二次創作小説(紙ほか)
- Re: ポケモン不思議のダンジョン〜光と闇の物語〜[リメイクver] ( No.14 )
- 日時: 2017/07/08 20:30
- 名前: サンセットドラム (ID: eqvLcwt4)
第4話 夕日の沈む海岸で
*
海岸へ向かった少年の姿が見えなくなった頃、2匹のポケモンがトーテムポールの陰から顔を出した。
「おい、ズバット。今の見たかよ。」
紫色のボールのような形をし、所々体に空いている穴からガスを噴出しているポケモンは、ズバットと呼ばれた隣の目のないこうもりポケモンに声をかけた。
「ああ。もちろんだぜ、ドガース。」
ズバットはウインクする代わりに片耳をパタッと折った。
「さっきウロウロしてたヤツ・・・。アイツなんか持ってたよな?」
「ああ。ありゃあきっとお宝かなんかだぜ。」
2匹はさっきまで少年が居た所を見つめると、互いに顔を合わせてニヤッとした。
「狙うか。」
「おう。」
2匹は気配を絶ちながら少年の後を追った。
*
「わぁ〜!すごーい!!」
海岸に着いたボクは、思わず感嘆の声をあげた。
ボクは砂浜に手を着いて座ると、目に映る夕景をじっくりと味わった。
最近知ったのだが、ここは天気が良いといつもクラブという蟹ポケモン達が夕方に泡を吹く。夕日の海にたくさんの泡が重なって、いつ見ても本当に綺麗なのだ。
ボクはゆっくりと沈んでいく太陽の光を体全体に受けながら、安堵のため息をついた。
「・・・・・・・・・・・・・。」
ボク、落ち込んだ時は決まってここに来るんだけど・・・今日も来てみて良かった。ここに来ると、いつも元気が出てくる。
「・・・・・・・・・・・・・。」
ボクはまたもや「遺跡の欠片」を取り出し、なんとなく夕日にかざしてみた。
・・・実は、この「遺跡の欠片」を拾ったのはこの海岸なのだ。大嵐でどこからか流されてこの海岸にたどり着いたところをボクが見つけて・・・・そう、確か今ボクが居る場所から左へ進んだ、洞窟の近くの微妙な大きさの岩の近くに落ちていたんだ。
「また何か落ちてないかな?」
そういえば昨日の夜も大嵐だった。宝島の地図が入ったビンとかそういった物が流れ着いているかもしれない。想像するとわくわくしてきた。
ボクは勢い良く立ち上がり、あの岩へ走り出そうとした。しかし、視界に洞窟とあの岩が入ると同時に、岩の近くに「何か」が落ちているのに気がついた。
「・・・・なにあれ。」
ボクは、目を凝らしながら恐る恐る「何か」に近づいた。結構大きめの「何か」は、まるで息をするかのようにゆっくりと上下に動いていた。少なくともビンではなさそうだ。
・・・・・いや、待って。
「あれ・・・生き物だよね・・・?」
しかも、見た感じポケモンではなく人間。人間が海岸で倒れているということは・・・・。
ボクは若干砂浜に足をとられながら、慌てて走り出した。