二次創作小説(紙ほか)
- ゆっくり回り始めた歯車(その1) ( No.611 )
- 日時: 2018/09/26 19:46
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
今回はついに金城とまほろの関係が動き出します!やきりんご味のカスタードケーキとアップルパイ味のパイの実、超美味いです。
夏から秋に少しずつ深まる季節の中で金城は金管パートを全部見回ってビシバシと鍛えていた。もちろん金城が知らない木管パートや打楽器パートのことはゼオや真澄がサポートしている。金城は金管パートで指揮者のシバちゃん先生や観客の満足の行くように何が難しかったかを気付きながら教えていた。
金城「ホルン。そんな吹き方するな。曲が滅多刺しで死ぬぞ」
ホルンパートの大半の全員「は、はい、すみません!」
金城「俺達トロンボーンが合わせるからホルンは吹き方が良くなったか分かれ」
ホルンパートの大半の全員「はい!」
一方、木管パートは練習しながら密かに金管パートの練習風景をモニターで見ていた。
ゼオ「金城は流石卓越した和音構築と金管に関する知識だなあ」
雨季「ちょっと指導は!?」
ゼオ「オーボエパートにちょっとリズムが問題だなって感じだ。そのリズム、難しいだろう?」
雨季「うん。個人の方の実力では何も問題なかったと思うけど」
ゼオ「じゃあ、オーボエパートは一人ずつ吹け」
ゼオは雨季達オーボエパートに一人ずつ吹かせるが、結果は大半の全員に何も問題はなかった。
ゼオ「うん。これなら問題ないかな。最後、まほろ」
まほろ「はーい!」
すると、まほろが問題のリズムを吹く。すると、そこにはゼオが驚くようなものがあった!彼女は問題のリズムを最後まで吹いた後に言う。
まほろ「あの・・・何か問題あった?」
ゼオ「・・・問題はわかった」
まほろ「?」
ゼオ「まほろの演奏が、上手すぎたんだよ」
オーボエパートの大半の全員「えっ!?」
すると、雨季がゼオの意見を肯定するかのように言う。
雨季「そりゃあそうね、まほろはなんでも何となくやればそれをこなしてしまうもの」
ゼオ「もちろんそれもある。だがな、まほろの演奏は何となくでやってそれが上手くこなしてるから雨季達はあまり上手く合わせられない」
雨季「ということは?」
ゼオ「まほろの演奏に上手く合わせるしかないだろ。俺が教えてやるからできるまでとことんやれ!」
オーボエパートの大半の全員「はい!」
そして吹奏楽部や他の部も学校側のバックアップの下で部活動に励む中で空達が所属する剣道部はいつものようにハードな練習を重ねていた。
空「あーっ!スタミナあったけど練習内容ヤバかったー!」
勇飛「あれは壮絶だったな・・・うちの後輩も先輩もかなりバテるほどだったし」
空「そもそも最近新しく来た剣道部の顧問の先生が来てからだったけど、それでもいつも以上に鍛えられたねー」
勇飛「えーと、確か・・・ニンレという女の体育教師だったな」
一方、新しく来た剣道部の顧問の体育教師であるニンレはその女性ながら男らしい性格と的確な教師ぶりで生徒達の人気を集めていた。しかもどう見ても顔はあの俺っ娘の中佐にそっくり・・・え?まさか・・・?
ニンレ(ニンア)「俺だが?髪色だけ変身させてもらったぞ」
何とニンアでした。彼女はフラウトのために教員免許まで取って星ノ宮学園に剣道部の顧問の体育教師として赴任して来たらしい。
ニンレ(ニンア)「そう、全てはフラウト達の任務の遂行を見届けるために・・・俺は陰ながら見守ることに決めたのだ・・・」
なんかアルフォンスを慕うニンアのイメージが強いようが気がしますね?
ニンレ(ニンア)「じゃあなんと言えば(ナレーションにギロっ」
ごめんなさい;一方、ある人達が星ノ宮学園を訪ねて来た。あいり達だ。
ツースト「んで、この学校が星ノ宮学園。先に案内したポップン学園と同じような校風だから」
桃実「ええの?こんな美形達に囲まれて案内してくれるやなんて・・・」
あいり「もっとちゃんとした聴き方をしなさい!まあ、桃実とメグルはまだ私の他の友人は知らないでしょうしね・・・」
クロ(クロード)「そもそもこの学校の校則は基本的に割と自由であるからな」
クロス「ほう、だから校門を外部も入れやすいように普段から開放してるのか!」
ガスパ「坊っちゃまも待っていることですし、早く行きましょう」
レイト「そうですね」
メグル「・・・」
すると、メグルは言う。
メグル「あ、わたし、先に音楽科の生徒がどれくらいのレベルを持っているのか知りたいから私だけ別行動していいですか?」
ツースト「いいぞ、迷子にならない程度ならそれぐらい」
メグル「ありがとうございます」
メグルが走り出すのをクロードが怪しげな表情を浮かべるが、彼女は何かしらの目的があった。
メグル(ふんふふーん♪今わたしの中に未来予知が見えましたよ。黒髪ロングの女の子がクロードやある先輩らしきの人を、殺す姿を。まあ、予知したんならその未来を実現させればいいですよね♪)
一方、星ノ宮学園のホールでは吹奏楽部が今度の出演するコンサートを向けてゼオや真澄達の指導を受けて練習していた。
ゼオ「クルーク、金城もあまり分からなかったここの金管の和音構築なんだが・・・」
クルーク「ああ、そこだね。そこはほんの少しだけ外した方が綺麗に聴こえるかな」
金城(なぬっ?こいつ、音楽知識があるのは知ってるが和音構築に詳しいのか?)
雨季「シグレ、こことここのフレーズなんだけど、合わせてくれる?」
シグレ「ああ、いいが・・・」
まほろ「シグレ君、うーちゃんの後にここの基礎練のロングトーン、一緒に合わせて〜」
シグレ「ああ、雨季さんの後な」
宮島「真澄ちゃん、ここのリズムなんだが・・・」
真澄「ああ、そこね!ここは・・・」
金城「リデル、うちの金管とお前のホルン、ここのフレーズだけ合わせてくれないか?」
リデル「は、はい!」
ププル&アミティ「差し入れー!」
あやクル「遠慮はせずに食べてくれ」
ラフィーナ「ちなみにあやクルとププルさんが作った差し入れはハチミツレモンですわ!」
シグ「ハチミツ、シグがとっておいたのに・・・」
アイオーン「ヴッ!(シグにしっ!という意味らしい」
まほろ「ありがとう〜!宮島君のお手製フルーツオムレットだけだとちょっと足りないなと思ったんだよ〜!」
宮島「なぬっ!?」
こうして和気あいあいかつ真剣に練習が続く中でアイオーンはピアノで木管パートを弾きながら言う。
アイオーン「このように木管ばりの連符をスラーに変えればいいのではないか?その方がしっくり来る」
まほろ「すごーい!アイオーンさん、ピアノ弾けるんだー!」
雨季「へー、意外とやるじゃん」
アイオーン「次の金管パートのフレーズはこうやって・・・!!!」
すると、アイオーンは何かしらの気配とある未来を感じた。ゼオはアイオーンの名前を呼ぶ。
ゼオ「アイオーン・・・?」
アイオーン「・・・いや、なんでもない(何かしらの未来とそれを押し通そうとする存在が浮かぶ・・・金城とクロード・・・?」
その直後、同じ子孫五人組が宮島の要請を受け初等部の吹奏楽部の子達をホールまで連れてきた。初等部の吹奏楽部は隣にある小ホールで練習するそうだ。ちなみに全員今日のそれぞれの部活動を無事終えたらしい。
- ゆっくり回り始めた歯車(その2) ( No.612 )
- 日時: 2018/09/26 19:50
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
空「先輩、連れてきました〜!」
宮島「おー、ありがとう」
勇飛「おい、あやクル、俺にも差し入れないのかよ」
樹「そうだよー」
太陽「吹奏楽部にだけ差し入れくれるとかやらしい〜」
あやクル「わかったわかった、そう言うと思って大量に作ってあるから食べろ」
琴「!!」
すると、琴は金城を見て萎縮した。どうやら琴はある出来事が原因で金城に苦手意識を抱いているようだ。
琴(金城先輩・・・!!)
金城「?」
金城『特進科だからってそんな弾き方するな。曲のイメージがバラバラと変わりすぎる』
それを思い出す琴は金城にぺこりと頭を下げて立ち去ったところをクルークが目撃した。
クルーク「琴、どうしたんだろ?」
太陽「ああ、クルークはまだ知らなかったな。琴ちゃん以外の俺達が中等部の入学式でジェットバスで飛んで新入生代表挨拶をしようとしたところを金城先輩達に止められたから風邪で休んでた琴ちゃんが当時は金城先輩のこと知らんでな」
クルーク「金城、よく止めれたね;」
太陽「その数日後に中等部に入学間もない頃に俺達のセッションに金城先輩がトロンボーンで入ってきてな、金城先輩との初対面時の琴ちゃんの心が潰されかけたんだよ」
クルーク「金城はめちゃくちゃ上手いからねー」
金城「うるさい。おかしいところはちゃんとおかしいと言わなければそこに卓越しないだろうと思っただけだ」
一方、琴はまた金城から逃げてきたことに罪悪感を抱いていた。
琴(やっぱりちょっと怖いなー・・・クルーク君やシグレ君とも仲良くしてるし、絶対いい人なんだろうけど、ダメダメ!人のこと悪く思ったら!私の気持ちの問題だし!私が金城先輩に慣れなきゃ!)
すると、突然誰かが琴に声をかけた。メグルだ。
メグル「あの・・・」
琴「はい?(わっ、可愛い女の子・・・」
メグル「いきなりだし・・・間違ってたらすみませんが・・・」
メグル「さっきのホールにいる吹奏楽部の部長・・・苦手・・・何ですか?」
琴「え?」
すると、琴は内心では動揺しながら話をはぐらかすように言う。
琴「な・・・何のこと?(何この子、初めて会ったのに・・・何でわかったの・・・?」
メグル「小学校の時、わたしも同じ経験があって結構大変でしたから・・・雰囲気でわかっちゃって・・・これから無限の空に羽ばたくあなたがつらいと思いますので・・・一つだけ・・・無理して仲良くなる必要はないんじゃないでしょうか。この学校って・・・たくさんの生徒がいますし・・・何十人の中の先輩と合わせる必要はないし・・・」
琴(な、なんなのこの子・・・何で・・・そんなこと・・・)
メグル「そもそも」
メグル「原因作ったのは向こうでしょう?」
金城先輩が・・・無理やり私達のセッションに入ってきて・・・全然やめてくれなくて・・・それで・・・私は・・・
生まれた。責任転嫁と小さな恨み。生まれた生まれた。予知した未来への実現の可能性。
琴(そうだ・・・何で・・・私だけ・・・何でこんなことで悩まなきゃ・・・いけないの・・・!?)
アイオーン「お前。そこまでだ」
すると、アイオーンとクルーク、ププルとゼオがメグルと琴の間に割り込んだ。これにメグルは驚くが、クルークは言う。
クルーク「さっきから聞いてたけど・・・金城が悪人みたいじゃないか・・・琴。金城は確かに嫌味ったらしいけど実はツンデレで根はめちゃくちゃいい人で面白い人だから!この後、一緒にからかいに行ってやろうよ!」
琴「・・・!うん!」
ゼオ(これで未来を変えたか?)
アイオーン(ああ・・・変えられた)
琴が初等部の吹奏楽部の残りの子達を迎えに立ち去った後にメグルはムスッとしながらボソッと言う。
メグル「変えちゃったんだ・・・」
アイオーン「・・・!?何・・・?」
メグル「いえ!こっちの話です!ただの独り言ですから・・・忘れて下さい」
アイオーン「お前・・・予知するのか?」
アイオーンの問いにメグルがきょとんとなる中で彼は思う。
アイオーン(こいつの内容は、具体的すぎる。具体的じゃなければあそこまでの扇動はしないだろう。それを考えると・・・)
すると、メグルは答える。
メグル「さっき視えてた未来・・・ですか?」
アイオーン&クルーク&ゼオ&ププル「!!!」
アイオーン(間違いない・・・こやつは未来を予知する!)
メグル「ここまでの同じ能力を持っていたことが分かるからにはあなたには本当のことを教えます。私の決めた範囲内ですがね」
アイオーン(こやつの雰囲気は柔らかい・・・だが、その進む先にはとても通れん茨があった。こいつは未来を予知して・・・わざと琴をその気にさせるように仕掛けたのか・・・?)
メグル「あなたも未来が視えるんですよね?」
メグル「わたしのクロード殺しの任務を、邪魔しないで下さい!」
ゼオ「は・・・?」
メグル「今は監視してる立場ですけどね。ほら見てくださいよ、あの喧嘩してるカップルの未来を。最近は喧嘩ばかりで未来はもうどん底。そのうち別れますよ!ああいう未来までは行きませんが、クロードを殺した未来を実現した姿を見ると、任務完了した気分になりませんか?」
アイオーン(なんだ・・・こやつ・・・関係はわからんがクロードが殺される未来を待っていて・・・楽しんでいる・・・!!もし、こやつが星ノ宮学園の生徒だったら・・・もし、俺達よりも早く空達にこやつが出会っていたら!!)
すると、アイオーンは気付いたらスクリーンの前の席にいた。
アイオーン(シネマ・・・?)
すると、映っていたのは前の髪色である空と話しているメグルだった。
メグル「空ちゃん、頑張ってますねー。気配りもできてて強くて偉いです。そのまま続ければきっといつかは報われますよ!」
アイオーン(違う・・・それじゃ・・・何も解決しない・・・!)
メグル「勇飛君、あなたは悪くありません。でも、あなたが信じられる人は空ちゃん以外は存在しません・・・空ちゃんはその苦しみを誰よりもわかってくれたから一緒にいるんです」
メグル「琴ちゃん、全てを委ねてみてください・・・そうすれば勇飛君も振り向いてくれますよ」
メグル「樹君、あなたはきっといつかは大成する存在です。その気持ちを何か大きなことにぶつけてみてください」
メグル「太陽君、あなたの発明は楽しいですが、もう少し周囲を見てください・・・きっとあなたの発明を嫌がった人もいるはずです」
メグル「金城さん、あなたはそのまま自分の意思を隠し続けてください。楽しいことだけ言い合って笑い合う関係もあるはずです」
メグル「まほろちゃん、夏目君、あなた達はお父さんだけでなくお母さんにもおばあちゃんにも裏切られたんですよ。そうしなければ二人は早く亡くなったりしません」
メグル「雨季さん、あなたは完璧なオーボエ奏者です。だから、そのままずっと完璧に振る舞って下さい」
メグル「宮島さん、あなたのお母さんはお父さんがちゃんとしてくれなかったから殺された・・・そうでなければこんな忙しい思いはしません」
メグル「ミイちゃん、あなたは何も悪くない、優劣なんて付けたから自分が楽しむことができなくなった・・・もっと楽な気持ちで演奏しましょう」
メグル「八奇人のみなさん、もっと意見がバラバラにならずにまとまりましょう!そうすれば、前よりもまとまった意見が言えますよ」
すると、アイオーンが浮かべたのは・・・
アイオーン達と出会う前のメグルによって心が嫌な風景に変わった別の時間軸の星ノ宮学園の在校生達だった・・・!
気が付けばアイオーンは過呼吸を起こしそうになった。そう、アイオーンはそのことを想像してしまったのだ・・・!
ププル「アイオーン!大丈夫!?」
アイオーン「(ヤバい・・・想像してしまった・・・だが)お前がクロードのなんなのか、どのような未来予知能力なのかは知らんが・・・一つだけ・・・言っておく。もしさっきみたいに・・・嫌な未来を実現させようとしたら、俺が、全力で止める」
メグル「そう・・・ですか」
メグルは立ち去った後に彼女はムスッとなりながらため息を吐く。
メグル「せっかくウザいクロードがいなくなると思ったのに・・・めんどくさいですねえ」
すると、メグルはオーボエを教えてほしいと頼むシェゾと彼と嬉しそうに承諾するまほろを発見した!
メグル「あー、あの子!ドロドロの関係になりますねえ!次、あの子ですね」
メグルはそう言ってまたいい子を演じながらクロード達の元に戻るが、一方、アイオーンはクロードが何かしでかしたのではとやや疑問を持っていた。
アイオーン(あの怪盗・・・またやらかしていたのか・・・?だが、クロードは女を騙しても恋愛沙汰にすることはない。一体奴はクロードのなんなんだ・・・?)
すると、金城が思い出したかのようにあることを発表する。
金城「あー、忘れてて悪かったが、月島姉達がこの学園を知らない友人二人を連れてこの学校のホールを案内しようとしてるそうだ。みんなすぐにとは言わんが仲良くやれよ」
ホールにいた大半の全員「はーい!」
すると、ホールにあいり達がやってきた。
まほろ「あっ、来たみたいだよ!」
あいり「ヤッホー」
アイオーン「ヴ・・・!!」
すると、アイオーンはあいりの近くにメグルの姿を見た。メグルは先程までは別人のような態度でアイオーン達に接する。
メグル「はじめまして。メグル=クリスタチアです。3歳からフルートをやってましたが、吹奏楽経験とかはほとんどありません。体験だけでも吹奏楽の合奏に加われることは嬉しいので頑張ります」
アイオーン(なんであいりの近くにいるんだ・・・!!?)
すると、もう一人がいないことに雨季が気付く。
雨季「あれ?もう一人は?」
ツースト「えっ?桃実、どこに行ったんだ?」
桃実「ここやで。えへっ(椅子を借りてトロンボーンを持ったまま金城がいた席の隣の席に座っている」
あいり「桃実!トロンボーン経験があるからって挨拶だけって言ったでしょう!?」
桃実「だって吹奏楽って聞いたからにはやりたくなってなー。あっ、あたしは高嶋桃実って言いまーすv」
レイト「そのトロンボーン、どこから持って来たの?」
桃実「楽器準備室で一つだけ余っとったから借りさせてもうたわー」
ツースト「ごめん・・・すぐに片付けるから」
金城「いや、いいだろう。今日は好きにしていいから帝都、東、シグレ、リデル、メグル、合奏に入れ」
樹&太陽&リデル&シグレ「は、はい!」
メグル「はーいv」
すると、険しい顔のままのアイオーンをゼオが制する。
ゼオ(アイオーン。メグルのことはなるべく怪しい態度が出ないように気をつけろ)
アイオーン(わかってる)
後からシバちゃん先生がやってきた後に通しで合奏をやる中でこれをゼオ達は見ていた。
ゼオ「やっぱり上手いなー。音が解け合ってる」
ププル「やっぱり音が白い羽で見えるねー」←音を聴くと形が見える共感覚の持ち主(桜設定)
シェゾ「やっぱり上手いなー、オーボエ。ゼオの指導の賜物か?」←いつのまにいた
クルーク「えっ、シェゾ!?どうしてここに!?」
シェゾ「メガネちゃんがオーボエのリードが入ってる箱を忘れたらしくてな、メガネちゃんのクラス担任から届けるよう頼まれたんだよ」
空「へー(まほろ先輩、お気の毒に・・・;」
そして合奏を終える寸前でまほろはシェゾの姿を見ながら音がいつもよりも柔らかくなった。そして合奏練習を終えた後にまほろはシェゾに駆け寄る。
まほろ「シェゾ様!どうしてこちらに?」
シェゾ「いや、忘れてただろリード。持ってなきゃ困るだろ」
まほろ「シェゾ様・・・v」
金城「はいはい、今練習だから邪魔すんなよ」
まほろ「もう、景吾君ったら!」
一方、それをカメラで撮った人物がいた。ヴィオロンだ。彼はカメラを撮ったままある場所に向かう。それが翌日の見出しの記事になろうとは・・・
- ゆっくり回り始めた歯車(その3) ( No.613 )
- 日時: 2018/09/26 19:58
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
翌日、ドラケロ防衛隊は星ノ宮学園を訪ねていた。空達に会いに、だ。
王ドラ「今日は空さん達が合同で調理実習ですからちゃんと味見しないとダメですねー」
キッド「それが目的だろ;」
すると、王ドラが何かしらの気配を感じた。その気配の主に言う。
王ドラ「いたんですね、ヨシオさん」
ヨシオ「あ、バレてたでござるか。って、えっ!?お前は・・・!(ドロロの姿に気付く」
ドロロ「ああ、キミでござるか。王ドラ殿と知り合ったでござるか」
王ドラ「ちょっと、なんでこんなアサシンと戦ったんですか!?」
ヨシオ「拙者はそいつとは互いに手合わせして引き分けたことがあるでござる!それから度々手合わせして・・・」
タママ「えっ、あんた、芋ジャージなのにドロロ先輩と引き分けたことがあるんですか!?」
ドラメッド「こら、失礼であーるよ;」
王ドラ「ありますよー。私もヨシオさんが言う青蛙忍者はドロロさんのことだと思いますからね」
ギロロ「本気だったのか・・・」
すると、星ノ宮学園の新聞部の部員が王ドラに今日の記事を渡す。
新聞部の部員A「今日は号外だよー」
マタドーラ「?なんか生徒達の様子がおかしくねーか?」
ネネ「そういえばそうね」
すると、王ドラとヨシオはその記事を見て驚愕する!これにしんのすけは聞く。
しんのすけ「どうしたの?」
ヨシオ「いや、見ない方が良いでござる;」
王ドラ「これはあの子のもう叶わぬ願いですからね・・・」
アルル「叶わぬ願いって何?」
風間「あっ、アルルさんとルルーさん!」
ルルー「見せなさいよその記事。見せないとスクラップにしてリサイクルするわよ」
王ドラ&ヨシオ「OTL」
王ドラがその記事を他の人達に見せた後に一方、まほろは金城達とともに登校していた。まほろは言う。
まほろ「今日もシェゾ様来るかな?」
雨季「来るんじゃないの〜?」
宮島「ハハッ」
金城「?なんかあっちの方が騒がしいな?」
すると、金城達の姿を見た生徒達の視線が一斉に彼らに向けた。
特進科の生徒「来た来た本人達登場だぜ」
これは例の学校新聞!その記事の見出しには・・・
芸能科の生徒「金城景吾と黄田まほろ、そして黄田のオーボエの王子様であるシェゾ・ウィグイィとの三角関係?だってさ」
号外記事「彼らの3Pの誘いを快諾?拒否?どちらにせよ二人のどちらかが黄田に惚れていることは確か?」
宮島「げっ、これ、昨日の・・・!!」
雨季「いつのまに撮られてたの!?」
記事を載せられた金城はまほろを気にかけようとするが、その記事を空達にも知られていた。
勇飛「うわー、すっげーなこれ・・・;」
空「剣道部内でもその話題で持ちきりみたいだよ。シェゾが二人に3Pを誘った噂みたいで」
すると、シェゾがやってきた。シェゾは言う。
シェゾ「?なんだこれは。こんなところに集まってなんで俺を見るんだ?」
Dサーバント「よく言うよお前がまほろに手ェ出して二人に3Pを持ちかけたってさ」
シェゾ「何?」
すると、その記事を見てシェゾは驚愕する!シェゾは言う。
シェゾ「は!?なんでこんな記事、でっち上げてんだよ!!」
すると、騒ぎを聞きつけたドラケロ防衛隊とアルルとルルーが現れた。風間はシェゾに迫る。
風間「シェゾさん。教えて下さい。この記事に書いてあることは本当なのか」
シェゾ「えっ!?嘘に決まってるじゃないか!」
ギロロ「お前には大事な恋人がいるって言ってた。もし違うなら・・・俺達はお前を見誤っていたということになるな」
シェゾ「当たり前じゃないか!俺はアルルがいるのに!」
そのシェゾの言葉を聞いた大半の全員が騒然にざわついた!
宮島「えっ、4Pかよ・・・いでっ!!(雨季に無言で頭を叩かれる」
ルルー「あんた、あいりだけだと思ったらまほろという子にも優しくしてたの!?最低!!」
シェゾ「だから、メガネちゃんにオーボエのことを教えてもらって「酷い・・・」
アルル「シェゾのバカあああああー!!!」
シェゾ「アルル!!」
アルルが泣きながら逃げた後をシェゾが追う中でまほろもどこかに無言で逃げ去る。
金城「まほろ!」
金城がその後を追った後に雨季はようやくシグレ達のシェゾに関しての今までの行動の意味を悟る。
雨季「二人を傷つけないためにシェゾさんに彼女がいるの・・・隠してたんだ・・・」
一方、シグレとゼオ達は遅れて星ノ宮学園を訪ねていた。
シグレ「なんか妙に静けさがあるな・・・」
ゼオ「まあ、そういう日もあるだろ」
すると、まほろを探していた金城がシグレを発見する!
金城「シグレ!ちょっと来い」
シグレ「えっ?いいけど・・・」
金城はシグレ達を体育館裏に連れ出した後にシグレは聞く。
シグレ「おい、どしたんだよ」
金城「シグレ。知ってただろ」
シグレ「え・・・」
金城「ウィグイィに彼女がいるってこと」
クルーク「あ・・・!」
シグレ「今まで黙ってごめん・・・」
金城「俺はお前らのウィグイィに関しての行動に疑問を持ってたんだ。なんで黙ってたんだ?」
シグレ「・・・。二人を傷つけたくなかったから」
金城「知ってるよ。それでも教えて欲しかったんだ」
金城は自分の手が震えるのをこらえながら言う。
金城「・・・俺な、そのことを聞いて少し安心してしまったんだ。同時に自分の弱さにびっくりしたんだ。ああ、俺はみんなが言うようないい部長じゃないんだなって・・・」
シグレ「そんなことない!最初から強い人はいないんだ。金城は自分の弱さに気付いたからいい奴なんだよ・・・!その程度で幻滅しないよ。俺も悪かったし・・・」
金城「・・・ああ・・・俺達、お互い様だな」
すると、誰かが倒れる音が聞こえた!叫び声も聞こえる。
服飾科の生徒「ちょっ・・・これヤバくない!?」
普通科の生徒「聞こえますか!?まほろ先輩!!」
金城「!!」
すると、彼らが駆け出すとそこにはまほろが高熱で倒れた姿だった!
金城「まほろ!!」
シグレ「まほろさん!!大丈夫か!?」
???「大丈夫ですか?わたし、保健室の先生呼んできますね」
すると、ある人物がゼオ達四人とすれ違う。メグルだ。メグルが行く先にププルが彼女に食ってかかる!
ププル「メグル!!」
メグル「ああ、わたしは未来を視ただけで今回は関与してませんよ?ただわたしが誰かに先越されただけです」
ププル「この・・・!!」
アイオーン「やめろププル!」
ププル「なんでなのアイオーン!!未来を視たんでしょ!!」
アイオーン「お前に関する未来を視たからだ!こいつはまほろの未来を視ただけで一切関与してないし、もしこいつが関与したとしても・・・誰も信じない!」
メグル「わかってますね、アイオーンさんは。流石先越した人が見込んだだけある」
ゼオ「・・・?」
クルーク「まだ間に合うよ!まほろを、助けよう!そのために三人とも力を貸して!」
アイオーン「ヴッ!」
四人が歩く中でメグルはどこか重大なことを教える。
メグル「あなた達だけにいいことを教えましょうか?関与したのはもうすでに死んでいる人になりすました吸血鬼ですよ」
アイオーン「・・・?」
その数分後、まほろは保健室のベッド高熱にでうなされていた。
アイオーン(全く熱が引かない・・・メグルの言った奴が関与してるのか?それとも・・・)
すると、シグレがフルート、金城がトロンボーンでイーナの歌を吹く!まほろの苦しみを和らげようとしたのだが、それでも和らげることができなかった!続いてゼオのフルートとププルのヴァイオリン、アイオーンのギターも参戦するが、全く効果はない・・・。クルークは思う。
クルーク(五人でもこの程度か・・・だけど、あの五人ならできるかもしれない!)
すると、クルークが金城に言う!
クルーク「金城、トロンボーンでハイトーンでもいいから出して!そんなんじゃ届かないよ!」
金城「!」
クルーク「ゼオ、もっと金城の音に寄り添って!」
ゼオ「!」
クルークの的確な指示に五人全員が綺麗なハーモニーを響き出した後にまほろは熱を引いた後に目を覚ました。少し和らいだみたいだ。
金城「ーーー!まほろ!」
まほろ「・・・。景吾君」
金城「急に倒れるんだから、心配したんだ。辛かったらちゃんと言え。頼れる時は頼らないと」
まほろ「ありがとう。景吾君」
まほろ「でも、もう、私に構わないで」
金城「え?」
まほろ「景吾君には・・・私の気持ち・・・わかるわけないんだから・・・ごめんね・・・」
まほろの突き放した態度に金城はトロンボーンを持って走り去るが、アイオーンはふとまほろを見るとまほろはベッドの中で震えていた・・・。
その数分後、金城を探すが、すると声がした。
???「あら!クルークじゃない!」
クルーク「!」
その数分後、金城を見つけたクルーク達はシグレが金城を励まそうとする。
シグレ「金城・・・まほろさんは本心では言ってないよ」
金城「わかってる。まほろは・・・ああいう奴なんだ。まほろは父親の件からオーボエの王子様がいつかきっと助けてくれるのを夢見ていたんだ・・・まほろのお母さんとおばあさんが亡くなったあの日からな。でも、見つけたら見つけたでまた傷つけられたし、俺はその傷を一緒に治したいと願うのに、まほろと同じ立場に行ってあげたいのに!変えられない!俺は何もしてあげられない!夏目は自分の向上心ばかりで双子の妹のまほろを心から顧みない!朝倉と宮島は・・・ただ強く踏み込むことはできなくなった・・・!!お前ら、突然なんなんだ!俺達のことの壁をどんどんズケズケと踏み込むし、天川達にも認められて!お前ら、すごいんだろう!?理事長にも認められたんだろう!?・・・だったら・・・」
すると、金城の目から透明な雫を流しながら言う。
金城「俺達のこと、助けろよ・・・!!」
四人はさっきのまほろの姿を思い出しながらシグレは言う。
シグレ「何言ってんだ。最初からお前らを助けるのは、俺達の役目だ!」
金城「・・・!」
シグレ「そのために・・・やりたいことがある。お前の力を貸せ!」
その1週間後、クルークの通っていたピアノ教室。そこにそれぞれ仮装した彼らがいた。
- ゆっくり回り始めた歯車(その4) ( No.614 )
- 日時: 2018/09/26 20:03
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
ゼオ「じゃあ、行こうか。クルーク、舞台裏よろしく頼む」←黒い狼の仮装
クルーク「任せろ!」
その1週間前、クルークのピアノの先生のシナモンがクルークに会っていた。シナモンがクルーク達にピアノ教室での依頼演奏を頼む。
クルーク「依頼演奏・・・ですか?」
シナモン「そう!クルーク達はお手伝いだけでもいいから彼らに演奏して欲しいの!私のピアノ教室での子供達に笑って踊って楽しくやろうという企画なの!それをプロの団体じゃなく、まだ学生の彼らなら意味があるの!だからお願い!」
クルーク「でも・・・」
シグレ「シナモンさん、と言ったな?」
すると、シグレがシナモンに直談判する。
シグレ「その依頼演奏・・・俺達だけでもお願いできないか?」
クルーク「!シグレ!」
シグレ「あんたの知り合いのピアノ教室での依頼演奏・・・もしかしたら何かが変わるチャンスかもしれない!ただーーー承諾されるかはわかんないけど・・・」
シグレの濁りのない瞳に意味を知ったクルークは承諾する。
クルーク「わかった。こっちも子供向けの曲を探して全力でサポートするよ。だけどーーーこれがまほろさんの心を動かせなかったら、キミ達の負けということになるよ。異論はない?」
シグレ「ああ!やってやろうじゃないか」
そして現在に至り、2ndヴァイオリンを演奏するラフィーナは貴族風のプリンセスの格好をしながら言う。
ラフィーナ「へー。なかなかいいの選びますわね」
ププル「仮装も自分で選ばせてくれるなんてシナモン先生はいい人だねー」←キュートな魔女っ子の仮装
アイオーン「ヴ、ピアノ、ヴッ、ヴッ、ヴッ」←ピエロの仮装&今回はピアノ担当でかなり緊張している
リデル「落ち着いて下さい、アイオーンさん!」←シルクハットを被った紳士風の仮装
雨季「それにしても・・・シグレ、よく金城とまほろを連れてきたわね」←貴族風の女性の正装の格好
宮島「うん」←和服を着てタヌキの耳を頭に付けた仮装
すると、三月ウサギの仮装姿のシグレはドラキュラの仮装の金城と妖精姿のまほろを見ながら頷く。
また遡ること1週間前、シグレは金城にタクトがどんな人なのかを聞く。
シグレ「教えてくれ。お前の言うタクトさんがどんな人なのかを」
金城「・・・。いいだろう。タクトは気付けばよく失踪したかと思えば最後には毎度毎度のステージを超えたパフォーマンスをして帰ってくる天才的なジャズヴァイオリニストだ。それに・・・飄々としてて女性関係のトラブルを作りまくる奴」
金城『ちょうどタクトが来てるから会いに来いよ』
まほろ『うん!』
金城『って・・・タクト!!お前を囲んでるこの女共は誰だ!!』
タクト『えっ?俺の彼女達や。流石に不特定多数と会っていきなりそれ以上のことはやらんけど』
金城『しっかりやってるじゃねーか!!まほろの姉貴が作った差し入れのおかずやるからタクトの彼女達は出て行けー!!!(タクトの彼女達にみちるが作った差し入れをタクトの彼女達に持たせて追い出す』
まほろ『本当に行っちゃった』
タクト『景吾。ちょい待ち。俺から生きる糧を奪い取るん?』
金城『は?』
タクト『景吾は他人にも自分にも厳しいところはええけど、そんなんじゃ女の子にモテなくなるで』
金城『タクト・・・それが人に対する礼儀かーーーーー!!!』
金城「そんな奴だ」
クルーク「なんかすごいね;」
シグレ「・・・」
一方、シグレ達は保健室にいるまほろを訪ねてシグレは聞く。
シグレ「まほろさん、教えてください。なんで金城にあんなこと言ったのか・・・」
まほろ「・・・景吾君は・・・優しすぎるの。小さい頃からそう、私がふわっとしてて他の男の子達にいじめられた時だって・・・」
金城『まほろを泣かすなーーーーー!!!』
まほろをいじめていた男の子二人『うわー!!女男だー!!逃げろー!!』
まほろ『あ、ありがとう、景ちゃん』
金城『まほろはふわっとしてるから、なんでも俺に助けを求めて来い』
まほろは金城がいつでもそばにいてくれることが嬉しかったが、星ノ宮学園中等部に外部入学した時も金城とまほろは相変わらず仲良く接していたが、ある時、まほろは当時のクラスの女子に呼び出された。
まほろ『なあに?』
当時のクラスの女子A『あのさ・・・黄田さんは隣のクラスの金城君と幼馴染なんだよね?』
まほろ『うん、そうだけど・・・』
当時のクラスの女子B『その「景ちゃん」呼び・・・変だって自覚はある?』
まほろ『え・・・?』
当時のクラスの女子A『宮島君の時も清ちゃん呼びでさー。だから、黄田さん。男子をちゃん呼びしないでくれる?』
まほろ「それを聞いた時、いつまで景吾君に頼ったらダメだと思ったの。私がもっとしっかりしなきゃって。そしたら景吾君もきっとわかってくれるから・・・」
シグレ「・・・」
ププル(それは・・・女の子の嫉妬によるいじめというやつでは・・・)
まほろ「幼稚園演奏をするんだよね?いいよ。私もやる。今、なっちゃんはドイツに再び帰ってるし」
シグレ「!いいんですか?」
まほろ「・・・なんか不思議なんだ。シグレ君達に話すの・・・自分が落ち込んだ時にいつも落ち着かせてくれていたからかな・・・」
そして現在に至った中でピアノ教室の子供達が体育座りで座る中で曲が聞こえた。そこにシグレの付けたうさ耳が現れた!
BGM:混成編成版ジブリメドレー
ピアノ教室の女子A「あっ!この曲、知ってるー!」
ピアノ教室の男子「トトロだー!」
シグレを先頭に演奏者全員が顔を出すが、アイオーンは持ち運びやすいキーボードでピアノ伴奏を弾いていた。
アイオーン(子供達に披露する曲はジブリ、ディズニー、日曜朝のスーパーヒーロー、アニメ・・・バラードなしの底抜けに明るい曲ばかり。クルークが言うにはこの曲で子供達を楽しませたら勝ちだ)
大半の全員が曲の良い流れを作り、子供達の心を掴むが、しかし2ndオーボエを担当するまほろだけが曲の流れに乗り切れないでいた。
シグレ(!まほろさん!)
金城(まほろ!)
金城がトロンボーンでそれをフォローしようとするが、それは今のまほろにとっては逆効果だと大半の全員は感じた。
雨季(ちょっとどうすんのよ!二人が流れに乗り切っていないじゃない!)
アイオーン(二人をフォローするためにアドリブで・・・ヴッ!?)
すると、アイオーンはその先の暗譜したところを忘れて半ば頭真っ白になっていた!
アイオーン(真白い!)
宮島(忘れたのかよ!?)
それをクルークが見てあるものを取りに行くために走るが、ゼオは合図で言う。
ゼオ(俺達がフォローするから曲を壊さない程度にアドリブしろ!)
アイオーン(でも、どうやってすれば良いか・・・)
ラフィーナ(問題のフレーズに近づいていますわ!そしたら・・・!!)
すると、アイオーンが忘れかけたその問題のフレーズを誰かが弾いていた。その姿を演奏者全員が見る。そこに立っていたのは・・・
キーボードを持ちながら問題のピアノパートを弾いているクルークだった・・・!
クルーク(ミュージシャンなのにすぐ忘れるなバカ!)
クルークのピアノを知らないシグレ達は彼のピアノの圧倒的に高い演奏技術に驚く!
金城(な・・・こいつ、上手いだと!?いや、それ以上に上手すぎる・・・!)
雨季(まさか・・・そんな・・・)
宮島(クルークのピアノだけで・・・)
シグレ(曲を・・・持ち直させた、だと!?)
クルークのピアノにピアノ教室の子供達も喜ぶが、金城はクルークと出会った時のことを思い出した。
金城(初めて会った時、お前は俺に嫌味を言われたアイオーンをかばっていた)
タクト『ちゃうちゃう景吾!景吾はそういうところはいいところやが、同時に悪いところでもあるで。もっと周りをよく見ないとそのうち幸せを逃すで』
金城『タクト・・・そういうことは女性トラブルを解決させてから言え!!』
金城(・・・思えば俺はタクトやクルーク達のようなズケズケと踏み込む勇気はなかった。だが・・・もう勇気がないのはやめる。まほろにずっと退かずに、寄り添い続ける!)
曲全体にテンションが上がってきた後、クルークは飽きてきた子供達の様子に気づく。クルークは合図で指示を出す。
クルーク(子供達に完全に見限られたけど、そこからが本当の勝負だ!)
リデル(はい!)
一方、まほろはタクトとの出来事を思い出していた。
タクト『まほろちゃん。景吾から聞いたでー。また泣いてたって』
まほろ『タクトさん・・・私は大丈夫だから』
タクト『ほら、大事な時にそういうやせ我慢してるところがまほろちゃんの悪いところやで。確かに人間は我慢しなきゃいけない時はある。せやが、大事な時は我慢をやめーや』
まほろ(タクトさんはああ言ってくれたけど・・・もし・・・このままだったら・・・)
すると、シグレは彼の前に立つ子供を見る。その子供はシグレ達の演奏を目がキラキラと見ていた・・・。
シナモン「こら!ディック!戻っておいで・・・(シグレに合図で制される」
シグレ(みんな来い!一緒に音楽やろう!)
シグレの合図を受け、ピアノ教室の子供達が大半の演奏者全員を囲みながら楽しそうに踊り出す!すると、まほろは金城の心の合図に気付く!気付いたらある空間の扉の前にいた金城がノックし続けていた。
金城『まほろ!俺はまほろを・・・いつまでも苦しめておかん!それに俺は信じてる!まほろはオーボエの王子様に助けてもらわなくてもちゃんと歩ける奴だって!それで・・・またあの頃のように・・・楽しく音楽をやるぞ!』
まほろ『行きたい・・・私も・・・そっちに・・・』
まほろ『助けて景ちゃん!!!』
演奏を通してまほろの心を聞いた金城は涙を浮かべながら心で言う。
金城『バカ!!遅い!!』
BGM:混成編成版BELIEVE
金城は一緒に演奏する仲間達にも背中を押されて扉を開けようとする。そして扉である心の壁が開いた時・・・
そこには涙を流しながらオーボエの王子様の姿のシェゾと一緒にいるプリンセス姿のまほろだった・・・!
金城はその手を掴もうとした時、すると、オーボエの王子様の姿のシェゾが消えた!これにシグレは気付く。
シグレ(まほろさんの心のオーボエの王子様姿のシェゾさんが・・・消えた?失恋の傷が癒えたからか?それとも・・・)
一方、まほろは金城の音を聴いて自分はもう苦しんでいないことに気づいた。
まほろ(あれ・・・痛かったはずなのに・・・あんまり苦しくない・・・私は・・・お父さんが出て行っていつもわかってくれたお母さんとおばあちゃんが死んだ時から、いつか私を助けてくれる王子様が現れるのを、夢見るようになった。そうすることが私が私を救ってくれると思った。でも・・・景ちゃんが、助けてくれる。シグレ君もお母さんとおばあちゃんと同じ・・・わかってくれる人。その人達がいるから)
すると、まほろの心は戦乙女の姫騎士の姿に変化した!
まほろ(前を進めるんだって。シグレ君・・・景ちゃん、ありがとうーーー)
そして演奏を終えた時、子供達から大喝采をもらった!大半の子供達がアンコールを迫る中でディックは金城とまほろに聞く。
ディック「ねえ、お兄ちゃんとお姉ちゃん。なんで泣いてるの?あのね、いつも笑顔でいるといいことがあるんだよ(ニカっ」
金城「・・・ああ。そうだな」
金城とまほろの間にある壁を壊すことに成功したシグレはその二人を涙を浮かべながら微笑んでいた・・・。
- ゆっくり回り始めた歯車(その5) ( No.615 )
- 日時: 2018/09/26 20:06
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
その数時間後、ピアノ教室での依頼演奏を終えた一同は金城がクルークに言う。
金城「おい、クルーク。お前、ピアノ弾けたんだな」
クルーク「趣味程度だけどね(アイオーン達のためだったとはいえピアノ弾けることバレたけどどうしよう;」
ゼオ(構わん。少なくともクルークがクルミだということはバレていない)
金城「・・・今日のピアノ演奏」
すると、金城は無表情ながらに言う。
金城「すごい上手かった。まほろがピアノを習いたいって言うから教えてやってくれないか?」
クルーク「!うん!」
ププルは金城とまほろの二人の心を共感覚で感じ取った。
ププル「・・・傷はまだ癒えてはないけど・・・あとは金城次第かな」
ゼオ「ああ」
すると、アイオーンはまほろに聞く。
アイオーン「まほろ。教えてくれないか?お前をさらに傷つけた相手を」
まほろ「!それは・・・(あれ・・・?」
まほろはすぐにそれを浮かべようとしたが、どうしても違う人物の姿を浮かべてしまう。まほろはそのままに言う。
まほろ「・・・タクト・・・さんです」
金城「!!俺、ちょっと神戸に行ってくる。俺のトロンボーン、よろしく」
シグレ「あ、金城!」
すると、クルークが言う。
クルーク「でも、そんなことよりもまずシェゾ達の件を解決しないとね」
ゼオ「今初代組、まほろの件でめちゃくちゃ大荒れだからな」
金城は新幹線で神戸に向かい月宮学院を訪ねてようやく管弦楽部室に乗り込んだところをそこには本を読んでいるタクトがいた。
金城「タクト!!」
タクト「おっ、景吾、どしたん?」
金城「お前のせいだろ!!お前が朝倉に続いてちょっかい出したせいでまほろは・・・!!」
すると、タクトは金城を強く抱きしめる。これに金城は戸惑うが・・・
金城「タクト!?こんな時にふざけてないではなせ・・・」
タクト「景吾」
タクト「景吾が助けてくれないと俺の命は僅かなんや」
金城「え・・・?」
続く・・・!
感想OK