二次創作小説(紙ほか)

Re: 京チョコ(黒魔女さんが通る!!) ( No.9 )
日時: 2017/03/05 23:18
名前: 奈未 (ID: kdYqdI6v)

チョコ「ルギウゲ・ルギウゲ・ムオベーレ……。」



あたしはかなーり必死に逃げて、
木陰に隠れると小声でそう唱えた。
パッと光に包まれるような感覚と、氷のような冷たさの風が吹いたかと思うと
急になくなって目を開くと、見慣れた天井が目に入った。
しかも下はフカフカしてる感じだから、
あたしはどうも自分の部屋のベッド寝転がってるらしい。



ギュービッドと桃花ちゃんは大丈夫なのか、大形くんはあの後どうなったのか
とかなんとか色々考えてはいるんだけど、結局答えは見つかるはずもなく……。

ママ「あら、千代子。もう食べなくていいの?」

チョコ「あ、うん。ごちそうさま。」


考えすぎて食欲も沸かないんだよ。
だから晩ごはんもちゃんと食べられずに、自分の部屋へ戻るとなんだか空気が軽く感じた。


ああそうか。ギュービットがいない……。
ただそれだけなのに、どうしてこんなに不安になるのかな……。


チョコ「ギュービットさま……。」





    次の日

チョコ「いってきまーす。」



ママ「あら、もう行くの?
 いってらっしゃーい。」



久しぶりに一人っきりだったからなんか寝れなくて、結局寝不足。
今までは遅くまでドリルをやらされた後に、やっと寝れるような感じだったから疲れてないあたしにはとてもじゃないけど、寝れないわけで。
玄関のドアを開けて外に出ると、いつも挨拶をしてくる二人も居なかった。

今日大形くんは休みで、桃ちゃんからなにか聞いてないかって
谷やん…じゃなくて、谷口先生から聞かれたから多分連絡がなかったのかな。
それにしても変なのは、大形くんのママ。
息子と娘が居ないっていうのに、いつものように暮らしていたんだよ。
もしかしたらこれも、大形くんのしわざなのかな?



チョコ「…あー、もう!
考えていたら、キリがないよっ!」

─────シーン…。

あ……。



わ、忘れてた……。
ここは周りの柵と学校の狭い間、つまり裏側。
こんなところに居るのがバレたら、絶対怒られるよ…って、もうバレてるかも。

あ。なんでこんなところにいるか、軽くまとめると……。

一、授業が終わるとあたしは学校の裏へ行った。
二、それは、こっそり持ってきていたゴスロリに着替えるため。
三、そして、ギュービットと桃花ちゃんが昨日いたところに瞬間移動魔法で行く!

という作戦。…よし、着替えられた。
なににせよ急いでたからね。トイレで着替えるって言う発想がどっかにいってて、結局ここで着替えるはめになったんだよ。



チョコ「(…それじゃあ、もう一度魔界へ行こう……!」





チョコ「ルギウゲ・ルギウゲ・ムオベーレ……!」



3回目となると少しは慣れたけど、いつものように
白い光に包まれるような感覚と氷のような冷たい風がほっぺに吹き付けたあと、着いた先は……。


チョコ「あ、あれ。ここって昨日、大形くんがいた場所……。
着いたんだ!」




よしっ!
とりあえず、ここまでは作戦通りです!


チョコ「…ん?って、う、うわぁ!
…いっつう…腰うった……。」

これまた、派手に転んでしまいました……。
というかなんで転んだんだろ。
あれ? なんか、ころころとあたしのほうに転がってくる……?


それを手にとって持ってみたら、赤い色の丸っこい棒上に、白いふにゃっとした物があった。


チョコ「…あれ?
これってもしかして…だ、ダイナマイト!」


間違いないです。
これはいつも桃花ちゃんが、ポケットに入れているダイナマイトです。
どうしてこんなところに、転がっているのかな?
なーんて考えていると────



 ザクッ 
      ザクッ




え、何この音?足音かな?
って足音ってヤバイよ! 木の精、じゃなくて、気のせいかもしれないけど、近づいてくるような……!



???「黒鳥さん?だねぇ。」



チョコ「え? だ、誰!」



大形くん「僕だねぇ。」



チョコ「……大形くん!?」

そこに立っている子は
ふんわりとカールした前髪の下から、まるで少女漫画のようなきな目をしている男の子。
そして左手には、リスのぬいぐるみを付けている、ふわっとしている少年。

大形くんをみると、心臓がドキドキと鳴っている。
昨日の大形くんとは違って、いつもの大形くん。
でも、昨日のことがあるから、ちょっと怖い……。


大形くん「安心して、だねぇ。
ぼくはもうなにもしないねぇ。」


う…信用なりません。
でも、そんなことを考えるより、言葉が先に出ていた。


チョコ「ギュービットさまと、桃花ちゃんはどこにいるの!」



大形くん「分からないねぇ。
ぼくが黒鳥さん追っかけていて、帰ってきたら
いつの間にか二人は居なくなってたんだねぇ。」




居なくなってた!?
…それよりもあたしを追っかけてたらって、どういうことよ?



大形くん「心配だったからだねぇ。」



は?心配?意味がよく分からん……。
だって、昨日大形くんがなんか怖そうな雰囲気を出してたから、
あたしはギュービッドさまに言われて逃げたんだよね。
なんで大形くんは、そんなあたしを追いかける必要があったわけ?

それに、どうして心配だからって追いかけたのよ?





そうすると、大形くんは少し黙りこみ…いやかなり黙りこんで、こう言った。









大形くん「黒鳥さんが『好き』だからかねぇ。」















     ……へ?








★追記
六話を飛ばして先に七話を編集させていただきました。
今回は少し…いや、ほぼ敬語だったのでそこを直しましたよー。