二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.29 )
- 日時: 2017/07/01 13:42
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
インターミッションその3 ガイアは輝けるって昔から言われてる
空に黒い塊が飛んでいた。
その黒い塊は、四方八方に飛んでおり、時々木々にぶつかってしまう。
「あう〜、お腹空いたのだ・・・・」
黒い塊の中から、頭に赤いリボンを付けた金髪の少女が現れた。
「そこの者、もしかしてお腹が空いているのか?」
頭上から声がしたので見上げると、
皮のマントを羽織り、茶髪の頭に黒いハチマキを巻いた、
いかにも盗賊という感じの男が見下ろしていた。
肌自体が黒く、目が緑色に光っている。
胸には、飴やお菓子などを詰め込んでいるのか、少し見えている。
「おじさんだれ?」
「うーん、確かに何年生きてるかわからんが、おじさんは傷つくな」
盗賊のおじさんは肩を落とした。
「ところでお腹が空いているのなら、この砂糖菓子をくれてやろう」
とおじさんは胸ポケットからべっこう飴を取り出し、少女に差し出した。
「おー!ありがとう、ちょうどお腹空いてたんだ」
少女は嬉しそうに飴にかぶりつく。
「で、おじさんだれ?」
「いや、俺はおじさんじゃない、ただのガイアだよ。」
「ガイア・・・・輝けそうだね」
「・・・・よくわからんが、お前の名前はなんという?」
ガイアは何気なく少女に名前を聞いた。
「ルーミアだよ」
「いい名だな。」
ガイアは少し微笑んだ。
「おーい、ルーミア!」
遠くからまた少女の声が聞こえた。
「こんなところにいたの、早く遊ぼう!」
アイスブルーの髪に青いリボンを付け、青い服を着た少女が降りてきて
ルーミアに声をかけた。
「ん?このおじさん、だれ?」
ガイアを見るや、ルーミアに聞く。
「ガイアだよ、さっきお菓子もらった。」
「へー、あたいはチルノ!よろしくおじさん!」
チルノは元気よく挨拶をした。
「元気のいい娘だな、よし、砂糖菓子をやろう。」
ガイアは胸ポケットにある熊の顔のキャンディをチルノに渡した。
「わーい!」
「ところでルーミアにチルノ。ここはどこなんだ?」
「え?」
ルーミアとチルノは顔を見合わせる。
「みずうみの近くだぞ」
チルノは木々の間から見える湖を指さす。
「おお、あんなところに湖が!」
ガイアは湖を見るなり驚きの表情で歓喜する。
「おじさんは湖を見たことないの?」
「いや、湖に来ればこの世界がどういうものかわかるものなのだ」
「へーすごーい」
ガイアは真実か否かよくわからない発言をして、湖に近づく。
「この湖、ところどころ凍っているな、夏なのに。」
「あたいが凍らせたんだぞ!」
とチルノはえっへんと言いたげに胸を張る。
「ほう・・・この氷があれば、かき氷ができるな。」
「ホント!?」
ガイアはワクワクしながら氷の塊をつかむ。
チルノとルーミアは目を輝かせていた。
「じゃあさっそく寺子屋に行こう!みんなで食べた方がおいしいよ!」
チルノはガイアを引っ張っていった。
ルーミアもそれに続く。
「で、こういうことか。」
慧音は少し微笑みながら寺子屋の様子を見た。
寺子屋では子供たちが仲良くかき氷や氷菓子を食べていた。
「つか、お前誰だよ、噂のミラージュってやつか?」
妹紅はガイアに尋ねる。
「俺はガイア、甘いものが好きなただのしがない盗賊だ。」
「ついでに子供も好きそうだな。」
ガイアの自己紹介に、笑う慧音。
かき氷を食べながら、
「別に好きなどではない、ただ、好きなものはみんなで分けたいタイプだ」
「めっちゃいい人じゃないか・・・」
ガイアの発言に驚く妹紅。
「いい人ではない、仕事はきっちりこなすタイプだ。菓子さえもらえれば。」
「まあ、それはそれで、これからもここにきてはもらえないだろうか、子供たちが喜ぶ。」
「・・・・まあ、気が向いたらな。」
慧音の誘いに、ガイアは少し顔を赤らめていた。
悪くない気分・・・・とでも言いたげのようだ。
「で、私たちの分は?」
「もちろん、あるぞ。」
「お前好きだわ」
妹紅と慧音はガイアにもらったかき氷を食べた。