二次創作小説(紙ほか)
- 本来の音(その1) ( No.601 )
- 日時: 2018/08/27 21:54
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
- プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33308723
今回で全国学生音楽コンクール編最終回!そしてラストでは・・・!?
全国学生音楽コンクールのファイナルでは先攻が月宮学院ということになった。今日は月宮学院のファン達まで来ており、観客席はバラエティに富んでいた。シグレ達星ノ宮学園アンサンブルメンバーの1曲目はリストのラ・カンパネラ、そして2曲目はガーシュウィンのストライク・アップ・ザ・バンドだ。
宮島「俺達、とうとうここまで来たんだな〜!」
まほろ「今日は頑張ろうね!これが最後のファイナルだから!」
シグレ「ああ・・・」
すると、月宮学院のアンサンブルメンバーであるチームムーンライトが彼らの前に現れた。タクトは言う。
タクト「なんとかは運だけでここまで来れたようなもんやけど、絶対負けんから」
金城「それはこっちのセリフだ」
みくる「聞いた話うちのメンバーが随分と世話になったそうだな。その分全力でかかってこい!演奏のマエストロフィールドで八つ裂きにしてやる!」
シグレ「ああ。俺も楽しみにしてる」
一方、観客席ではゼオ達は四葉宮高校と黒音学園のアンサンブルメンバーの両隣で座っていた。これに畏怖を感じたクルークは言う。
クルーク「なんかこいつらがいるとまるで前門の虎後門の狼みたいな感じだね;」
ラフィーナ「言わないで欲しいですわ;」
美代「あははは!少年よ、随分と難しい言葉を使うなあ」
曲山「その歳で難しいことわざを使うとはなかなか感心させられる」
ププル「クルークはそんなつもりで言ったわけじゃない!」
???「演奏前で騒ぐなよ」
すると、何かしらの声がした。その声の主をゼオ達は知っていた。
ゼオ「ツースト!それにクロ達まで・・・」
ツースト「一応シグレのファイナルでもあるし。本当はあいりも連れて来たんだが、あいり、ちょっと見づらそうにしてたんでなあ;」
クロス「何か事情でもあったのか?」
クロ(クロード)「貴殿が人を気遣うなんて宇宙が崩壊してでもあり得んな」
ツースト「シバかれたいのか(^ω^#)」
アイオーン「そういえば、レイトとガスパは・・・?」
あおい「レイトとガスパはクルスト王子と一緒に別席にですよ」
ぽぽか「きっと他にも来てるんじゃないかと」
リデル「そうですか」
一方、シェゾや王ドラ、タママも来ていた。他のメンバーはTVから見るそうだ。
シェゾ「まさかあのメガネちゃんがファイナルまで行くほどオーボエが上手かったなんてな・・・(しみじみ」
王ドラ「本気で言ってるんですか?」
タママ「冗談か本気か区別がつかない王ドラさんが言えることじゃ・・・;」
一方、吟遊月華の他のメンバーとdevilとマオとフラウトも来ていた。この日のためにいい席のチケットを奮発して買ったそうだ。
エニシ「シグレ達、すごいな・・・もうファイナルまで駆け上がるなんてな」
ナルカミ「はい。あとは優勝して欲しいぐらいですね」
ヤマト「紅葉さんに許可をもらったっすけど、その時に誘ってもらえてよかったっす〜」
ミヤビ「私はこういうところは初めて来たので緊張しています」
ヘド「でも、俺はマオ以外のオーボエを聞くのは好きじゃねーな」
バーテブラ「こらっ!そういうことは言わない!」
マオ「そうだよ!それにあたしにとってのいい勉強になるじゃん!」
ストルナム「まあまあ、マオちゃん、せっかくの可愛い顔が台無しだよ」
コスタ「お前さんが演奏の時で言えることか・・・;」
ペルヴィス「理人、待つ時間窮屈じゃない?」
理人(フラウト)「ううん、大丈夫。こういう場は戦場で慣れてるから」
一方、子孫五人組もシグレ達のファイナルに応援に駆けつけた。
空「まさか先輩達の演奏がファイナルまで行けるなんて思ってなかった・・・」
勇飛「セミファイナルでの2曲目はほぼシグレがリードしたおかげだがな」
樹「それにしてもビャッコ君達も修行とか航海とかで見に行けなくて残念だね」
琴「きっと彼らなりの事情があるのよ」
太陽「あー、早く優勝校を決まってくんねーかなー!」
一方、金城達の関係者は彼らを応援していた。
凛音「景吾ー!頑張りなさいよー!」
みちる「まほろ、夏目、頑張れ!」
ちえり「頑張れー!」
耕爺さん「それにしても清史郎の父親の再婚相手、綺麗じゃ。どうじゃ、友達になっては・・・」
宮島父「おい、耕ジジイ!人の妻に手を出すなよ!」
さとわ「嬉しいわ、あなた!そんな風に言ってくれるなんて・・・!」
礼二「お幸せにー」
一太「幸せにー!あ、このおじちゃん!」
一太が見たもの:変な変装して観に来た藤一と彼の護衛の対象の美紀貴
美紀貴「?」
礼二「あんた、誰ですか?(藤一の変な変装が気になって笑いを堪えている」
そしてファイナル開始となる中で先攻の月宮学院のアンサンブルメンバーのチームムーンライトに鳩宮扮するヴァハトに声をかける。
鳩宮(ヴァハト)「みんな、頑張ってね。応援してる(少なくとも一部ではボクを調べてただろうけど・・・まだバレてないな」
チームムーンライト「はい!」
そしてチームムーンライトが舞台に立ち、お辞儀をして曲を奏でた。月宮学院の1曲目はサン=サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソだ!
BGM:チームムーンライト版サン=サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソ
チームムーンライトの演奏はアンサンブル力、音色、テクニック、表現力のどれも完璧と言っていい演奏だった。これを聞いたヴァハトは言う。
鳩宮(ヴァハト)(ふふん・・・これでも雫石みくるの本来の音を封じたからね。何か変化が起こらない限りは)
そしてみくるのマエストロフィールドが発動し、そこには吹雪の中にいるような空間に満たされたまま演奏が終わった。これに会場は大歓声と大拍手が聞こえた。
ゼオ「やっぱ抗いようがないな」
クルーク「吹雪の中にいたのが嘘みたいだ」
美代「いや?私が見る限り、奴は本来の音を出せていないみたいだ」
アミティ「えっ!?」
美代「尊大な私には分からぬことはないのだからな」
エニシ「次シグレ達だ・・・くるぞ・・・」
一方、星ノ宮学園のアンサンブルメンバーは楽器を構えながら金城は言う。
金城「シグレ。セミファイナルの時よりも俺のトロンボーンの音色に磨きをかけたからな。お前は俺に戦い、俺についていけ」
シグレ「ああ。約束する」
金城「行こう」
そして星ノ宮学園のアンサンブルメンバーが舞台の上に立ち、お辞儀をして1曲目のリストのラ・カンパネラを奏でる!
BGM:星ノ宮学園アンサンブルメンバー版リストのラ・カンパネラ
星ノ宮学園のアンサンブルメンバーは技術的には月宮学院に劣っていたもののその一つとなった音は楽しげな空気を感じていた。そして金城の磨きをかけたマエストロフィールドが放つ!
金城(この空気は俺達がもらうぞ。タクト!)
そして演奏が終わり、会場からは月宮学院を上回る大歓声と大拍手の音が聞こえた!これはスタンディングオベーションであり、最大の賛辞だ・・・!
金城「ようやく少しばかりは上回れたか・・・」
シグレ「2曲目が本当に終わるんだな・・・」
まほろ「・・・」
すると、まほろは客席の方を見ると、ツーストの隣席は空いているままでみくるが本当に演奏を聞いてもらいたかった人物がいないことに気付く。まほろはすぐにオーボエを置いて走る。
金城「まほろ!?」
まほろ「ごめん、みんな。すぐ戻る!」
まほろがロビーの方に駆け出すと、そこにはあいりがいた。まほろは聞く。
まほろ「あいりちゃん。何してるの?月宮学院の2曲目、始まるよ?」
あいり「ちゃんと音は聴いてましたのよ。客席にはいなかったですが」
まほろ「あいりちゃんは本当にそれでいいの?みくるさんは本気で全国の頂点のファイナルに行きたかったんだよ」
まほろ「あいりちゃんに聞いてもらうために」
まほろの言葉にあいりは言う。
あいり「・・・気付かないようにしてましたの。もしそうなら、私はそれに応えられないから。それなのに嬉しかったーーーなんて最低ですわね」
すると、まほろはあいりをありのままの言葉で叱咤する!
まほろ「最低だよ。そんなに大事に想ってるならなんで逃げるの!?ちゃんと向き合ってあげてよ!じゃないと、みくるさんはーーー「ちゃんとするつもりですわ」
あいり「そのために今日ここに来ましたの。みくるに伝えて下さい。「ちゃんと聴いてるから」って」
そしてまほろが戻る中で金城は彼女を叱る!
金城「ったく、どこに行ってたんだ!」
シグレ「おい;」
まほろ「みくるさん、ちゃんと本来の音で演奏できるかも」
金城「えっ!?」
まほろ「演奏を聴いてみてよ」
一方、チームムーンライトが運命の2曲目を演奏するために舞台に上がるが、みくるは客席の方に目をやると気付いた。
自分の演奏を聴いて欲しかったあいりが客席にいることに・・・!
みくる『悔しいよ。私はあれだけの演奏をしたのに、練習してきたこと出し切ったのに、何がいけなかったんだろう?どうして点数で決められないとならないんだ』
あいり『コンクールはそういうものでしょう』
みくる『そうだが、そこまで優勝を目指したいのか理由がないんだ・・・』
あいり『じゃあ、私が聴いてあげるから』
あいり『全国の頂点に立てるぐらい演奏を磨きなさい!』
みくるはそのことを思い出した後に2曲目を仲間達と共に奏でる!2曲目はJ.シュトラウス二世の春の声だ!
BGM:チームムーンライト版J.シュトラウス二世の春の声
鳩宮(ヴァハト)「なん・・・だと・・・雫石みくる本来のヴァイオリンに戻ってーーー」
みくるは演奏中にまた過去を思い出した。
あいり『みくるは音楽嫌い?』
みくる『嫌いじゃない。だが、こんな私が音楽など安定しないではないか』
あいり『家業を継がないで成功した人はいっぱいいますわよ。さては好きな人に何かからかわれましたね〜』
みくる『そ、そんなはずじゃないっ』
あいり『じゃあ、みくるは月宮学院の管弦楽部に入ったらいかが?』
みくる『月宮学院・・・?お前の中学受験の志望校か』
あいり『それは父親が勝手に決めましたの!でも、管弦楽部は楽しいですわよ!私も聴いただけですが、すごい楽しそうですわよ!』
まほろ(みくるさん、今どんな気持ちだろう。少しずつ本来の音に戻った気がする)
一方、観客席ではみくるが本来の音に戻ったことに気付く人達がちらほらといた。
ゼオ「本来の表現力豊かな音色・・・これがみくる本来の音か!」
美代「ああ。少しずつ戻っていくんだ」
一方、まほろはある日のことを思い出した。
まほろ『月宮学院の曲ってどういう方法で選んでるんですか?』
タクト『わざわざ超絶技巧な曲やったり、表現力が必要な曲やったり色々とあるで。美雨ちゃん、みくるのために選んでくれてな』
美雨『タクト副部長、その話は・・・』
まほろ『えっ、その話もっと聞きたい!』
美雨『私は勝ちに行ける曲がいいと思います』
タクト『難しい曲をやればいいってもんじゃないで。好きな曲をやろう』
美雨『私はみくる部長のためならこっちですっ』
タクト『でも、みんなこっちの方がいいってっ』
忠臣『あ、みくる部長!』
みくる『お前達はどんなことがやりたくて管弦楽部に入ったんだ?優勝するための演奏か聴衆を楽しませる演奏か』
美雨『・・・私達はーーー』
シグレ(俺は今までみくるさんのヴァイオリンが物足りないと思えた。「悲しみ」ばかりでまるで本当の「楽しい」気持ちを感じられなかった。だから、今はこんなに楽しい気持ちを感じられるんだ。大好きな音楽でみくるさんはちゃんと本来の楽しさの音を出してる)
そしてみくるは終盤でもヴァイオリンの表現力豊かな響きが続く中で彼女はこの演奏に微かに微笑んだ。
シグレ(その楽しさを、教えてくれてありがとうーーー)
みくる本来の音にあいりが涙を流す中で演奏が終わった。すると、星ノ宮学園の1曲目と同じようにスタンディングオベーションが起こった!
タクト「俺達・・・本当に楽しませたんやな」
みくる「・・・ああ」
一方、星ノ宮学園のアンサンブルメンバーはみくるの本来の音に戻ったことに内心では安堵を金城は抱いていた。
金城「これはとんでもないものを掘り起こしたな。まほろ、お前、何してたんだ?」
まほろ「な、何もしてないよー」
金城「ふーん」
夏目「行こうよ。次の2曲目が運命だよ」
シグレ「そうだな。行こう」
そして星ノ宮学園のアンサンブルメンバーが舞台に立つ中でお辞儀をして2曲目のガーシュウィンのストライク・アップ・ザ・バンドだ!
BGM:星ノ宮学園アンサンブルメンバー版ガーシュウィンのストライク・アップ・ザ・バンド
曲を奏でた彼らはみくる本来の音を聞いて一体感を新たにし、まるで大編成にいるかのような完璧以上の演奏だった。そしてシグレのマエストロフィールドが発動する!
シグレ(俺もちょっとやりますか・・・!)
シグレのマエストロフィールドは勝利の神の姿のシグレが雛菊の上で演奏しており、観客席にもその姿が見えていた・・・。そして演奏が終わり、一瞬沈黙したが、すぐに月宮学院の2曲目以上のどよめきが起こった。
観客「ブラボー!素晴らしい演奏をありがとう!」
タクト「景吾達が優勝やね。驚くべき統一感、音色も美しい。景吾、あんたの掘り起こした才能は美しい」
みくる「・・・でも、これでようやく約束を果たせたな・・・」
そしてアナウンスが鳴り、優勝校を知らせた!優勝は・・・
優勝は・・・
- 本来の音(その2) ( No.602 )
- 日時: 2018/08/27 21:59
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
- プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33308723
アナウンス「ただいまの結果をお知らせします。優勝校は星ノ宮学園!」
自分達が優勝したことに宮島は驚きを隠せずにいた。
宮島「本当に・・・俺達が優勝?夢じゃないよな?」
夏目「夢じゃないよ!本当に優勝だよ!」
アナウンス「優勝校の代表者は出てきて下さい」
金城「シグレ、いけ」
シグレ「いいのか?」
金城「今回も俺もお前に助けられた。だから、代表者として行け」
シグレ「・・・ああ。ありがとう!」
シグレが代表者として舞台に立ち、そこに銀のトロフィーを持って現れたのはファイナルの特別審査員である千秋だった!
シグレ「千秋さん・・・!」
千秋「おめでとう。今回はお前も成長したな。その成長に讃えての優勝だ。受け取ってくれ」
千秋はそう言ってシグレに銀のトロフィーを渡し、会場は大拍手に包まれる中で彼は舞台裏に戻る。
雨季「これが銀のトロフィー?思ったよりも小さいわね」
まほろ「でも、これが優勝した証だよ。私、もう泣いちゃう!」
金城「・・・ああ」
大半の星ノ宮学園のアンサンブルメンバーが銀のトロフィーを手にしたことで嬉しすぎて泣く中でその全国学生音楽コンクールが終わった後に会場から出たシグレ達にフラウトを始め観客席で見ていた人達やTVで見た人達が駆けた。
理人(フラウト)「シグレ!おめでとー!」
ナルカミ「帰ったら星ノ宮学園のホールで祝賀会ですね」
シグレ「そうだな」
空「あ、シグレ君!これ」
空がシグレにあげたのはリボンに包まれた一箱。シグレはその箱を開けると、そこにはムラマツの総銀製フルートとかなり高級な龍笛・・・!
シグレ「これ、どうしたんだ!?」
空「実はねー」
咲『素晴らしい演奏をありがとう。キミの音楽に心からの感謝を』
舞『コンクールの演奏を聴いてあんな優しい気持ちになれたのは初めてよ。もう一度オーボエを頑張ってみようと思えたよ』
咲『これは私達からの心ばかりのお礼だ。受け取ってくれ』
舞『この夏のミカエルに、愛を込めて・・・』
宮島「あいつらか」
金城「やれやれ、シグレにとんでもないファンができてしまったな。天川を通して渡すとはなかなかに正式な連絡事項だ」
シグレ「ああ。大切にするよ」
そしてシグレがアイオーンに抱えられ、彼らに胴上げをされる!
シグレ「えっ!?」
クルーク「よーし、次は金城だ!」
掛け声を上げながら次々と星ノ宮学園のアンサンブルメンバーが胴上げをされる中ですると、チームムーンライトが出てきたことをあいりは気付く。あいりはみくるに声をかける。
あいり「お、お疲れ様!」
みくる「ああ」
あいり「あの・・・」
みくる「ありがとう」
あいり「えっ?」
みくる「苦手だったヴァイオリン続けられたのはあいりのおかげだから」
みくる「私、ヴァイオリンが好きだ。楽しくてしょうがない」
あいり「みくる・・・」
みくる「ああ、それと。お前を想う人とお幸せに。あいり」
みくるがようやく自分の気持ちに決着を着く中でタクトは人知れずに場を離れた。彼は思う。
タクト(優勝は逃したんやけど、みくるが本来のヴァイオリンの音色を取り戻してくれてよかった。結局鳩宮先生が何かしたんやなあ。つか、そもそも鳩宮先生はーーー)
すると・・・
タクトの方に無数の矢が飛んできた・・・!!!
タクト「!!?」
タクトは辛うじて避ける中で矢を放った人物はその場に降り立つ。
???「あーあ、あなた達の茶番を見るのは楽しかったですねえ。ーーーでも、そろそろあなた達の茶番を見るのは飽きましたねえ」
タクト「な、なんや・・・」
???「僕達はずーっとあなたを待っていたんですよ」
すると、矢を放った人物はローブを脱ぎ、正体を現した!それはリトルモンスターのメンバーがよく知るフラウトの護衛・・・!
新堂(ヴィオロン)「あの男の転生を・・・」
タクト「!?あんた・・・噂の青の吸血鬼一族やったんか?新堂さんが洗脳されて偽物になりすましてーーー」
新堂(ヴィオロン)「新堂?ヴィオロン?ああ、あれは僕がなりすました既に任務で死んだ男になった姿ですよ。まあ、それなりに僕のお得意の記憶魔法でヴィラリン軍はおろかヴィラリンの人達も「ヴィオロンは生きている」ことにしましたが」
すると、ヴィオロンになりすましていた男は青の吸血鬼一族の藍色の髪と牙を持った美青年に変身する!彼は人目に付かないようにタクトを異空間に連れ出した後に言う。
新堂(ヴィオロン)「真の名前だけ教えますよ。僕の名前はクロラ。そしてあなたは僕達の先祖が親友と思っていたヴァイオリニストのリッチ=ミアリラの生まれ変わり」
タクト「!?」
クロラ「これでも先祖はあなたの前世の人のことを親友だと思っていました。ですが、彼は次第に先祖に見向きもしなくなり、恋人同士となるはずだった彼とその女性は口づけをした後に先祖に狼になる魔法をかけられて恐れた人々は彼とその恋人を銃弾で殺された・・・これに怒りをきたした赤の吸血鬼一族は先祖に呪いをかけ、そして・・・」
クロラ「僕達末裔は満月の夜になると痣だらけになる呪いとともに生まれるようになった!」
クロラの顔に微かに浮かんだ痣を見せ、タクトを困惑させる中ですぐに元の顔に戻り、クロラは言う。
クロラ「そしてあなたは僕の呪いを解く配剤です。さぁ、大人しく条件は飲んでもらいますよ」
タクト「待ち!俺は本当に何も知らないんや・・・前世のことも、あんたらのことも・・・どうして・・・」
クロラ「どうして・・・雫石みくるに手を出したかって?嫌ですねえ、それは僕のせいじゃありませんよ☆ただ彼らは自分の作戦のままに行動しているだけですっ。彼らのリーダーのエルドゥールの狙いは月島あいりの奪還と自分の国を滅ぼしたというオレンジの悪魔と究極の魔力を持った占い師の捕獲した上での処刑です。まあ、まさかそれは僕が呪いを解くための作戦だったことは知りませんが・・・」
タクト「そんな・・・!それはあの二人には関係ないで。なのに・・・!」
クロラ「まあ、僕が呪いを解くために利用させてもらいますよ。でも、その前に・・・金城景吾には嫌われてもらわないとですね」
一方、祝賀会ではタクトがいなかったことに金城は苛立っていた。
金城「・・・遅い。あいつは何してんだ!?」
シグレ「きっと外の空気を吸いたくなったんじゃないか?」
まほろ「タクトさんって飄々としているからねえ」
すると、タクトが祝賀会にやってきたことを金城は気付いた。
金城「タクト!どこに行ったんだよ!また女を弄んで・・・」
タクト「何でもないで。何も・・・知らんで」
ついに呪われた五英雄を操っていた今回の黒幕が判明する中で彼らは呪われた五英雄もとい既に任務で亡くなっていたヴィオロンになりすました青の吸血鬼一族の一人のクロラの思惑に翻弄されることになった・・・!!!
FIN
「後書き」
さて、ようやく終わりました。ここからは呪われた五英雄もといヴィオロンことクロラの暗躍が主体となります。短編もちょいちょいと挟みますけどね。
ちなみに今回の黒幕がタクトだと思った人は挙手。多分そういう人が多いんじゃないかと;
感想OK