二次創作小説(紙ほか)
- Re: ポケモン不思議のダンジョン〜光と闇の物語〜[リメイクver] ( No.3 )
- 日時: 2017/03/14 18:12
- 名前: サンセットドラム (ID: eqvLcwt4)
chapter-1 嵐の海で
ーーこれは、1人の少年とその仲間達がおりなす、光と闇をめぐる壮大な探検物語である。
第1話 嵐の海で
ある春の日の夜。その日は、随分と空が荒れた一日だった。
夜空には漆黒の雲が渦巻き、轟音と共に大量の光と雨の矢を広大な海に放っている。突風で、暗い空を映した海は荒れ狂っていた。
そんな夜の海の中。二人の人間と一匹のポケモンが流されていた。二人の人間のうちの一人は気を失っており、ポケモンに抱きかかえられている。気を失っていない方は、波に流されてはぐれないよう、ポケモンの片手をしっかりと握っていた。
「・・・・うおっ!」
気を失っていない方の人間が大波に呑まれ、手を離しそうになる。
「・・・・だ、大丈夫か?」
ポケモンは離れかけた手を再びギュッと握った。
「もう少し・・・。なんとか頑張るんだ!」
今にも気絶しそうな人間に、ポケモンは必死に声をかける。しかし、そろそろ体力の限界だ。
「ダ、ダメだ・・・。こ、このままだと・・・。」
消え入りそうな声で人間は弱音を吐いた。手を握る力がどんどん弱くなっていく。ポケモンは、さっきより強い力で手を握った。しかし、力を込めれば込める程、意識は遠のいていく。その時ーー
「ん・・・・あれは・・・。」
頭上で何者かの黒い影が舞った。ポケモンが空を見上げると、
「な・・・あいつ!ここまで追いかけて・・・!」
ポケモンは少しでも黒い影から離れようと、水中で足を必死に動かした。しかし、この大荒れの海の中、人間一人を抱えてもう一人の人間と共に自由に動くだなんて、ほぼ不可能だ。
そんなポケモン達に狙いを定め、黒い影は闇のオーラを纏ったエネルギー弾を発射した。それと同時に雷鳴が轟き、目が眩むような閃光が眼前に走る。
「うわああああああっ!!!」
二人の人間と一匹のポケモンは、黒く広大な海の中をバラバラに流されていった。