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【プロローグ/prologue】

＿＿＿ドッペルゲンガーが現れるんだって。
何時しか、囁かれる様になったお伽噺。

ドッペルゲンガー。
...ドイツ語だったかな。『二重の歩く者』とか、そういう
意味合いを持つ言葉だ。
かの有名な芥川龍之介や、リンカーンが見たとも言われている。

「......ドッペルゲンガー..ねぇ」

無駄に分厚い本を閉じて、空を仰ぐ様に天井を見る。
天井はボヤける程に高い。
声の主は満足気にクククと笑って、もう一度本に目を通し始める。

「んまぁ、俺達も有名になった...そう捉えるか」

とある青年は、ポツリとそう呟いた。