二次創作小説(紙ほか)

圧倒的な表現力がボレロを貫く(その1) ( No.574 )
日時: 2018/07/25 21:57
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33308723

今回はミュージカル演奏会でのシグレ達の演奏話です!果たして紅葉の条件の達成は・・・!?






この日はミュージカル演奏会当日。星ノ宮学園のミュージカル演奏会にはチケットが即完売され多くの観客が集まるほど人気の演奏会だった。


シグレ(ついに来た。この日がーーー・・・!)


シグレ達の出番は最後のトリ。つまり先の観客の空気をシグレ達一色のムードにすることが紅葉からの条件達成の鍵となる。大半の全員が楽器の音出しをしたり楽譜とにらめっこしたりする中でノックの音が鳴った。ドアを開けるとそこには応援に来たクルーク達だ。


シグレ「はい」
クルーク「やあ、みんな!練習はして来たかい?」
ププル「これ、差し入れ!どうせ出番まで暇だと思うから(手にはププル特製のフルーツオムレット」
まほろ「わー、ありがとう!」
雨季「金城も食べる?」
金城「いや、俺はいい」
ゼオ「どうしてだよ。せっかくの差し入れなのに」
金城「先に宮島が作ったマカロンを食べたから胸焼けが起こしそうなんだよ・・・;」
宮島「・・・;」
王ドラ「マカロンの食べすぎですよ!ほんとにもう!」
シグレ「つか、金城、半分は宮島さんの料理で生きてきたものだな・・・;」
アイオーン「ヴッ;」
夏目「景吾はあれで育ったからね〜」


王ドラがすぐに胸焼け対策の薬を出すためにお医者さんカバンを出そうとする中でシェゾが来た。


シェゾ「メガネちゃんはいるかー?」
王ドラ「メガネちゃん?」
まほろ「私です!シェゾ様、今日は何の用ですか?」←この日は学校でもメガネをかけていない
王ドラ「シェゾ様?」
シェゾ「これ、差し入れ。レモンのハチミツ漬けだが、ぜひ友達も一緒に食べて欲しい」
まほろ「ありがとうございますシェゾ様!演奏頑張ります!」
シェゾ「ああ、頑張ってくれよ。じゃあ、お前ら、俺は空達の様子を見に行くからシグレ達の出番までサポート頼むよ」
ゼオ「はーい」


シェゾが立ち去る中で王ドラはシグレやクルーク達を見るが、彼らは何も答えようとしない。


王ドラ「ちょっと。あれはどういうことですか?」
ゼオ「何にもないよ」
王ドラ「何にもないよということはないでしょう?シェゾさん、まほろさんに何を・・・」


すると、雨季が王ドラの手を掴む。彼女は言う。


雨季「まほろはナンパ男から追い払ってオーボエを壊さないでいてくれたシェゾさんが好きなのよ。それを何をしたと言える?まほろがシェゾさんに恋しようがシェゾさんが何をしようが王ドラには関係ないでしょ?」


雨季の叱責を受けカチンと来た王ドラはこう言い返す。


王ドラ「関係ありますよ。私達ドラケロ防衛隊の保護者役をシェゾさんがやってるんでそれを関係ないって言えますか?」
雨季「な・・・」
金城「朝倉!やめろ。何言われようが演奏前に怒るな」
雨季「金城・・・」


一方、同じ子孫五人組はシェゾからレモンのハチミツ漬けをもらい、演奏前にそれを食していた。


空「ん〜v甘〜いv」
勇飛「流石は女子力高い系オトメンだな」
太陽「シェゾ、可愛い系漫画も好きそうだな〜」
琴「やっぱり疲れた時は甘いものだからシェゾさんはよくわかってるのよ」
樹「僕達それぞれの好みも把握してるね」


そしてミュージカル演奏会が始まる中で観客席に紅葉がいた。彼女は思う。


紅葉(空達の演奏はキラキラしていて華やかだ。だが、シグレ達もそれを上回れるかが問題だろうな・・・)


そして大半の出演者が出番を終える中で次に同じ子孫五人組が来た。これに大半の観客は拍手の音が聞こえながら一部では黄色い歓声を上げていた。


ビャッコ「空先生達はどんな演奏をするかなー?」
スザク「華やかな演奏が持ち味とはいえあまり事件を起こさないで欲しいものですね;」
セイリュウ「師兄、空達は本番に強いから大丈夫だ」
キリン「空ちゃん達が現れて黄色い歓声を上げている子もいるね〜!」
ゲンブ「なんデスカ、黄色い歓声って?」
フレッド「ゲンブ、そんなことは覚えなくていいぜ?」
カーチェス(どんな演奏が来ようが断然フレッド船長激ラブ!!!)
マルチウス「なあ、カーチェスがまた船長のことで暴走しかけてるけど・・・」
ハクウ「気にせずにほっとけばいいよー」


そして同じ子孫五人組が演奏前に観客にお辞儀をし、ホルストの組曲惑星の木星を華やかなアンサンブルで奏でた!


BGM:同じ子孫五人組版ホルストの組曲惑星の木星


空(この曲はあの超名曲のジュピターの原曲。超定番な曲なだけに聴衆の反応次第でムードが決まるーーーーー)
勇飛(定番な曲なだけに少し難しいが手ごたえはあるぜ)


その演奏に会場のムードは一気に同じ子孫五人組の方へ引きずりこむ!そして空の音楽の才の源であるという「マエストロフィールド」が発生しそうになっていた!


観客A(なんて華やかで歌っているような演奏なんだーーーーー)
太陽(空。そろそろいいんじゃね?)
空(OK!)


すると、空のマエストロフィールドは天界に広がる青空の風景に変わった!


空(私はこんなにもーーーーー音楽を愛してる)


そしてその演奏が終わり、会場からは大拍手とブラボーの嵐が降り注ぐ中で同じ子孫五人組は再度お辞儀をして舞台裏に戻って行った。彼らが舞台裏に戻ってもまだ拍手とブラボーの嵐が降り注いでいた。


同じ子孫五人組のファンの観客A「キャアアアアアー!!!空様、勇飛様、樹様、琴様、太陽様〜!!!愛してる〜!!!」
同じ子孫五人組のファンの観客B「私、空様達のファンでよかった〜!!!まだ涙が出そうなくらい〜!!!」
クルーク「・・・空達、そんなに人気者だったのか;」
ゼオ「まあ一部からはあいつらは神と崇められているからな。この演奏をシグレが聞いてどう思うかだな」
アイオーン「・・・大丈夫だ」
ゼオ「えっ?」
アイオーン「シグレはもう本番で萎縮することなどないように成長している。空達には悪いが、この演奏ごときで怯えるような者ではない」
王ドラ「アイオーンさんって、意外と人のこと見てるんですね」
ププル「頑張れ、シグレ君達・・・!」


一方、同じ子孫五人組のあの演奏を聴いたシグレ達は宮島が緊張しまくっていた。


宮島「い、いいいい、いよいよつ、次だな、ハハハハハ」
金城「宮島。お前が狙ってた女を度々奪られた天川達相手に萎縮するな」
まほろ「そうは言ってもね、天川さん達があんな演奏をしたら誰だって・・・」
シグレ「大丈夫だ」


すると、シグレが宮島の手を掴みながら言う。


シグレ「自分達は自分達なりの演奏をしよう。もう後は引かない」
宮島「シグレ・・・」
夏目「シグレの言う通りだよ。結局は自分達なりの演奏をするしかないんだから」
雨季「そうね。行くわよ!」


そしてシグレ達が舞台に上がる中でシグレが現れたことでどよめきと拍手をされ、演奏前にお辞儀をし、そしてラヴェルのボレロを彼らのアンサンブルで奏でた!


BGM:シグレ達版ラヴェルのボレロ


シグレ(この曲はメロディが単調な割に色彩豊かな演奏が求められる。表現力が必要な曲だ・・・)


シグレ達の演奏はその演奏技術のレベルの高さとシグレの圧倒的な表現力で聴く者の心を射抜いていた。すると、シグレに何かしらのマエストロフィールドを観客席からメンバーとともに見ていた兄のナルカミが感じた。


ナルカミ「えっ!?シグレにマエストロフィールドが・・・?」


空「えっ!?シグレ君のフルート・・・マエストロフィールドが・・・!?」


そしてシグレはマエストロフィールドが小さな雛菊が大きな雛菊の花畑に変わった。金城はシグレのマエストロフィールドを最も近くで感じていた。


金城(見える・・・シグレのマエストロフィールド、まだ完全ではないが、小さな雛菊が大きな雛菊の花畑に変わっていく姿を・・・)


オーボエ担当の三人もスネアドラム担当の宮島も演奏しながらシグレのマエストロフィールドに喜びを感じながら演奏していった。そして演奏が終わると会場全体に大歓声と演奏前の時よりもさらにどよめきが巻き起こる。まさに圧巻の演奏だった。シグレの表現力から起きたマエストロフィールドがなければこの圧巻の演奏はできなかっただろう・・・。


空「シグレ君達はもう条件達成してるね」
勇飛「そうだな・・・驚くべき統一感、音色も美しい。シグレ、金城先輩達、あんたらの作り上げた音楽は素晴らしいな」
琴「条件達成って・・・どういうこと?まだ紅葉姐さんから・・・」
樹「客席にいる紅葉姐さんを見てよ」


すると、紅葉の目から無意識のうちに小さな雫が目に浮かんでいた・・・。


紅葉「この程度ではまだまだだが、まさに圧巻の演奏だったな・・・」


太陽「紅葉姐さんの目にシグレ達の演奏を聴いて涙が浮かんだけど、俺達の時は浮かばなかった。条件達成はもうしてるよ」
空「それにしてもシグレ君、マエストロフィールドが発生してたな・・・まあ、無意識のうちだと思うし、まだ不完全だけど雛菊の花畑はキレイだった」
勇飛「金城先輩は綺麗をキレイと言う奴に褒められたくないと思うけどな」
空「もー!勇飛!そんなのわかってるよ!」


そしてミュージカル演奏会で紅葉がシグレ達の全国学生音楽コンクールの室内楽部門での出場を認める中でミュージカル演奏会は幕を下ろした・・・。

圧倒的な表現力がボレロを貫く(その2) ( No.575 )
日時: 2018/07/25 22:00
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33308723

宮島「条件達成してよかったな!よりによってあの伝説の元ヤンからだぞ!」
金城「これで三軒屋さんにも文句は言わせないだろう」
まほろ「テストでも全員補習なしだったし!全国学生音楽コンクールの東日本大会まで目一杯練習できるー!」
夏目「いいなあ、みんなテストがあって。僕なんてフランス語や音楽系の授業テストだけだもんなあ」
シグレ「へー、ドイツの音楽学校ではそんな授業が・・・」


すると、雨季のスマホにLINEがあった。誰かからだ。


雨季「ごめん、祝賀会には行きたいけど、行けないみたい」
金城「そうか。そういう用事なら仕方ない」
宮島「でも、そういえば、朝倉の家庭環境を俺達は知らねーなあ。どんな家?」


すると、雨季が宮島の肩をポンと叩く。彼女は裏の読めない笑顔をしながら言う。


雨季「大した家庭じゃないわ」
宮島「ああ、そっか;」
雨季「じゃあ、またね」


雨季が帰る中ですると、シグレの耳に特進科の生徒達の会話が聞こえた。


特進科の生徒A「朝倉さんって運動神経いいし、勉強もできるし、オーボエも上手すぎるけど頑張ってるところ見たことないよなー」
特進科の生徒B「でも、朝倉さん、あの東応大学に首席入学している今は東応大学の三年生の兄がいるって噂があるよ。あの人、家庭環境でもまさしく天才かも」
特進科の生徒C「あれぞ天才のやることかもな」


シグレ「・・・(雨季さん、天才と呼ばれてるのか・・・だけど、俺には・・・」


シグレは雨季の内面を見抜き始めて祝賀会を断るかのように走る。


金城「シグレ?」
シグレ「ごめん、金城。祝賀会抜けるわ」


シグレは雨季の足跡から彼女を探し始めた。すると、彼は雨季が大きな屋敷に入っていく姿を目撃した。


シグレ「このお屋敷が雨季さんの家?えーと、名字は・・・「平安遷都一家」?どっかで聞いたことがあるような・・・?」


シグレは透明マントを使ってお忍びで平安遷都一家に入るが、そこには厳つい男達が雨季に挨拶していた。


厳つい男A「お嬢、今日の演奏会、どうでした?」
雨季「上々よ。紅葉さんも認めてくれたしね」
厳つい男B「お嬢、今日は若が早く帰って来るので一家団欒で・・・」
雨季「じいちゃん、本当に困るわね;」
シグレ(若?ミラクル☆4の若さんじゃないよな?つか、こいつら、どこかで・・・)


すると、シグレはあることを思い出した!そう、この厳つい男達は・・・


シグレ「あーっ!!仁義のある任侠集団として有名な平安遷都一家ーーーーー!!!」
三人「!?」
シグレ(あっ;)


次回、雨季の実家の風景と四葉宮高校との対面!
続く・・・!






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