二次創作小説(紙ほか)

Re: ポケモン不思議のダンジョン〜光と闇の物語〜[リメイクver] ( No.10 )
日時: 2017/03/15 22:40
名前: サンセットドラム (ID: 16oPA8.M)

第2話 穏やかな海岸で


・・・。

・・・・。

・・・・・。

・・・・・・・・。

静かな波の音。穏やかな風。温かな光に照らされて、オレはゆっくりと目を開けた。目にどこまでも広がる、青く綺麗な大空が映る。

「うう・・・・・。」

ガンガンする頭を片手で抑えながら、オレは上半身を起こした。そして、辺りを見回したオレは唖然としてしまった。

「・・は・・・・?」

キラキラと輝く海。日光に照らされて温まった、フカフカの砂浜が広がっている。頭上の空では、ペリカンのような鳥が数羽固まって飛んでいた。

「ここ・・・どこだよ・・・。」

少し大きめの声で呟いてみる。しかし、当たり前だが返事は返ってこない。返ってくるものといったら、波の音と空を飛んでいる鳥の鳴き声くらいだ。オレは肩を落とし、溜め息をついた。

それにしても、ここはどこなのだろうか。こんなところ、見たことも聞いたこともない。自分は何故ここで倒れていたのだろうか。どうやってここにたどり着いたのだろうか。

とりあえず、目をつぶって記憶をたどってみる。思い出せ、思い出せ。

しかし、思い出そうとすればするほど記憶はぼやけていく。気のせいだろうか。視界もぼやけていく。砂浜も海も、白いもやに覆われていった。体もふわふわとしてきた。

「う・・・・・・。」

もう、ダメだ。今度は視界がどんどん暗くなっていった。体が何かに吸い込まれていくような、気持ち悪くて変な感じが全身を襲う。五感も狂ってしまったのだろうか。荒れていないはずの海から、荒波の音と、雷のような迫力ある低音が聞こえてくる。意識が、途切れていく・・・・・。





嵐の後の穏やかな海岸で、オレは再び気を失った。