二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方創破録 ( No.5 )
日時: 2017/05/07 21:29
名前: 孤独人 ◆ynfKNAqpLQ (ID: gpqWiMbZ)

〜謎の場所〜

?「・・・お・・・い・・・・・」

どこか遠くから声が聞こえてくる。

翔「・・・」

?「お・・・い。おい」

翔「ん・・・」

声をたよりに目をあけると、そこは真っ白な世界だった。
現実ではありえない世界・・・そう考えて、翔はさっきのことを思いだした。

翔「そっか・・・俺・・・」

自分は、死んだのだ。パチュリーと名乗る少女の手によって。
・・・しかし、さっき受けた胸の傷が消えている。
やはり、ここはあの世なのだろうか?

?「おい、何をぼーっとしておるんだ」

さっきの声がまた聞こえた。
声が聞こえた方向に向くと、そこには二人の少女がいた。
灰色で長い髪の活発そうな少女と、少し遠くに背を向けて座っている金髪の小さな少女。
おそらく今の声は灰色の髪の少女だろう。

?「しっかしお前も不運じゃの〜。【私】を取り込む前に殺られてしまうとは」

予想通り、話しかけてきていたのは灰色の少女だった。
しかし、今【私】を取り込むと言っていたということは・・・

翔「【私】・・・ということは」

龍神「その通り、私が龍神様だ」

翔「ほぇー、あんたが龍神様ねぇ・・・で、あっちの子は?」

龍神「なんじゃその反応は・・・まぁよい。彼奴は今回の異変の黒幕・・・」

龍神がそう言った途端、座っていた金髪の少女の背中が震えた。
その後、少女はその体勢のまま小さな声で喋りはじめた。

??「やめてよ・・・また嫌われちゃう」

龍神「ぬ?珍しいな、お主が自分で喋るとは」

龍神の言葉を無視して、少女は喋りはじめた。

フラン「初めまして、お兄ちゃん。私の名前は【フランドール・スカーレット】。今回の騒動の黒幕・・・の光の部分」

翔「丁寧な自己紹介をありがとう。それで・・・黒幕の光の部分ってどういうことなんだ?」

龍神「此奴には闇と光の・・・」

龍神が説明しようとしたが、フランがそれを遮った。

フラン「貴女は黙ってて。私には【光】と【闇】の二つの感情があるの。【光】の感情は、《平和を願う》感情。【闇】の感情は《破壊を好む》感情。そして、今回の異変を起こしたのが【闇】の感情で、【光】の私は邪魔だから体からおいだされたの」

翔「だからこんな所に・・・ってそうだ、ここはどこなんだ?」

龍神「ここは死と生の狭間の世界。瀕死になった者達が来る世界だ」

死にかけた者?それじゃあ・・・

翔「じゃあ、俺はまだ死んでいないんだな!?」

龍神「そうじゃ、私達が瀕死のお前を呼び寄せた。能力を託すために」

翔「能力?」

龍神「そう。私の《創造を司る程度の能力》と」

フラン「私の《ありとあらゆるものを破壊する程度の能力》」

龍神「この二つの能力をお前に託すためにな」

翔「二つの・・・能力」

そう呟いた途端、視界にノイズが入りはじめた。

翔「ぐっ・・・、なんだ?」

龍神「どうやら、お目覚めのようだな」

翔「目覚め・・・?」

フラン「これは一種の夢のようなものだから・・・でも、大丈夫」

龍神「現実に戻った時、お主はしっかり能力を会得しているはずじゃ」

フラン「お願い・・・お兄ちゃん。幻想・・・郷・・・を・・・救 ・・・・」

翔「くっ・・・」

そして、視界は完全に真っ暗になった。
・・・目覚めよう、幻想郷が待ってる。



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