二次創作小説(紙ほか)

Re: 京チョコ(黒魔女さんが通る!!) ( No.125 )
日時: 2017/02/15 20:04
名前: 奈未 (ID: uWCnjyP1)

1 黒魔女さん、呼び出される
【大形くんside】
















『パパ、ママ、その指どうしたの。』
『ああ、これか。会社でドアを開けようとしたとき挟んでしまってな。』
『ママはお料理するとき、切っちゃったのよ。』
『え、そんな……。』
『大丈夫よ。ケガもひどくないし、ママは痛くないから。』

─そうじゃない

『パパもこれくらいなんでもないさ。』

─そうじゃなくて

『もう遅いわ。今ここで修行をやめたら、ご両親がどうなることか。』

─そうだ。やっぱりパパとママの指のケガは、暗御留燃阿がやったんだ。
あの、呪いの人形のせいで。
暗御留燃阿が憎い。パパとママにケガをさせた、あの暗御留燃阿が。
ぼくが、いつかあいつを倒してやる。
こんなことをする魔界を乗っ取ってやる……。




















???「…ん、……ちゃん、お兄ちゃん!」



京「うわっ、だねぇ。
あ、桃の声だったねぇ。」


慌てて起き上がると、目に写ったのは見慣れた僕の部屋。
つまりさっきのは……夢か。






桃花「お兄ちゃん、何寝ぼけてるんですか。
もう朝ですよ!遅刻しちゃいますから早く支度してください!」




そういってせっせとドアの方に行った、ぼくの監視役をしている、桃花・ブロッサム。




桃花「ボーッとしていないで、さっさと着替えてください。あたしは先に降りてますから。」



京「わ、分かったねぇ。」



急かすように出ていく桃花を見送ると、ベットを出て服に着替える。


京「あ、これはこっちだったねぇ。」


一人言だと言うのに、いつも『ねぇ』という語尾が付いてくる。
別に本意で言っている訳じゃない。
このぬいぐるみのせいだ。




着替え終わり一階に降りると、机には朝ごはんがずらりと並んでいた。
言うほど喋る話題もなく、朝ごはんを食べ終わると、ランドセルを背負い、桃と一緒に外に出る。



京「行ってきます、だねぇ。」

桃花「行ってきまーす!」



ママ「二人とも気を付けて、行ってらっしゃーい!」



そういって外に出ると、学校に向かうのではなく、向かいの黒鳥さん家へ向かう。
ぼくたちがちょうど家の前についたとき、ちょうどドアが開いた。




チョコ「おはよー。桃花ちゃん、大形くん。」


桃花「お姉ちゃんおはようございます!」

大形くん「黒鳥さんおはようだねぇ。」





そうして黒鳥さんはこっちの方に来ると、桃が唐突に口を開いた。




桃花「そういえばお姉ちゃん。 もうすぐクリスマスですね!」

クリスマス。
まだ少し先だというのに、町はクリスマスムードだ。
なんでこんなに早く準備をするんだろうか。


チョコ「でも、それがどうかしたの?」

桃花「クリスマスといえば、お姉ちゃんの誕生日ですけど、 なにか予定でもあるんですか?」

チョコ「え?特に無いけど。」

桃花「え!してないんですか! …それじゃあ、ツリーは出してますか?」



そんな会話をしている、桃と黒鳥さんの話を聞きながら思った。
ツリーって、そんなに良いか?
クリスマスツリーと言えば、ただ縦に長くて上に星がついてるくらいだ。
それなら、まだクリスマスリースの方が良いような気がする。
無駄に場所をとるよりも、吊るすだけなのだから。
まぁあくまで、(気)だけだけど。



桃花「小さいのもあるじゃないですか! 誕生日なのに知らないって、おっくれてるぅ!」



チョコ「と、いってもあたしそういうの興味無いからなぁ。」


京「でも、今年のクリスマスは出しておいた方がいいかもしれないねぇ。」



そういうと、黒鳥さんはなんで?という顔をした。
本当に黒鳥さんは鈍感だ。
まぁ、そんなところが好きだったりするんだけどね。



京「だって今、ツリーの事知ったねぇ。 だったら、せっかくだし飾ってみた方が雰囲気が出るかもだねぇ。」



そういって少しごまかす。
さっきなぜか、ポロっと出てしまった言葉をごまかすために。

改めて言うと、ぼくは黒鳥さんをお后にしたい。
黒鳥さんと居れば、黒鳥さんを守ってくれる人は、ぼくも守ってくれる。
いつも、前には敵しか居なかったぼくを。
でも、黒鳥さんに怒られたときは、少し変な人だと思った。
ぼくが魔界を乗っ取っることは簡単だ。
そして后になれば、贅沢できるはずなんだから。

それでも断られた。
それが引っ掛かって、ぬいぐるみをはめられたあとも黒鳥さんを奪い合って揉める、麻倉と東海寺をウザく思いながら黒鳥さんをみていた。
次こそプロポーズしたときokしてもらえるよう。
そして見ているうちに色々事件は起きていたが、黒鳥さんは恐怖を恐れず立ち上がっていた。
そうするといつの間にか目が離されなくなっていて、この気持ちを『好きだ』と、決めつけたのだ。




チョコ「ー…。そういうことならありがたくいただきます。あ、いつの間にか、学校にもついてましたし。」

桃花「本当ですね。 ならまた後で、放課後に渡します!」


そう言って桃と分かれたあと、ぼくと黒鳥さんは教室へ向かっていった。
黒鳥さんが教室のドアを開けると、いきなり出っ歯のエロロースが出てきた。
…いや、出てきたというより飛ばされてきたという表現の方が正しいか。
多分、マリア・サンクチュアリ辺りに蹴り飛ばされたのだろう。
でも黒鳥さんは気に止めることもなく、すぐに一番前の自分の席に着いた。
ぼくはというと、
京「今のはなんだったんだろうねぇ。」
京(ぬいぐるみ)「きっと、蹴り飛ばされたんだねぇ。」
と、一人言をぬいぐるみと一緒に喋っている。
周りから見たら『不思議少年』というところだろう。
別に好きで言っているわけでは無いんだけどね。

キーン    カーン
    コーン   コーン


舞「みんな席座って! 起立!」


その号令と共に座り、すぐに立ったかと思うとまた座ってという行動をしている。
全く。でもこういうところが面白いからペットにしてみたいんだ。


…やはり、思いを行動にするのは早くした方が良いかもしれない。







続く。




☆ネタバレになるので、とある部分は完結後に書きます☆

主 90%くらいが説明になってしまいました。
…大形くん視点って難しいねぇ。