二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方奇妙譚 ( No.66 )
日時: 2017/06/18 21:53
名前: 彩都 (ID: ???)  

「ふむ、美味しかったぁ」
 自分はそう言って、左手で腹部を触る、そして地べたに寝転がっている少女を見つめる。
「で、何で俺を襲ったのか?」
「そんなの簡単じゃない、『あの人』の為」
「……『あの人』かぁ。えーと、聞くけど、今此処で死ぬか、『あの人』の場所に戻るか、どっちがいい?」
 自分がそう言うと、少女は大声で、『あの人!』と叫ぶ、まぁ、そりゃそうだろな、と思いながら他に聞く。
「で、君の名前は?」
「ん? 私の名前か、私の名前は花椿安寿(はなつばき あんじゅ)だ」
 少女こと、花椿安寿はそう言って名を名乗る。自分は花椿安寿の縄を解き、『あの人』の元へと帰らせる。

「さてぇ、レミリィ? 君が運命を操った所為で俺に被害が現れたんだけど?」
 自分はそう言って、右手を見せる、するとレミリィは顔を横にして自分に言う。
「だ、だって……『運命を操る』能力は『幸運か不運か、どっちに転ぶか分からない』能力だし……」
「は、はぁ? 何それ? じゃあ逆に言うけど、自分は右手を失ったから『不運』だよなぁ!?」
「ひぃっ! ゴメンなさい! 不運になるなんて思っていなかったから……」
 頭を垂れるレミリィを見て、自分は深い深い溜息を吐く。まぁ、コイツらに被害が出なかっただけまだマシ、と考えるか……自分は心の中でそう呟いてから、鼻で息を漏らす。
 全く……レミリィの能力で、自分の『不運』はまだまだ続きそうだなぁ……そう思いながら自分は頭を掻く──まだまだ自分は蒼魔館に滞在しそうだ──

 第十章 破壊と破壊 完

 第十一章に続く……