二次創作小説(紙ほか)

Re: 【文スト】夢から醒める ( No.11 )
日時: 2017/05/09 17:18
名前: 哀歌 (ID: eH6OJcrU)


太宰の言葉は俺の喉を締めるように苦しめる。
一つ一つに毒がある言葉は、恐ろしく、どこか甘いような気がした。

「可哀想な中也。君は心が綺麗すぎるんだよ、それこそ__________」

そこで言いかけて、太宰は止める。
そして俺にゆっくりと近づき、オレに抱きついてきた。
太宰の甘い香りが、充満する。
それにまた吐き気を覚えたが、出てくるのは胃液ばかりで一向に苦しみがとれない。
それに気づいたのか、太宰は俺の口の中に指を入れ、喉の奥までゆっくりと通す。

「私が守ってあげる。ほら、吐いて」
「うぐっ」

次の瞬間、喉の奥をいきなり掻き回され、太宰の指と伴に吐き出してしまった。
ゲホッゲホッと肩で大きく息を吸いながら、俺は楽しそうに笑みを浮かべる太宰を睨んだ。

「死ね、糞太宰」
「酷い言われようだね。私は中也が大好きだよ」

へらへらと半笑いを浮かべる太宰についカッとなってしまう。
此奴、頭が可笑しい。
俺は思わずそう思って、太宰にその熱をぶつけるように毒気のついた言葉を吐いた。

「テメェなんか大嫌いだ」