないでね♪」みたいなこと言ってたぜw」
アイオーン「女は怖いが、まあこんなものだろう・・・」


その翌日、足が治ったマオはオーボイストとしてリトルモンスターに所属することになった。マオはみんなに笑顔で迎え入れられる。


マオ「あのっ、今日からリトルモンスターにオーボイストとして所属することになりましたっ、上条真央です!よろしくお願いします!」
つむぎ「マオちゃん、よろしくね!」
松田「よかったー、ミヤビちゃんとペルヴィスちゃん以外の女子が増えた・・・」
紅葉「女子である私が女子じゃないような言い草だな(^ω^#)」


すると、マオは紅葉と目が合う。マオは言う。


マオ「あの・・・紅葉ちゃん。この前は・・・」
紅葉「マオ、いいんだ。おかえり!(ニッ」


紅葉の不器用ながらも優しい笑顔にマオは涙を拭いながら言う。






マオ「ただいま!」


おしまい






「後書き」


今回はアイオーン様とヘドさんと空メインのお話でした。今回はそれぞれの視点に話を付けたところです。ヘドさんに関してはそれほど話を付けてないんですけど;
そんなこんなで毎度勝手ながら小説の更新が遅れますが(すみません;)、私の気持ちは一ミリも変わらないし、変わるつもりもないです。ではこれからもよろしくお願いします!






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