二次創作小説(紙ほか)
- 大切な思い出(前編)(その1) ( No.833 )
- 日時: 2020/09/23 19:50
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
今回は久々の前後編です!前回からの続き物。
大切な思い出とは言いますが、時にはそれを置いて自分の足で歩かないといけないとは思うのでしょうか?
とある日のエージェント達が住む屋敷。エージェントはサンソンことサクソンが料理を作る音で目を覚ましていた。サクソンは彼に気付く。
サクソン(サンソン)「おはようございます、エージェント様」
エージェント「おはよう・・・って、いい加減に様付けで呼ぶのはやめろよな;」
サクソン(サンソン)「自分のマスターですので。アレクにもそう言うように叩き込みますが」
エージェント「いや、叩き込まなくていいよ;アリシア達を起こすためにお前が提案したアレやっておく」
サクソン(サンソン)「好きにして下さい」
エージェントは屋敷の階段からの屋根の上に立ち、フルートを構える。彼はいつもの快晴のまだ暑さが残る青空の下でアリシア達を起こすために吹く。
BGM:エージェントのフルートソロ版ハトと少年
そのエージェントのフルートソロを聞いたアリシア達が次々と目を覚まして起きる中で彼らは自分達のそれぞれの部屋の前にある階段から降りる。その曲が終わった後にサクソンは広々としたリビングに来た彼らに朝の挨拶をする。
サクソン(サンソン)「おはようございます。朝食の準備はできましたよ」
プロキオン「おはよー。今日の朝食、焼き食パンの目玉焼き乗せとローストビーフサラダとイチゴのヨーグルトだね」
ベリー「イチゴ大好きー!」
アリシア「ローストビーフサラダに嫌いな玉ネギがある・・・;」
サクソン(サンソン)「アリシア様。好き嫌いすると身体に良くありません。大人しく食べなさい」
アリシア「うーん・・・サンソンがいつものやつやってくれたら食べる」
サクソン(サンソン)「全く仕方ないですね・・・」
すると、サクソンはエージェントのポスターをアリシアの前に見せてそのポスターには「好みのタイプは玉ネギをちゃんと残さずに食べる人かな」のセリフ付きの吹き出しの文字が書かれてあった!
アリシア「いただきまーす!(嫌いな玉ネギをガツガツと食べる」
サクソン(サンソン)「もうこれはやめたいですね・・・」
アレク「サンソン、ファイトだよ!」
その後にエージェントと合流した後はエージェントとアリシアとベリーは仕事や学校の身支度をして屋敷を出た!
エージェント「じゃあ、行ってくる!」
アリシア&ベリー「行ってきまーす!」
アレク「行ってらっしゃーい」
彼らを見送った後はサンソンとアレクとプロキオンとフルシュが屋敷内の部屋を掃除する中でサンソンは言う。
サンソン「そういえば、プロキオン君は学校に行かなくていいのですか?」
プロキオン「来月から星ノ宮学園初等部に編入が決まってるよ」
サンソン「ああ、なるほど」
すると、屋敷内のインターホンが鳴った。アレクはドアを開けた。
アレク「エージェント宛の荷物かな?はーい」
すると、アレクが開けるとそこにはブラックがいた。ブラックを知らないアレクは戸惑う。
アレク「あの、キミ、どちら様?」
ブラック「・・・ここにプロキオンという奴はいるか?」
アレク「プロキオン?ちょっと待ってて今すぐ呼ぶ!プロキオーン!」
アレクはプロキオンを呼んで彼がその場に駆けつけるとブラックの方をじっと見る。
アレク「キミ、友達が来てたよ。ほら、あいさ・・・」
プロキオン「あの、どちら様?」
アレク「えっ;」
ブラック「・・・」
ブラックが無言でその場から立ち去ると、アレクはブラックの纏う雰囲気に何かを感じながらプロキオンの発言に戸惑っていた。
アレク「あっ;(今あの子からサーヴァントの匂いがしたんだけどなぁ」
プロキオン「アレクさん、結局何だった?」
アレク「キミ、本当に何も知らないのかい?」
一方、ブラックは自身のサーヴァントであるデオンに今朝のことを報告していた。デオンは言う。
デオン「えっ、じゃああの子はブラックのことは何も覚えていないのかい!?」
ブラック「・・・ああ」
すると、二人の前にある人物が降り立った。珠黄泉族の副頭領のチーママ・マホだ。
Cマホ「あら?まだ決めかねているのね。アレを使うこと」
ブラック「!」
デオン「・・・またキミか。何度も言うが、これ以上ブラックに付き纏うのは・・・」
Cマホ「そう。でも、ブラックにこれだけは言わせてもらえないかしら?」
すると、Cマホはブラックに耳打ちをしながら言う。
Cマホ「あなたも昔はかつてのプロキオンと同じような扱いを受けながらあの頃に戻りたいと思ってるんじゃないのかしら?」
ブラック「・・・」
Cマホ「まあ、どう決めるのかはあなた次第よ。私がもう一度現れるまで返事を期待してるわ」
そう言ってCマホは立ち去った後にデオンは彼女に訝しげな表情を浮かべながらブラックの方を横目で見ていた・・・。
プロキオン「〜♪」
その翌日、プロキオンはサンソンことサクソンと一緒にお使いに出ていた。サンソンがシチューを作るからその材料を買うためだ。
サクソン(サンソン)「シチューは聞いたことないですが、こんな材料だったんですね」
プロキオン「元々はシチューはこんな感じだよ。そういえば、サンソンさんとアレクさんはシチューを知らなかったね」
サクソン(サンソン)「でも、あやクルさんが作り方を教えてくれましたし、なんとかなると思いますよ。ーーーーーあ」
すると、サンソンとプロキオンは何かを探しているような様子のブラックを見かけた。サンソンが声をかけた。
サクソン(サンソン)「ぼっちゃん、どうしました?」
ブラック「誰がぼっちゃんだ!あっ」
プロキオン「?キミ、こないだの!あっ」
すると、プロキオンはブラックの服に隠れて首にかけている木製のネックレスを見た。
プロキオン「そのネックレス、木製にしては素敵だね!ボクも付けてみたいな!」
ブラック「!!」
すると、ブラックは何かを察したのかその場から立ち去った!
プロキオン「あっ!待ってよ!」
サクソン(サンソン)(あの少年、サーヴァントの匂いがしているような・・・?)
一方、待っていたデオンのところに逃げたブラックにデオンは声をかけた。
デオン「ブラック。だいじょう・・・」
プロキオン『はい、木製のネックレス!木製のネックレスは地味だけど、未来への希望も含まれてるんだよ!』
ブラック「・・・プロキオン。どうして覚えてないんだ・・・?」
デオン「ブラック・・・」
すると、そんな彼らの前にCマホが現れた!彼女はブラックに声をかけた。
Cマホ「どう?返事は考えたかしら?今更断るとか「決めた」
ブラック「オレは・・・決めた。オレはあんたの言ってたアレを使う・・・!」
ブラックの返事にCマホはニヤリと笑いながら言う。
Cマホ「わかった。じゃあ、使い方は説明するわ。ーーーーー」
- 大切な思い出(前編)(その2) ( No.834 )
- 日時: 2020/09/23 19:52
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
エージェント「は!?最近プロキオンに会いにくる奴がいる!?」
一方、エージェント達が住む屋敷ではエージェントがサンソンからブラックのことを聞いて知った。サンソンは言う。
サクソン(サンソン)「そうです。プロキオン君も嫌がってはいないようですし、ですが・・・」
エージェント「?なんだ?」
サクソン(サンソン)「・・・これは彼らの前では言えないことですが・・・」
すると、サンソンは一緒に絵本を読んでいるプロキオンとアリシアとベリーを見る。そんなサンソンの雰囲気に気付いたのかエージェントは言う。
エージェント「もしかしてなんかこいつらの前では言えないような下ネタがあるのか?」
サクソン(サンソン)「誰もそんなこと言いませんよっ;」
すると、ドアを破壊されたような音がした。彼らが振り向くと、そこにはアレをCマホから入手した上でドアを破壊したブラックだ!
ブラック「オレはオレの目的を果たす。それだけだ」
アレク「あっ、キミ、昨日の・・・!」
サクソン(サンソン)「アレクも会ったんですか?」
フルシュ「それよりも見て下さい!この子はとてつもない怪力の持ち主です!」
アリシア「フルシュは黙ってて!!」
エージェント「つか、お前がサンソンの言ってた奴か!?」
エージェントの問いを無視してブラックはアレをプロキオンにかけた!それは見た目はよくある香水のようだ。
ベリー「プロキオン君!!」
ブラック「プロキオンが目を覚ましたらオレを思い出してこっちの方に行くだろうがな。こんな忌まわしいスパイの方から!!」
すると、ブラックはエージェントをかなりの威力で蹴る!エージェントはその蹴りの強さのあまりに気を失った・・・。
誰だ?お前は気付いたらオレの前にいた。それにオレがいたのは水場で下手したら溺れちまう。
プロキオン「ねえ。もしかして起きてる?」
お前はオレの前に遺伝子操作で完成され成功した第一号のーーーーー
プロキオン「よかった!やっと目を覚ましてくれた!先生、目を覚ました子がいたよー!」
遺伝子操作の成功例の第二号として目を覚ましたオレはお前に引きずられて先生と呼ばれた人のところに行く。そこには白衣の姿をした男がいた。
プロキオン「ヴァイス先生、ボクの前にやっと目を覚ました子がいたよー!」
ヴァイス「ああ、それはよかった。はじめまして、自分の名前はわかるね?」
オレはヴァイス先生と呼ばれた男の問いにうなずく。ヴァイス先生は言う。
ヴァイス「それはよかった。慌てることはない、確かにここは非道な研究者達が多いが、私はキミ達の味方だよ。よろしく、ブラック」
ブラックと呼ばれたオレはまず最初の試みが行われ、プロキオンとともに過酷なある実験に耐えてきた。でも、別に辛くはなかった。ヴァイス先生やプロキオンが味方でいてくれたから。ヴァイス先生は優しい。時には絵本を読んだり、秘密の部屋に入らせてくれたりした。
しかし、そのような穏やかな日々は長く続かなかった。それを知らなかったオレとプロキオンはいつも通りにヴァイス先生のところに向かったが・・・
プロキオン「ヴァイス先生、絵本読んでー!」
ブラック「?いないな。ヴァイス先生、仕事かな・・・」
オレ達はヴァイス先生を別の研究室に探しに向かったが、そこにはたくさんの研究者達がいた。
ブラック「おい。ヴァイス先生はいないか?」
研究者A「ああ、ヴァイスなら・・・」
研究者A「逃げたよ」
プロキオン「えっ・・・?」
研究者B「ヴァイスはなんでもキミ達のサーヴァントのマスター実験に反対意見が出たらしくて、それで追放しようとしたら勝手に逃げたんだ。未来のマスター候補にあいつのような人間らしい研究者は必要ない」
ブラック「未来の・・・マスター・・・?」
それからオレとプロキオンの地獄の日々は始まった。ある時はずけなく扱われたり暴言を浴びせられたり恐怖を感じ取られたりしていた。そのような日々の中でもプロキオンは言う。
プロキオン「みんなヴァイス先生のこと誤解してるだけだよ。だから、大丈夫だよ・・・」
プロキオンはいつもオレを励ましてくれた。オレが泣いた時は一緒に寄り添ってくれた。でも・・・
研究者C「もうプロキオンからデータは取れないな」
研究者D「お払い箱ってことか・・・」
研究者達はそう噂していた。そしてオレはその中の研究者からある事実を告げられた。
研究者E「プロキオンの記憶を消して彼はとある夫婦の家に引き取ってもらう」
ーーーーー今なんて言った?プロキオンの、今までの記憶を消す?オレとの出来事を消すだと?いやだ!!プロキオンは渡さない!!記憶を消しさせない!!
オレはその後にずっと泣いていた。
ブラック「なんでだよ・・・!なんで・・・!」
すると、とある声があった。プロキオンだ。
プロキオン「ブラック」
ブラック「!プロキオン・・・」
プロキオン「大丈夫、ブラックならできる。それに、ほら」
すると、オレはプロキオンに何かを首にかけられた。木製のネックレスだ。
プロキオン「はい、木製のネックレス!木製のネックレスは地味だけど、未来への希望も含まれてるんだよ!ヴァイス先生が出る前の時に教えてもらったんだ!」
ブラック「・・・プロキオン・・・!!」
オレはさらに泣いた。そしてその後に決意した。絶対に未来のマスター候補としてサーヴァントを召喚してやる。プロキオンに、もう一度会うために・・・。
そこでエージェントは涙を流しながら目を覚ました。今までの組織でのブラックとプロキオンの出来事は全て夢だったが、同時に彼らの過去の出来事でもあった。
サクソン(サンソン)「気が付きましたか」
エージェント「!サンソン!あの子供は!?」
サクソン(サンソン)「逃げられました。ですが、あの子は・・・ブラック君はプロキオン君に使ってはならないものを使ってしまったんです」
すると、サンソンはブラックがプロキオンにかけたあの香水のことを説明する。
サクソン(サンソン)「記憶の香水。一見は攻撃性はないですが、かけられたら忘れていい記憶も思い出させてしまうものなんですよ。ブラック君があの香水をどうやって手に入れたのかはわかりませんが、おそらくは誰かから譲り受けたものだったのでしょう。記憶の香水の入手経路は容易ではないですから。しかしながら記憶の香水の効果をなくすことはできます。その方法を今から探しに行きますが・・・」
プロキオン「いいよサンソンさん」
すると、隣にいたエージェントはプロキオンの雰囲気が変わっていることに気づく。
プロキオン「ボク・・・なんで忘れてたんだろう。そんな大事なことを今までずっと忘れていたなんて」
エージェント「プロキオン・・・?」
プロキオン「みなさん、今までよくしてくれたのにごめんなさい。ですが、ボクは・・・ブラックのそばにいるために行きます!」
すると、プロキオンがニャオニクスのルトとサリーを置いて屋敷を出て行ってしまう!
エージェント「プロキオン・・・!!」
一方、BVLの屋敷では彼女達は夕飯の前に一緒に食べるためにブラックとデオンの帰りを待っていた。
アイレーン「ブラックとデオン、遅いのだ〜」
ハンドレッコ「マスター、しょうがないけど今は待とうよ」
すると、インターホンが鳴っていたことをペイペインが気付く。
ペイペイン「はい。二人とも、おかえりなさいませ・・・」
すると、ペイペインはブラックの隣にいるプロキオンに気付く。
ペイペイン「あなた、ブラックのどなたですか?」
プロキオン「ボクは・・・ブラックの友達です」
後編に続く・・・!
感想OK