二次創作小説(紙ほか)

星の舞う庭(その1) ( No.609 )
日時: 2018/09/22 22:27
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33810649

今回からはヴィオロンことクロラと呪われた五英雄との決着編!最初は雨季とシグレ君メインのお話。シリアスやや強め、ギャグやや少なめ。そろそろポップンがしたい・・・。






いつもの星ノ宮学園の放課後。吹奏楽部は今日もいつものように練習していた。すると、ある人物の姿が生徒達の目を引いていた。彼女の名は朝倉雨季。吹奏楽部でオーボエを担当し、その卓越したオーボエの実力からオーボエパートのリーダーを任されている。


特進科の女子生徒「雨季先輩の音だ!」
体育科の女子生徒「相変わらずすごい綺麗だなー」
服飾科の男子生徒「でも、高等部の芸能科の先輩が雨季先輩に告白して見事に玉砕したらしいよ」
音楽科の男子生徒「マジかよ!?あの先輩、人気俳優だろ!?やっぱ完璧な美人にはもっと完璧な人が必要なのかなあ?」


雨季(聞こえてんのよ。別に理想も高くないし、完璧なんて求めてないわ)
まほろ「今日もモテモテだね、うーちゃん。やっぱりあの人気俳優の先輩よりもシグレ君の方が良かったんだね(ニヤニヤ」
雨季「は!?わ、私がそんなわけ・・・」


すると、誰かがオーボエパートの教室に入って来た。遊びに来たシグレだ。


シグレ「雨季さん、いるかー?」
まほろ「あっ、シグレ君っ」
雨季「な、な、何?(顔真っ赤でどもっている」
シグレ「弁当のお礼です。偶然楽器店でオーボエのリードを見つけてそれで」
雨季「あ、ありがとう」
シグレ「じゃあ、練習頑張って下さい。では、黄の鳥で!」←今夜みんなでまほろの家でご飯を食べる予定


その姿を見たオーボエパートの後輩達はその光景を微笑ましそうに見る。まほろを含めたオーボエパートの人達は言う。


オーボエパートの後輩A「先輩、オーボエもいいんですが、シグレさんとのこと頑張って下さい!」
雨季「何!?」
オーボエパートの後輩B「先輩、超美人だから行けますよ!」
雨季「違うわよ!」
まほろ「うーちゃん、否定するってことは認めるってことだねー」
雨季「だから、違う!」
まほろ「あっ、シグレ君だ。アイオーンさんも・・・」


すると、シグレがアイオーンと楽しそうに話しているのを目撃する。二人の仲睦まじい姿に雨季はショックを受けた。


雨季「」
まほろ(いつもクールなうーちゃんがショックを受けるってことはうーちゃんには悪いけどちょっとレアかも♪)






王ドラ「ーーーそれで私のところに相談しに来たんですか」


その1時間後、雨季は王ドラのところに訪ね、彼にシグレや周囲のことで相談していた。雨季は言う。


雨季「おかげで周囲には冷やかされるし、天川さんやお兄ちゃん達は全く冷やかすのやめる気がないし!あんたなら多分わかるんじゃないかと・・・」
王ドラ「・・・」


すると、王ドラは雨季からの相談を拒否する。


王ドラ「知りませんよ」
雨季「はぁっ!?」
王ドラ「そんなこと自分の心でなんとかしなさい。恋愛運がない私に頼むなんて筋違いですよ」
雨季「ーーーっ!もういいわよ!」


雨季が立ち去った後に王ドラは思う。


王ドラ(雨季さんは自分が恋をするとなかなか認めない言ってしまえば頑固という短所がありますねえ。彼女のオーボエの音色の艶も出て来ましたし、あとは本人が認めてくれればいいんですがねえ)


王ドラはある書を読み、ふとある記事を目にした。それは死亡者の名前に「ヴィオロン」という名前があったからだ・・・。王ドラはこれにやや疑問を持った・・・。


雨季(じいちゃんと知り合いの間柄にあるあんな奴にやっぱり相談なんてするんじゃなかったわ!!女顔の女男なんかに!!)


その翌日、雨季はオーボエの練習をするが、なかなか練習に身が入ってなかった。オーボエパートや同級生らは彼女のスランプの原因がわかっていたが、それでも本来の調子が取り戻せない。すると、誰かが入って来た。ヴィオロンだ。


新堂(ヴィオロン)「おや?雨季さん、本来のオーボエの調子が出ていないようですねえ。スランプですか?」
雨季「新堂さん」
新堂(ヴィオロン)「・・・あなたはシグレ君とアイオーンさんが仲睦まじい姿にやきもきしてはないのですか?」
雨季「!・・・誰に聞いたのよ」
新堂(ヴィオロン)「いえ・・・なんとなく感じたので。そのあなたの疑問を解決してあげますよ」
雨季「は?どうやって・・・」


すると、ヴィオロンが雨季にあることを耳打ちする。雨季は全てのものを払うかのように言う。


雨季「・・・わかったわ。ありがとう」


ヴィオロンは感謝を告げる彼女に微笑みながら立ち去った後に雨季は言う。


雨季「今日は練習しすぎたわ・・・少し・・・休む・・・」


その数分後、まほろが個人練から戻って来た。まほろはいつも待っている雨季の姿が見当たらないことに疑問を感じた。


まほろ「うーちゃん?個人練から戻って来たよー。一緒にパート練しようよー。うーちゃーん。うーちゃーん。うーちゃん・・・?」


その数分後、フラウトが仲間達と共にそれぞれの楽器で音を合わせていた。すると、フラウトが音を外した。


理人(フラウト)「あ・・・ごめん」
ベルナール「・・・(いいよと言うかのように首を横に振る」
ビャッコ「でも、お前の音色、なんか人間らしくなったなー」
理人(フラウト)「えっ?」
クルスト「なんか音色が少しは甘くなったみたいだった。つか、人間味のある演奏だった。間違ってたけどな」
理人(フラウト)「そっか」


すると、オーボエパートの後輩がフラウトを見つけたかのように呼ぶ。


オーボエパートの後輩A「あ!よかった!まだいた!」
理人(フラウト)「?」
オーボエパートの後輩A「あの・・・シグレさんの関係者君だよね?よかった、シグレさん、今仕事だから・・・ちょっと中等部の保健室まで・・・いい?」
理人(フラウト)「何か、あったんですか?」


フラウトがオーボエパートの後輩Aに連れられて中等部の保健室に行くと、そこには高熱でベッドに寝かされている雨季だった!倒れた彼女を発見したまほろが必死に呼びかける。


まほろ「うーちゃん!!しっかりしてー!!」
理人(フラウト)「!すぐに王ドラさんを呼んで!彼なら助手とはいえ医者の基礎はある!」
オーボエパートの後輩B「う、うん、わかった!」
理人(フラウト)「僕は雨季さんの兄にこのことを伝えて来る!噂程度にしか思えないかもしれないけど、僕には本当のことのように聞こえる!」
オーボエパートの後輩A「わかった!先生には私から事情を話す!」


フラウトはオーボエパートの人達の協力を得て学校を抜け出して雨季の兄の美紀貴を探しに行く中で一方、タクトはいつものように昼寝をしていたところを何かに気付く。


タクト「今日は何の用や?クロラさん」
クロラ「あなた・・・ちゃんとシグレ君と雨季さんに配慮しましたか?」
タクト「配慮はしてるで。じゃないとみんな冷やかさなくて内心では応援もしないやろ」
クロラ「仕方ないですね・・・あなたには教えてあげないかと思いましたが」
タクト「?」
クロラ「シグレ君。他に憧れの人がいるみたいですよ」


クロラの発言にタクトはあまり動じなかった。


タクト「だから、なんや?雨季ちゃんがそんなことで動揺したりせえへんで」
クロラ「これから金城君から電話がかかって来ます。あなたはその質問で「雨季ちゃんがどうかしたんや」と聞いてください」
タクト「・・・?」


すると、タクトのスマホに電話が鳴った。金城からだ。


タクト「はい、もしもし」
金城「タクト!?聞いたがお前、朝倉を陥れるように唆したのか!?」
タクト「えっ・・・待ち・・・雨季ちゃんがどうかしたんや?」
金城「・・・。・・・タクト・・・その目で自分がしでかしたことを確かめて来い。今すぐにな!!」


すると、電話が切れる中でタクトは聞く。


タクト「クロラさん・・・あんた・・・何したんや・・・雨季ちゃんに何をしたんや!!」
クロラ「何もしていません。ただ・・・現実を教えて差し上げたんですよ」






新堂(ヴィオロン)『シグレ君とアイオーンさんは最早相思相愛です。でも、考えて見てください。シグレ君は女性ではあなたが好きだと言ってましたよ。だったら、シグレ君の愛人にでもなって下さい。あなたはその可能性が十分にあるということです』
雨季『わかったわ。ありがとう』






クロラ「彼女の記憶に少し細工してやったりしました。きっとこう思うでしょう。自分はシグレ君の二番目の存在であると」
タクト「!!!最低やあんた・・・!!なんてことを!!」
クロラ「・・・よく考えてみてください。あなたが今取り乱しているのは金城君に嫌われるという覚悟ができていないだけです。それにあなたが今この状況にいさせたのはあなたの親戚達ではいのですか?」
タクト「違う・・・きっと景吾に心配をかけまいと・・・」
クロラ「いずれ知れることですよ。親戚達はあなたを音楽にしかわからない鼻つまみ者だと思っているのでは?」


タクトは自分が抱えているものを思い出す。それは幼い頃から自身の身体を少しずつ蝕んでいるもの・・・。クロラは言う。


クロラ「でも、間違えないで金城君はいつもあなたに勝つことばかり考えてましたよ。会いに行けば、金城君はあなたを超えたいと言ってました。あなたは期待されていましたよ。そして残念がっていました。本心を言えば「タクトともう一度遊びたかった」と。あなたは夏のコンクールの時に金城君に勝利を譲って・・・そして仲間と一緒に戦った。夏のコンクールの時に金城君が個人ではあなたに負けていたじゃないですか。あなたを心配してくれた親戚達を背けてまで、これ以上金城君と張り合う意味がどこにあるんですか?タクト君は悪くない。あなたは一人で戦って・・・そして勝った。金城君に負けないなんて他の人に任せて、金城君達を訪ねた後にあなたの身体を蝕むものを治すために病院に行ってください」






クロラ「心配は要りません。全て僕が引き受けます」






そしてタクトが倒れそうになる中でヴィオロンになりすましたクロラは嗤っていた・・・。






美紀貴「雨季!よかった・・・!」


フラウトに連れられた美紀貴は他の人達同様に雨季を看病していたが、熱が引いて彼女が目を覚ましたことに全員安堵する。雨季は幸いにも記憶を少し塗り替えられただけでシグレとの記憶までは失っていないようだ。


金城「お前、高熱隠してたんだって?」
宮島「シグレ、もう仕事が終わったみたいだから呼んでくるわ」
雨季「!そ、それはダメ!」
宮島「えっ;」
雨季「シグレ・・・は・・・」


雨季は言おうとするが、言ってしまったら終わると思い、言えなかった。金城は言う。


金城「そうか。俺達は熱冷まるシート持って行くからお前は安心して休め。あとは朝倉のお兄さんに送ってもらうから」
雨季「うん。ありがとう」


看病した全員が看病道具を持って行くために立ち去るが、フラウトは忘れ物をしたことに気づいた。


理人(フラウト)「スマホ、忘れて来ちゃった。すぐ戻ろう」


すると、彼はその道中でふと目をやると驚く。それは・・・






雨季が目から透明な雫を流していたからだ・・・。






理人(フラウト)(見てしまった;こんな時になんて言えばいい?「雨季先輩なら大丈夫」?「元気出して」?「気にしないで」?なんて無責任な言葉だーーー)


一方、金城達を訪ねたタクトは彼らに土下座しながら謝っていた。


タクト「本当にすまんかった!まさかからかったつもりがこうなるなやんて・・・」
金城「謝っても許されると思うのか?」
タクト「景吾が大好きなおでんを作るわ」
金城「一旦は許す」
宮島「軽いな;」


一見和気あいあいな雰囲気の中で王ドラは雨季のことで疑問を持つ。


王ドラ(おかしいですねえ・・・タクトさんは、今日は東京を訪ねないはずでは・・・?)

星の舞う庭(その2) ( No.610 )
日時: 2018/09/22 22:33
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
プロフ: http://sp.nicovideo.jp/watch/sm33810649

その数日後、雨季は風邪が治ったものの練習には顔を出せないでいた。まほろはずっと待ってると言ってくれたが、ヴィオロンの嘘によるショックでなかなか立ち直れない。


雨季「・・・人前では完璧でいたいはずなのに、私、どこで間違ったのかしら・・・」


雨季はシグレのことで苦しみたくないのにまた涙が出た。すると、それを偶然見ていた人物が雨季にハンカチを差し出した。その人物はジャージ風の忍者服で忍者としての高い実力の割にはお調子者。そう、ポップンのヨシオだ。


ヨシオ「・・・使えばいいでござる。そんなに泣かれたら流石に困るでござる」
雨季「あなたは・・・?」
ヨシオ「あ、拙者はあの青蛙忍者と戦って引き分けたところを見ただけでござるから、ストーカーしてるわけでないでござるよ。テヘッ☆」
雨季「でも、そのハンカチ・・・あなたの名前らしき刺繍付きよ?」
ヨシオ「えっ!?(雨季からハンカチを返してその自分の名前の刺繍を見る)うわあああああー!!!あの青蛙うううううー!!!勝手にいいいいいー!!!」
雨季「あの・・・」
ヨシオ「恥ずかしい!!いやーん!!出直してくるでござるうううううー!!!(号泣しながら走り去る」
雨季「あっ、ちょっと!?」


その数時間後、落ち着いたヨシオは雨季のことを知ってる顔だと思い出した。






ヨシオ「今日も悪い輩を倒したでござる。テヘペロッ☆はしたけど☆」


その数週間前、ヨシオはこの日もお調子者ぶりと忍者としての高い実力のギャップで悪い輩を倒したが、すると、誰かのオーボエの音が聞こえた。


ヨシオ「むっ?オーボエの音でござるか?ちょっと見に行っちゃおーっとv」


ヨシオは最初は面白半分でオーボエの音の主を見に行くが、それを見た瞬間にその姿と音色に驚く。それは・・・







雨季が個人練でオーボエの練習を居残りでしていたからだ・・・。






今思えば、あんなに上手かったのにさらなる上昇志向で心を奪われたんだ。






ヨシオ(でも、彼女がオーボエを最近吹いてなかったでござるな・・・一体何があったでござる・・・?)


すると、ヨシオはある会話を偶然聞く。タクトとクロラだ。


タクト「・・・言われたとおりにしたで。早く雨季ちゃんの俺に塗り替えた記憶を戻せや」
クロラ「記憶はできませんが、彼女にはもう一つの魔法をかけています。そう、涙の沸点が低くなる魔法ですね。その魔法が解きたいならば、好きな相手からオーボエでも自分でもたった一つでも好きだと言われることですよ」


ヨシオ「・・・!」






一方、雨季はベンチでただ座ってボーっと眺めていた。すると、ある人物が声をかける。ヨシオだ。


ヨシオ「あのー、今日のことを謝りに・・・」
雨季「そんなの気にしてないわよ。それよりも私のためにちゃんとハンカチを差し出して励まそうとしてくれたんでしょ?それが逆に言えば嬉しかった気が・・・」


すると、ヨシオは雨季の手を掴みながら言う。


ヨシオ「・・・人のためではないと言ったら?」
雨季「えっ?」
ヨシオ「男なんてみなケダモノでござる。その無防備はいかがなものか・・・」


すると、雨季はヨシオの中にあることを見抜く。


雨季「・・・あなた、私のこと・・・好きなの?」


すると、ヨシオが今までの自分の言動を思い返し、驚く!


ヨシオ「えっ!?(顔真っ赤」
雨季「いや、私のこと気にかけてくれたみたいだったし・・・」
ヨシオ「そ、そんなんじゃないでござる!!」


一方、これを金城が見ていた。金城はあまり接点のない二人が関わったことに驚く。


金城(見てはいけないものを、見てしまった気分;なぜにお調子者ぶりと高い実力とのギャップのある忍者という噂のヨシオがなぜここに!?まあ、ヨシオは悪い奴ではないが・・・)


すると、金城はヨシオに落ち着いた表情で笑う雨季の姿を目の当たりにする。金城はこれにあることに気付くが、その数秒後、シグレが金城に声をかける。


シグレ「金城?どうしたんだ?」
金城「わっ、バカ!しっ!」
ヨシオ「誰でござるか!?」
雨季「シグレ?」


すると、雨季は今までかつまだ残っているシグレに対する特別な感情を抑え込む中で彼といつものように話す。これを見たヨシオが金城に声をかける。


ヨシオ「お前が星ノ宮学園中等部の吹奏楽部の部長でござるか?リーダーシップはあるが、相手の気持ちに疎いというのはちょっと難点でござるなあ」
金城「!・・・それでも、朝倉にはシグレが必要だってわかるんだ。だから・・・」
ヨシオ「じゃあ、拙者がNTRみたいなことをすれば任務完了!?キャー、ステキー!」
金城「このバカ忍者、言わせておけば・・・!!」
ヨシオ「だったら、部長としてお前が協力してくれないでござるか?」


ヨシオの誘いに目的を遅いながらも察した金城はその誘いに渋々と承諾した。


金城「・・・わかった。朝倉、ちょっと来い」
雨季「えっ、金城!?」
シグレ「金城!?」


金城が雨季を連れ出した後にシグレも行こうとしたが、ヨシオに止められる。


ヨシオ「こんにちは」
シグレ「・・・?こ、こんにちは」
ヨシオ「拙者の名はヨシオでござる」
シグレ「は、はあ・・・?」
ヨシオ「ーーー拙者は何度か彼女のオーボエを聞きに足を向かったことがあるでござる。でも、その美しい音色どころかオーボエも捨てかけた。その原因にできれば殴りたくないでござるが・・・」


すると・・・






ドカッ!


シグレ「っ!」






ヨシオ「ーーー拙者、お前嫌いでござる」


シグレはヨシオの殴打に思わずしりもちをつき、ヨシオはそれにも構わずに言う。


ヨシオ「まだ彼女の気持ちも知らないままに、自分で気付くことも、彼女だって自分の気持ちを認めていないでござる。それなのにお前は、お前は、どうしても彼女を傷つけるでござるか?」


ヨシオの言動にシグレは気付いたことを言う。


シグレ「・・・そうか。あんた、雨季さんが好きなんだな」
ヨシオ「ーーーお前、彼女のオーボエを好きだって言う自信はあるでござるか?」


すると、シグレは彼なりに考えた末に言う。






シグレ「ーーーわからない」






すると、その現場を見ていた雨季はまた再び涙を流す。彼女は思う。






正直シグレの恋人でも愛人でもよかった。
ただ、そばに、いてくれるなら。
それだけでよかった。それがたとえ、
最低限の倫理さえ反することでも。
だから・・・






雨季「あはは、あはははは」
シグレ「!?」
雨季「シグレが私に恋をしていないのは、知ってるわよ」


すると、雨季は人魚姫のような姿になりかけた。シグレは何が何だか分からず彼女を落ち着かせようとしたが・・・


シグレ「雨季さん・・・!?落ち着いて」
雨季「落ち着いてるわよ。夢から覚めただけ。せっかく私と初めて真っ向からちゃんと向き合ってくれる人に出会えたのに・・・」


すると、雨季は人魚姫になりかけの最中で言う。


雨季「シグレ。ジャージ忍者のあなたも。私の迷惑に付き合わせてごめんなさい。ありがとう」


そして彼女はまどマギの人魚の魔女を模した姿に変身する!彼女は闇に落とされかける中で思う。






このまま、闇に落とされるのかな?死ぬのかな?
だったら、もういいや・・・


すると、誰かが雨季を止めた。それは雨季そっくりな人物で、彼女は雨季のオーボエの・・・


雨季のオーボエ「いやだ・・・あなたがいなくなるの」
雨季「えっ?」
雨季のオーボエ「私、抵抗するから」
雨季「でも・・・」
雨季のオーボエ「分からないのなら押せばいいだけじゃない!分からない?あ、私のオーボエが好き?私自身が好き?あー、それ恋だわー。ってなるかもよ!」
雨季「・・・押しまくるの?でも、できるのかな・・・」


すると、雨季のオーボエは彼女にオーボエを持たせる。


雨季のオーボエ「できるわ。あなた、とっても美しいもの。思いっきり押しなさい」






人魚の魔女「ーーー・・・私、抵抗するーーー」


すると、雨季が変身した人魚の魔女は抵抗するかのように動き始めた。シグレはそんな彼女を見てあることに気付く。


シグレ(人魚の魔女らしき雨季さんが自分の中の闇に抵抗している?)


すると、人魚の魔女がシグレに攻撃しようとする!


シグレ「!」


すると、シグレを誰かが助けた。王ドラだ。


王ドラ「ーーー考えるのは後にしなさい」
シグレ「でも、何か誤解があるなら、それを解いーーー」
王ドラ「はぁ!?やってしまった誤解は仕方ないじゃないですか!それよりも、あなたが雨季さんのオーボエが本当に好きなのか考えなさい!!」


王ドラの一喝にシグレはあることに気付いた。






ある日ふと耳にすると、雨季さんのオーボエが聴こえて、俺は彼女のオーボエを聴くのが、とても好きだった。






シグレ「雨季さんのオーボエが聴けないことになったら、とても悲しいから、何かの見返りはなくていい。ずっとその雨季さんのオーボエの音が聴きたい!」


その言葉を待っていたヨシオは言う。


ヨシオ「では拙者とそこのオレンジ猫が引きつけるから、お前は彼女の中にINしろでござる」
シグレ「えっ;」
ヨシオ「正直今の彼女を救えるのはお前しかいないでござる。だからーーーすぐに行け!でござる!」
シグレ「・・・ありがとう!」


シグレはヨシオと王ドラの協力で人魚の魔女の中にいる雨季を救出するために彼女の中に入った・・・!






雨季「ーーーさっき金城に言われたの。シグレがヘタレオンと付き合ってる誤解を解きたいならシグレに聞くのが一番だって。そのことを聞いた私は嘘だって思った。だって下手したら二人の邪魔になるから。でも、金城は口下手なりにもちゃんと話してくれたのに・・・」


すると、雨季は自分がしたことに涙を流した。


雨季「ちゃんと話してくれたのに、金城を振り切って逃げてしまった!そんな私が・・・自分のオーボエを再び好きになるのに・・・意味があると思う・・・?」
雨季のオーボエ「雨季・・・!?」


すると、雨季のオーボエは人魚が雨季の前に現れたことに気付く。雨季のオーボエは全力で彼女を守ろうとするが・・・


雨季のオーボエ「雨季!!」


彼女は人魚に取り込まれようと歩き出す。


雨季(ああ、いいんだ。これで苦しまずにーーー)






シグレ「俺は、よくない」






すると、シグレが雨季を背中から抱きしめる。雨季はシグレに気付き身体を離す。


雨季「シグレ・・・!あなた、なんでこんなところに・・・」
シグレ「えっと・・・雨季さんのオーボエが好きだから、ここに、います」


雨季は本来ならば嬉しいはずなのに、その言葉が信じられずに言う。


雨季「・・・嘘をつかないで。嘘はやめて!あんた、アイオーンと付き合ってんでしょ!だったら・・・」
シグレ「えっ;」


すると、シグレはその誤解を解こうとする。


シグレ「アイオーンは、確かに俺の憧れみたいなもので・・・でも、雨季さんのオーボエは憧れを超越したみたいで、つまりアイオーンとは憧れではあるものの付き合ってはいない、です。それにこんなに憧れたのは雨季さんのオーボエが、初めてだから、まだよく分からないと思うんですけど・・・」


すると、それを聞いた雨季は憑き物が落ちたかのようにきょとんとする。これに雨季のオーボエと人魚が冷やかす中でシグレは言おうとする。


シグレ「あ、あの・・・?」


すると、雨季がシグレに抱きつく。


雨季「じゃあ、この後は私のオーボエをたっぷり聴かせてあげるから、覚悟しなさいよ!」
シグレ「えっ。は、はい」


そして黒い空間が崩される。ヴィオロンがかけた魔法は解け、シグレは雨季を救ったのだ・・・。






その数日後、雨季は元のオーボエの美しい音色を取り戻し、かつ前よりも圧倒的な表現であるオーボエを奏でられるようになった。これにまほろは言う。


まほろ「音色取り戻したのに、まだシグレ君と付き合ってないんだって?(ニヤニヤ」
雨季「だから、ちが・・・失礼ね。これからちゃんと振り向かせるつもりよ。まだ始まったばかりだけど」
まほろ「あらあら〜v」


すると、シグレがオーボエパートの教室にやってきた。


シグレ「雨季さーん。これからマオさんがオーボエでセッションしたいんだって。行ってみる価値はあると思うよ」
雨季「・・・うん!」


一方、これを見ていたヴィオロンは作戦が失敗したことに少し苛立っていた。


新堂(ヴィオロン)「あーあ、あと少しで朝倉雨季を蹂躙できるかと思ったのにー」


すると、ヴィオロンはある光景を見る。シェゾがオーボエパートの教室を訪ねて来てまほろが喜ぶ光景だ。


新堂(ヴィオロン)「ーーーほう。まあいいでしょう。次なる手は打ちましたよ。次のことにシグレ君はどう動くでしょうか?」


ヴィオロンことクロラが起こす因果は、まだ終わらない。


続く・・・!






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