二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方奇妙譚 ( No.2 )
日時: 2017/02/19 23:09
名前: 彩都 (ID: lBubOowT)  

「ねぇ、ちょっと」
 自分が賽銭箱の上で座って考えていると紅白の少女が御幣を自分に向けて声を出した、一体何なんだろう? と自分は少女に声を出す。
「一体何なんだ? 自分は休憩しているだけだが?」
「いや、其処は賽銭箱よ、座る場所では無い。アンタ、お金あるの? お金がある人は其処の賽銭箱に入れて? 入れないのなら早く出て行って?」
 自分は紅白の少女にそう言われて、少し困る。お金等ある筈も無いのに。
「生憎お金は無い、というより自分は何時の間にかこの世界に来ていたんだが? 逆に言えば自分は被害者だと思うぜ?」
「あら? 貴方現実から『幻想行き』されたの? まぁ、そんな身なりだしねぇ……ってアンタ二の腕がやられてるじゃない、どうしたの?」
 紅白の少女が自分の上着で巻いた二の腕の事に気が付いた、彼女は自宅と思われる場所に行き、自分の目の前に戻って来た、その手には救急箱があった。
「ほら、手当てしてあげるから、今度からお金を持ってきてこの博礼神社に来てね?」
「……博礼神社? 聞いた事も無いな、まさかお前が言った『幻想行き』ってのに関係しているかも知れんな」
「えっ? 此処の神社名も知らないの? と言う事は『幻想卿』ってのも分からないかも──」
 彼女が手当てをしながら顎に手を当てる、自分は包帯の締め付けに少し息苦しくなった。彼女の口から聞こえた『博礼神社』と『幻想卿』、自分はどうして此処に着たのか、記憶を失う前の自分に聞いてみたかった──