二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.23 )
- 日時: 2017/06/30 22:27
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第8話 ピンチヒッター、現る
奥へ進むと、「非常口」と書かれた扉があった。
「レイム、この扉の奥に、サナエって人はいると思う。」
カムイは先ほどとは打って変わって真剣なまなざしと声で話しかけてくる。
霊夢も、拳の汗を握りしめる。
「マリサ、いざとなれば・・・・・」
「そのいざってのが来ないといいがな」
魔理沙とマリクは霊夢に聞こえないくらいの声で話す。
「いくわよ、みんな。」
霊夢は扉を開けた。
扉を開けると、外は夜景で美しく輝いていた。
「うおっ、すげーなこりゃ!」
魔理沙が驚く。
「ミラージュとサナエさんは?」
「多分、この階段を登った先!早くいきましょう!」
「って、この階段を登るのかよ!?」
魔理沙は驚愕と恐怖で染まった表情で叫ぶ。
それもそのはず、上へ行くらせん状の階段は、
棒切れのように細く脆そうなモノが刺さっているだけである。
「マリク、遺書書かせてくれ・・・・」
「マリサ・・・・」
魔理沙の怖気づいた声に呆れるマリク。
霊夢は踏み場の安定さを確認し・・・・
「カムイ、いくわよ!カルネージ・フォーム!!」
「えっ」
カムイの心の準備を無視して、霊夢は変身し、一気に走った。
「ウソだろ、お前空を飛ぶ能力は!?」
「イドラスフィアじゃ能力は使えないのよ、さっきわかった!早く来なさい!!」
霊夢は無茶にも階段を走っていく。
「くそ、こうなりゃヤケだ、カルネージ・フォーム!!」
魔理沙も変身した。
その姿は、フード付きの青いローブを見に纏い、シンプルなインナーで、戦闘に特化しているフォームだった。
手には、魔術書となったマリクを握りしめている。
「マリサ、前に教えた風の魔法で・・・・」
「私も全力疾走だっ!!」
「・・・・・。」
マリクは無言で魔理沙を見守った。
屋上にたどり着いた霊夢と魔理沙は、目の前に早苗が立っていることに気づいた。
「早苗!」
霊夢は早苗に声をかけるが・・・・
「れ、霊夢の声が聞こえる・・・・どこに・・・・」
「ダメよサナエ、あなたの大好きなものを奪うあいつの声を聞いてはいけないわ」
早苗の後ろにいる赤い髪で、顔を隠した黒い騎士のミラージュが、早苗に優しく声をかける。
「アンタ、早苗に何をしたの!?」
霊夢は怒りをあらわにして叫んだ。
「何もしていないわ、ただ早苗に「理不尽なことばかりなら目をそらせばいい」って言っただけよ」
赤髪のミラージュはクスクスと笑っていた。
「何だよそれ、お前がそそのかしたからサナエさんが・・・・!」
「この子はそこの黒髪の巫女に負けてから、ずっと引きずってたみたいよ、そんなことも気づかずにこの子を見下して・・・・
サナエがかわいそうだわ!」
指をさされた霊夢は少したじろぐ。
魔理沙は、逆に赤髪のミラージュを指さす。
「それは早苗本人から聞いたのかよ、お前に早苗の何がわかんだよ!?」
「うるさい子供たちだわ!アナタ達だってサナエ本人の気持ちがわかったような口ぶりをして!」
「違う・・・・違うの・・・・」
赤髪のミラージュと魔理沙の言い争いに涙を流す早苗。
「あなたの方が、サナエさんの気持ちを踏みにじっているんじゃないのかい?」
カルネージと化しているマリクが指摘した。
「なんですって?」
「彼女は涙を流しているじゃないか。それが自分の気持ちに正直な人が起こす行動とでも?」
赤髪のミラージュは沈黙した。
「うるさいハエたちだわ」
赤髪のミラージュは両手に巨大な斧を持ち、
「ならば貴様らのパフォーマから奪い尽してからこの子も・・・・!!」
「それが本性か!」
「当然でしょ!」
臨戦態勢に入る、霊夢と魔理沙。
「遅いわよ!」
赤髪のミラージュは両手の斧を振り下ろす。
ガキンッ
しかし、地面が割れただけで、二人には当たらなかった。
「合わせるわよ、魔理沙!」
霊夢は赤髪のミラージュのバイクを踏み台に、斬りつける。
「いくぜ、エクスカリバー!」
魔理沙は巨大な風の刃を赤髪のミラージュにぶつける。
「小癪なァァァ!!」
赤髪のミラージュは怒り狂い、魔理沙の足をつかんだ。
「くっ、しまっ」
「潰れろ!」
つかんだ足をそのまま地面にたたきつける!
「がっ、あっ・・・・」
たたきつけられた魔理沙は吐血する。
「マリサ!」
「魔理沙!?」
「スキを見せるなァ!!」
魔理沙に気を取られている隙に、霊夢の身体を握りしめる赤髪のミラージュ。
「ぐあっ!!」
「潰してやる・・・・!!」
ギリギリと握りしめられる霊夢。
「レイム!クソッ・・・・!早く何とかしないと・・・・・!」
「死んじゃえなの!」
「ピンチに颯爽☆」
刹那、空から何かが降ってくるのが見えた。
「「星影!!」」
猛スピードで何かが降ってきたと思った瞬間、花火のように弾けた。
「ウギャアアアアア!!」
赤髪のミラージュの悲鳴と共に、空から黒い鎧を着たピンク髪のツインテールに黒い眼帯で右目を隠した少女が舞い降りた。
「ここでヒーローは言うものさ・・・・「ピンチに時こそ、主役は登場する!」
助太刀に参ったぞ、霊夢!」
「え、エリス!?」
姿はカルネージ・フォームで変わっているものの、左頬の星のマークで魔界の悪魔であるエリスだとわかった。
「お、覚えていたか!嬉しいぞ!」
「ねえねえお姉ちゃん!この子まだ息があるよ?殺していい?」
「そうだなぁ・・・・」
「うぐっ・・・・身体が・・・・」
エリスがとどめをさそうとした瞬間
「ま、待ってください!」
早苗が赤髪のミラージュの前に立ちはだかった。