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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方奇妙譚 ( No.92 )
- 日時: 2017/08/27 21:35
- 名前: 彩都 (ID: ET0e/DSO)
「何で逃げているんですか? 私はイライラしているのですよ、貴方との関係がね!」
少女はそう言ってもう一度爪を伸ばす。自分は『スタンド』で少女の爪を殴って壊す。だが少女は口の端を上げて笑う。
「アハハッ! 馬鹿ですかぁ!? 『折ったら鋭利になります』よぉっ!?」
「あっ! しまった!」
少女の言葉を聞いて納得してしまう自分。いやぁ、やってしまったな。そう思うのと同時にもう一度同じ部分に爪が刺さる。
「うっ……」
爪に引っ掻かれるのと同様に、爪は凶器となるのだ。痒い所を掻き毟れば、痒い所の皮が捲れる。捲れば捲れる程に患部になっていく。引っ掻かれはしないものの、『刺されて』いるのだ。引っ掻かれるより、とても痛いのだ。
「さぁ、さっさと逝って?」
「い、逝く訳無いだろ……!? 俺は記憶を取り戻さないといけないんだ!」
自分がそう言うと、唖然とした表情で少女は自分を見つめ、そして発言する。
「えっ……!? まさか『あの記憶』さえも消えたの……! でも、それはそれで好都合かもしれない。一つだけ言っておくわ、周理輪廻。『貴方の記憶を消したのは『あの人』』自身なのよ? それも忘れてよく呑気に生きているわねぇ!」
少女の爪が伸び、自分の左手を刺していく。えっ? どういう事だ? 『あの人』が俺の記憶を!? 一体俺と『あの人』の関係って何なんだよ!? 自分はそう思いながら左手に刺さる痛みに溺れていく──
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