二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方奇妙譚 ( No.130 )
- 日時: 2017/11/19 22:11
- 名前: 彩都 (ID: GbhM/jTP)
「…………」
数分が過ぎ、自分は吉田晦冥を叩き起こす。
「おい、起きろ」
「ふにゃ? ……ん、此処は?」
「お前、俺を襲ったろ? 『あの人』の発言で」
「ん? ……あぁ、そう言う事か、理解した。んで、お前は『あの人』の事が気になるのか?」
「えっ? あぁ……」
そりゃそうだ、そう思っていると吉田晦冥はとんでもない事を言う。
「まぁ、そりゃそうだろうなぁ。だってお前と『あの人』は『切っても切れない関係』だからな。流石『兄弟』と言った所だ」
「は……はい? もっかい言って? 俺と『あの人』が兄弟って?」
「ん? そうだが? 知らないのか?」
吉田晦冥の発言を受け、自分は驚愕してしまう。ど、どういう事だよ……? 『実の兄弟が俺を殺害しよう』と……? 何だよそれ? どういう事だよ!? 自分がそう思っていると、急に吉田晦冥の顔が悪くなる。
「お、おい!? どうしたんだよ!? 『あの人』の事をもっと話せ!」
「む、無理だ……今迄我慢していたが、あの頭に鉄球を乗せた人の蹴りが骨を折って、その骨が内臓に刺さって……」
「鉄球じゃなくて、月なんだけどなぁ……」
ヘカーティアが訂正するが、今する事かよ? と思う。って、そうじゃない! 早く治療しなければ……! 自分はそう思うが、段々と吉田晦冥は顔色を悪くし、最後は──自分は静かに咲夜を呼ぶ。
「おぅい、咲夜ぁ?」
「はい、どうかしたの輪廻?」
「コイツ、処理しちゃって? あぁ、内臓は怪我しているらしいから内蔵の処理もしておいて?」
「分かったわ」
自分は咲夜に吉田晦冥を渡して、静かにその場で跪(ひざまず)き、頭を垂れる──まさか自分の兄弟が自分を殺そうとしているだなんて……誰が思うか? 自分はそう思いながら壁に持たれる──
第二十二章 スリップ・トリップ・ガール 完
第二十三章に続く──