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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【文スト】夢から醒める ( No.9 )
- 日時: 2017/05/07 16:49
- 名前: 哀歌 (ID: eH6OJcrU)
「これから二人は“相棒“だよ」
ニッコリと微笑むのは森鴎外。
その横で愛しそうなものを見る目でこちらを見つめる尾崎紅葉。
そして俺は目の前にいる美しい少年、太宰治と相棒になることになった。
「よろしく、中也」
「こちらこそ、よろしく」
たどたどしくもこちらに差し伸べられた手をとる。
そこで俺は異能力を使おうとするが、手に力が入らず発動しない。
これが太宰の異能力“人間失格“。
「私の前では異能力は使えないよ。君のその暴走する異能力を抑えてあげよう」
妖艶な笑みを浮かべる太宰は、どことなく森鴎外と似ている。育ての親だからだろうか。
暴走とは“汚濁“のこと。
幼い俺はまだ異能力を使いこなすことができず、ふいに暴走してしまうことがある。
このポートマフィアを木端微塵にする所まで破壊したこともあった。
その時はいつも姐さんが止めに入り、俺を気絶するまで抑え込む。要するに半殺しだ。
そう迄しないと俺の異能力は止められない、止まらない。何せ死ぬまで暴走し続けるのだから。
使い方によっては強力ではあるが、無能でもあるこの能力を生かすために、太宰と俺は相棒を組まされた。
「……俺は、お前のように頭は良くない。ただ少し体術が優れているだけで、足で纏で、約立たずかもしれない……それでも、いいのか?」
ふいに問いかける。
俺は怖かった。捨てられてしまうことが。
だが、それでも彼奴は__________
「私を信じて、中也」
握られた手から体温が伝う。
暖かい、白くて角張った大きな手。
太宰の熱が、俺の熱が、お互いに絡み合って離れない。
嗚呼、どうしようか。どうすればいいんだろうか。
俺は__________
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