二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2017/06/30 20:38
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
インターミッションその2 魔道士と庭師
里は行方不明者が出ているものの、平和であった。
1週間前に、林に大穴が開いてから、近づいてはならないという注意喚起があるものの、
それを除けばのんびりゆったりとしていて、買物もはかどる。
「そのキャベツと、トマトと・・・あとそれと・・・・」
八百屋で野菜を大量に購入し、パンパンになった買い物袋を両手で運ぶ、
白い髪のオカッパの少女、魂魄妖夢。
主・・・・「西行寺幽々子」のために今日も食材を大量に買う。
なんだかんだ注意しても、幽々子は妖夢にとっては大切な主。
主の願いを叶えるのも、従者としての務めだ。
そう思い、長い道のりを歩く。
里から少し離れた小道で、ふと袋からトマトを落としてしまう。
「大変!拾わないと・・・・アレ?」
トマトが転がり落ちた先に、人影があった。
人影がトマトを拾い上げるのを見る。
「す、すみませーん!それ、私のです!」
妖夢が急いで走っていくと・・・・
人影は、トマトを食べてしまったのである。
「んまっ!?」
「うーん、水っぽいな、こんなもん烏の餌にした方がましだろ・・・」
人影はトマトを食べるなり、文句を垂れる。
「ちょちょちょ、ちょっと!?なんですかあなた!他人のトマトを勝手に拾って・・・・食べちゃうなんて!」
人影に近づくと、その人影は、ローブで口元が隠れ、緑色のボサボサの短髪が特徴的の、目は緑色に光っている人影だが、人間とはかけ離れていた姿だった。
「あ?おれが拾ったトマトなんだから、おれが食べて何が悪い。」
少年のような姿をした男は、謝るどころか、悪態をついていた。
妖夢はプルプルと震え・・・・
「き、斬り捨てる!!」
と、大人げなく刀を抜いた。
「へえ、やる気かお前・・・・。」
男は、右手に魔術書を何もないところから出して、左手に、闇の塊を生み出す。
「面白い、おれの力を見せてやるよ!」
「トマトの敵!!」
しばらくして・・・・
夕陽が差し掛かってきていた。
お互い、息を切らしており、実力差はほぼ互角だといえた。
「こ、今日のところは・・・・これくらいで勘弁してやる・・・・」
「お、こ、こちらの台詞だ・・・・」
妖夢はこのトマト泥棒を忘れないと誓った。
「ところで、アナタ、名前は・・・?」
「おれは、レイ。ミラージュだ。」
「みらーじゅ・・・・・」
妖夢はどっかで聞いたような気がしたが・・・・
「レイ、次に会う時は、トマトの弁償をしてもらうから!」
と、礼に指を刺した。
「するわけねーだろ!バーカ!」
レイは捨て台詞を吐き、明後日の方向に消えていった・・・・。
「こ、この泥棒猫!!」
妖夢はレイが消えてしまった場所に向かって怒りに任せて叫んだ。
・・・・・が、空しいだけだった。
「帰ろう、トマト一つで何ムキになってんだか・・・・。」
「ただいま戻りました、幽々子様!」
「あら〜、お帰り妖夢〜今日はお客様がきてるから、3人分食事をお願いね〜」
居間から幽々子ののんびりとした声が聞こえた。
お客様・・・・?
そう思って買ってきた食材を台所に置いて居間へ行くと・・・・・
「「あーっ!おまえは!!」」
居間にはレイと幽々子がいた。
レイと妖夢は顔を合わせた途端、二人の声は反響した。
「あらあら、二人ともお友達だったのね」
幽々子が楽しそうに笑う。
「「だれがこんなやつと!!」」
二人はお互いを指さして叫ぶ。
「まあそれはそうと、妖夢、レイがしばらくここにいるらしいわ、仲良くね。」
「えっ!?な、なぜ・・・・」
「記憶がなくて困って彷徨ってるところにここにきてしまったみたいなの。私は幽霊だから、彼のいう・・・・「ぱふぉーま」?っていうものがないと思うから、妖夢が面倒を見てほしいんだけど。」
「しかたねーからお前に力を貸してやるつってんだよ。」
「いつ決まったの、あとなんで上から目線!?私よりチビのくせに〜!!」
「んだと!?誰がチビだ!お前なんかネギみたいなカラーリングしやがって!!」
「おじいちゃんにも言われたことないのに!ネギだと〜!言わせておけば〜〜〜!!」
レイと妖夢の喧嘩が勃発してしまった。
幽々子はそれを見て、微笑む。
「あらあら、久しぶりに賑やかになったわね〜。これじゃ毎日退屈にならないわ♪」
解説:亡霊はこの世ならざる者なので命の輝きであるパフォーマを持っていない。
が、妖夢は半人でまだ生きているため、パフォーマは常人に比べると劣るが、レイの半端じゃない力のおかげでカルネージ・フォームに変身できる。