二次創作小説(紙ほか)

Re: 京チョコ(黒魔女さんが通る!!) ( No.101 )
日時: 2017/01/21 00:46
名前: 奈未 (ID: uqFYpi30)

《今日、違う瞬間》 
※短編京チョコで、本家風です。





「お姉ちゃん。」
桃花ちゃんが不意に話しかけてきた。
「お姉ちゃんってどっちが好きなんですか?」
…へ?
「だから、麻倉くんと東海寺くんのどっちが好きなんですか?」
???
…って、ええ! なに、急に!
「急にじゃありませんよ。
 今までも聞いたことあるじゃないですか。」
いや、それはそうだけど…なにもここでいうことないじゃない。
 そう、今は桃花ちゃん、大形くんと学校に向かってる途中。
最初のときは普通に話してたんだけどな……。
大形くんはいつも通りぬいぐるみとお喋りしてて「だねぇ。」とか聞こえてきてたんだけど、急に桃花ちゃんがまるで他人事みたいにかる〜く聞いてきて。
「お姉ちゃん、説明は良いですから本心はどっちなんですか!」
そんなこと言われてもなぁ……。
実際あたしはどっちにも興味無いし。
「そんなことをずっと言ってたらお姉ちゃん、『二頭追うものは、一頭も得ず』に、なっちゃいますよ!」
はぁ?
あたしの事も聞かずに桃花ちゃんはどんどん話を進めてって、
「麻倉くんは、ヤクザの卵だから一見ガラは悪そうでも守ってくれそうな感じがしますよね〜。」
とか、
「東海寺くんは、いくら霊能力が小さくても勇気は誰よりも強いですし、選べませんよね〜」
などをずっと、女子のように話していて。
全く、女子の心は分からん!ってあたしも女子か。
「それにしても黒鳥さんは、本当に女子力って無いよねぇ。」
なっ! 口をやっと開いたかと思えば、一言目がそれかぁ!
でも大形くん、さっきに比べて全然しゃべらなくなってるような気がする……。それに、なんかちょっとムスッとしてない?
ちょっとはしゃぎすぎて怒ってるのかな?
とか考えながらじっーと大形くんの方見てたら勘違いされかれないよね。
なーんて考えてたらあっという間に学校へ到着!
「あっ、それじゃあ、お兄ちゃんとお姉ちゃん、また放課後に!」
「はーい、ばいばーい。」
そして桃花ちゃんとわかれて大形くんと一緒に五年一組の教室に向かっていると、大形くんが声をかけてきた。
「黒鳥さんって、ああいう話は好きじゃないのかねぇ。」
当たり前です。そんな話よりあたしはオカルト本を読んでいた方がずーっと楽しいですから。
「でもそのままだと、女子力は上がらないよねぇ。」
余計なお世話ですっ!
というか大形くん、今日は朝からなんか女子力、女子力ばっかり言ってるよね。
「チョコってぇ、本当に女子力無いもんねぇ。」
ってうわぁっ!メ、メグ!
いつの間にか教室についてたのか。
それにしてもいきなり横入りしてくるなんて…ああ、ビックリしたぁ。
「それはチョコが悪いんだよぉ。
あんな大声で『余計なお世話ですっ!』なんて叫んでたら聞こえてくるに決まってるよぉ。」
あ、あたしそこまで大きな声出してないとおもんですけど。
「大きかったねぇ。」
大形くんまで!
あたしはそんなに大きな声じゃありませーん!
「チョコぉ、それがうるさいんだよぉ!」
あ、ごめんなさい。





「よーし!これで授業は終了だ!
みんな、気を付けて帰るんだぞ!」
松岡先生、あたしたちは別に一年生じゃないんですから、そんなことまで言わなくて結構です。
 それで大形くんと一緒に校門のところまで来たところでは、もう桃花ちゃんが待っていて。
…待っているというよりなんかそわそわしてる感じだけど。
その時、あたしたちに気づいた桃花は
こっちに走ってきて、
「お姉ちゃん!ちょっと今日はお兄ちゃんのこと任せても良いですか!」
え、別に良いけど、どうかしたの?
「あたし、草太郎くんと帰る約束しちゃって。」
ああ、そういうことですか。
どうぞどうぞ、行ってください。
そしたら桃花ちゃんの顔が、パアッと笑顔になって、
「それではお姉ちゃん!
よろしくお願いします!」
あらら、桃花ちゃん。
そういった途端、駆け出していっちゃったよ。
ま、良いか。

そして二人で帰っていくのは良いものの……。
無言です。さっきから一言も会話がありません。
こう見れば、桃花ちゃんって結構いつも喋ってる…。
「黒鳥さん、だねぇ。」
は、はい!あたしが今考えてるときに割り込まれると、かなーり、ビックリ…って、今日の朝と同じです。
「ごめん、だねぇ。続けて良いねぇ。」
いえ、結構です。
それで?大形くん。なにか用?
「いや、黒鳥さんはぼくのことどう思ってるんだねぇ。」
へ?
「気になるよねぇ。」
???
…って、ええ!
「黒鳥さん、驚くなら朝と違う驚きかたのほうが良いよねぇ。」
そんなことはどうでも良いんです!
…でも急に何よ?
「別になんでもないよねぇ。」
「ただ、このまま無言なのをやめたかっただけだもんねぇ。」
は、はぁ。
でも急にそんなこと言われてもなぁ。
第一、大形くんはあたしのことどう思ってるのよ。
「そ、それはねぇ……。」
ほうら、答えられないでしょ。
「…そんなことは無いねぇ。」
え? 答えられるの?
そうしたら大形くん、今日はぬいぐるみだけ、コクリ。
やっぱりなんかいつもと違うような。
         、、
いつもだったら、 一人 でうなずくのに。
「…うーん、だねぇ。」
あ、それで? 大形くんは、あたしのことどう思ってるのよ。
「それはだねぇ……。」
なんか思わせ振りな態度……。





「黒鳥さんのことは、
 『好き』だよねぇ。」






???
ん? 好きってなに?
なんかそこ、強調したけど。
あたし三秒くらい意味が理解できませんでした。




【終わり】

※タイトルの意味はただのダジャレです。
京、違う瞬間。
やっぱり短編は苦手です。
ワケワカメです。