二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.35 )
- 日時: 2017/07/01 22:38
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第三章 迫り来る黒い影
第10話 世界を揺るがす暗黒竜
なんと行方不明者続出の原因は、ミラージュだった!?
そんな見出しの新聞を片手にお茶を飲む霊夢。
その隣で新聞を食い入るように読むカムイ。
隣でソクテラスのブラッシングをするエレン。
ソクテラスのお腹を触るカチュア。
霊夢の前でマリクに魔法を教わる魔理沙。
魔理沙の隣でティアマトに勉学を教わる早苗。
「うひょ〜、満員だなこりゃ。」
縁側から入ってきた萃香が他人事のように言う。
手にはつまみを持っている。
昼から呑む気満々である。
「もう2週間でこの状態だからね。誰か引き取ってほしいくらいよ」
「あれ、あの赤い悪魔は?」
魔理沙が気づいたように言う。
「エリスなら、今日は一旦魔界に帰ってるって話だけど。」
「またミラージュが現れたら、バーンって倒してほしいけどな。チート並みだろありゃ。」
魔理沙は前回のティアマトとの戦闘を思い出しながら、身震いした。
「昔弾幕を使わなかったときに戦ってたけど、あのころと変わらず、衰えてなかったわよ。むしろ強くなってたわ。」
ホント化け物ねと愚痴をこぼしながら、霊夢は再び新聞を読む。
「この、シンブンっていうのは、どうして書いているんだろう?」
「みんなに情報を提供するっていうのが名目じゃないかしら。それ以外もありそうだけど。」
カムイの疑問に答える霊夢。
「お休み中のところ悪いんだけれど〜」
何もない場所が突如開いて、金髪の白い帽子をかぶった女性が、
顔だけ出していた。
「ひ、ひえぇ!?何もないところから生首が!!?」
カムイが驚きを隠せず、指をさしていた。
「あらら、ひどい言われようね。」
女性は扇子で口元を隠して、表情を変えずに言った。
「紫、あんたが神出鬼没すぎるせいでカムイが驚いてんじゃないの」
「あら、ごめんなさいね」
「それはそうと、霊夢、魔理沙、エレン、早苗。あとミラージュさん達。お話があるの、ブルームパレスまで来てちょうだい。」
紫はそう伝えると、隙間の中に消えてしまった。
「待ってたわ、みんな。」
「またされたわよ〜」
ブルームパレスには、チキと紫とキツネの尻尾が九本ある女性、藍が待っていた。
「で、話って何よ?」
「ミラージュと、失踪事件・・・。」
紫は真剣な表情になる。
「我々の調査と、チキ殿の話によると、「大量失踪事件」と「ミラージュ」は関係しているらしい。」
藍が補足した。
「そう、新聞にあるとおりね。」
「まあ、今日はそのこともあるけど、みんなにお願いがあってここに呼んだのよ。」
紫は、
「単刀直入に言うわ、この異変は幻想郷だけでなく、外の世界、ミラージュの世界、魔界、夢幻世界、全ての世界を巻き込んでいるのよ。」
と強い口調で話した。
「ぼ、僕たちの世界も・・・?」
カムイは驚いた。
もちろん、他のこの場にいる全員も。
「ミラージュの世界は、元々平和で美しい世界だったの。このブルームパレスのようにね。」
チキも説明をする。
「だけど、ごめんなさい・・・・私も他のミラージュと同じく記憶がないの。でも、同じような事件が起きたのを、私は覚えている。」
「その事件の詳細を、覚えている範囲で教えてもらえないかしら?」
ティアマトがチキに尋ねる。
チキは、答えた。
「いいわ、あれはずっと昔の話なのだけど、こことは違う「トウキョウ」という場所で、9人の英雄と私で暗黒竜を倒したの。」
「だけど、暗黒竜はまた復活して、ミラージュの世界を壊した。」
その言葉を聞いて、ミラージュたちは驚愕の表情を見せる。
「そんな・・・・!?」
「じゃあ、なぜこのブルームパレスは残っているのです?ここもミラージュの世界の一部なんですよね?」
カチュアが慌てて問いかける。
「私の加護で、ブルームパレスだけはかろうじて残ったの。だけど、何者かによって、ミラージュたちは記憶と正気を失って、パフォーマを求めるだけの存在に堕ちてしまったの」
チキは拳をぎゅっと握りしめる。
「あ、でも、正気を失わずにいるミラージュたちもいるよな、この前、里でも菓子を配ってる奴がいたしよ。」
「そうですね、時々ミラージュが神社にきたりしますよ」
「でも、マリクやティアマトのように、人を襲うミラージュもいたってことは・・・」
霊夢は真剣なまなざしで・・・
「面倒だけど、その「何者か」ってやつの調査が必要ね。」
「霊夢、アテはあんのかよ、アテは・・・・」
魔理沙があきれて肩を落とす。
「アテ・・・・っていうか、何かわかる人っていうのは、私の知り合いにいるよ」
エレンはふと発言する。
「本当ですか、エレン?」
カチュアは驚いて、慌てて聞く。
それは周りの全員が「意外だ」という顔をしていた。
「うんホラ、魔理沙と霊夢も一度会ったことあるでしょ。」
「「・・・・」」
霊夢と魔理沙が顔を見合わせて思い出そうとしていた。
「あっ!」
「もしかして・・・・」
霊夢と魔理沙は揃えて答えを出した
「「岡崎夢美!!」」
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.36 )
- 日時: 2017/07/02 15:59
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第11話 幻影異聞録
「ちゆり、そこのイチゴ、とってきて〜」
「へいへーい、ったく、人使い粗いっつの・・・・」
赤髪のロングヘアを後ろで三つ編みでまとめた、赤い服を着た女性が、
金髪のツインテールで、白いセーラー服、白い帽子をかぶった少女をこき使っていた。
二人がいるのは、博麗神社のすぐ近くの林においてある、巨大な建物の中。
付近の住人に聞くと、そこは1か月前からできていたらしい。
その中で、赤い髪の岡崎夢美と、
金髪で粗暴な口調の北白河ちゆりが、いそいそとせわしなく動いていた。
「ったく、今日は休日だって教授も言ってたじゃねえか・・・・ん?」
ちゆりが文句をタラタラ言っていると
「お〜い、夢美にちゆり!」
そこへエレンと霊夢と魔理沙と早苗が入ってきた。
「んお?ああ!エレン、霊夢に魔理沙!久しぶりね!」
夢美がエレンの声を聞いて飛び上がって迎え入れた。
ちゆりも名前を呼ばれたので夢美に続く。
「久しぶり、やっぱこの船できてたんだね〜。あ、お店開いてくれてありがとう!」
「いやいや、私の力をもってすれば、あんなのちょちょいのちょ」
「で、久しぶりの挨拶はそれくらいにして、ちょっと話を聞きたいんだけど」
夢美がどや顔で説明をしようとした途端、霊夢が遮った。
話の内容は、「トウキョウで起きたミラージュ事件」の詳細である。
「ふーん、なるほど。確かに最近変な奴が此処に無断で入ってきてやんなっちゃうって思ってたとこなのよ。」
夢美が話を聞き終わると、珍しく真顔で話す。
すると、夢美がハッと思い出したかのように、
「あ、そういや、多分心当たりあると思うわ。このデータを見てごらんなさい。」
夢美がそういうと、近くにあるモニターを軽くいじって、
何かの画像を照らし合わせた。
その画像には、巨大なジェット機を思わせる黒龍が映し出された。
「・・・・?なにこれ?」
エレンの思わず出た発言に、
「これはね、そのミラージュ事件のキーパーソン・・・的なヤツ。「暗黒竜メディウス」よ。」
夢美はしれっと発言した。
「ん〜っとね、集めた情報によると、「暗黒戯曲」で呼び出したメディウスの力で、トウキョウを滅ぼそうとしたんだけど、9人の英雄たちによって倒されているのよね。」
「暗黒戯曲・・・・?」
早苗は聞きなれないワードを復唱する。
「あ、暗黒戯曲って言うのは、暗黒竜を呼び出すための儀式みたいなものよ。」
夢美は補足してから、話を続ける。
「で、その後トウキョウは暗黒竜の復活の予兆もなく平和そのものなんだけど、もしかしたらこの幻想郷で、暗黒戯曲をやろうって輩がいたら・・・・多分幻想郷はミラージュ達の世界と同じ運命を辿ると思う。」
さらっと説明されて、
カムイは今までにないくらい慌てる。
「え、じゃ、じゃあ!はやくその暗黒戯曲をやろうってミラージュと人物を探さないとダメじゃないか!」
「まあ、落ち着けよ・・・・なんて名前?」
「カムイです!」
「そ、カムイ。そんなに慌てても黒幕は姿を現さねーんだ。」
カムイをちゆりがなだめる。
夢美がちゆりに指示を出す。
「ちゆり、例の。」
「へいへーい。」
ちゆりは生返事を返しながら、部屋を出た。
ちゆりが何かの書物をもって部屋に戻ると、夢美に渡した。
書物には「幻影異聞録」と書かれている。
夢美がそれを受け取ると、とあるページを開き、霊夢たちに見せる。
「これがメディウスね。で、これが唯一メディウスに対抗できる「神龍ナーガ」。で、一応補足すると、チキはナーガの末裔よ。」
夢美は続ける。
「かつてミラージュの世界は暗黒戯曲によって呼び出したメディウスに脅かされていたんだけど、「英雄王マルス」とその仲間たちが、「光の戯曲」を演じながら「神剣ファルシオン」と「封印の盾ファイアーエムブレム」を以ってメディウスを倒したの。これが「暗黒戦争」・・・・って説明がこのページね。」
夢美はページをめくる。
「で、重要なのがココ。トウキョウでも「ガーネフ」っていうミラージュが、自分の魂とマルスの魂を使って、メディウスを復活させたわけ。でも、復活したメディウスを9人の英雄とチキが、倒したってわけ。」
さらに夢美は続ける。
「ただ、メディウスはパフォーマがあればいつだって復活する存在なの。だからミラージュたちは、パフォーマがある限り、何度でもメディウスを倒し続けよう!って話で、トウキョウは救われました。って終わり方なんだけど。」
「それじゃあどうして、私たちの世界は滅んでしまったのかしら?」
ティアマトは夢美に質問する。
夢美は、少し悩んでからモニターに別の画像を照らし合わせる。
その画像に映っているのは、先ほどのメディウスよりも巨大で禍々しいヘビのような竜だった。
「多分、ミラージュたちの世界を滅ぼしたのはこっち。憶測なんだけどね。」
カムイはつばを飲み込む。
その姿は、とても恐ろしく、見るだけでも震えが止まらなくなる。
「こ、こいつは・・・・」
「どうしたのカムイ、この竜に見覚えが?」
霊夢の質問にカムイは首を振る。
「な、なんでもない!」
「な、ならいいんだけど。」
霊夢はそれ以上の追及はしないでおくことにした。
「で、こいつは恐ろしいことに、人の姿に模倣してどこかに潜んでいるらしいのよ。つまり、ここの誰かかもしれないし、もうすでに出会っているかもしれない。」
夢美は幻影異聞録を閉じてそう発言した。
「おいおい夢美、私たちを疑ってるってのか?」
魔理沙は抗議する、しかし夢美は首を振った。
「そうじゃないわよ、この中にこの竜が潜んでいることも頭に叩き込んでおけって言ってるのよ!じゃなきゃ、寝首をかかれることになる。」
夢美は魔理沙に指をさして強い口調で言った。
「・・・・。」
「さて、あとは私が独自に調べておくから、あんたたちは散った散った!」
夢美は手を打ち鳴らした。
ちゆりも、霊夢たちを押し込んで
「ホラホラ、さっさと帰れ!あとの話はまた後日呼ぶから!」
と部屋から追い出した。
「まったく、あの気まぐれさは相変わらずね・・・・。」
と霊夢は呆れてつぶやいた。
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.37 )
- 日時: 2017/07/02 17:29
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第12話 予兆
「紅魔館。
ここは吸血鬼が住むといわれる館である。」
「なーんちゃって、ま、館全部が真っ赤だなんて、イイ趣味してるな〜館の主さんって♪」
魔術師のローブを羽織る、フードから銀色の髪がのぞく少年のような姿の男が、紅魔館を見ながら楽しそうに言っている。
「中に入ったらきっと、血みどろ!血なまぐさい!大量出血ぶわーっ!!ってカンジなんだろうな、早速はいらせてもーらおっと☆」
少年はウキウキして小躍りしながら紅魔館の門の近くに歩み寄った。
「すみませーん、入れてくださーい♪」
紅魔館は物音一つせず、恐ろしく静かだった。
「あり?もしかして、お留守?」
少年は中に入ろうとすると
「うわっ!?」
何かに躓いた。
「なんだなんだ〜?」
少年が足元を見ると、緑色の服を着た赤い髪の女性が倒れていた。
「おーん?なんだこれ、先客?気絶してんのかな〜?」
少年は立ち上がると、中に入ってみることにした。
「おかえりなさい、みんな」
ブルームパレスで紫は皆を迎え入れた。
「それで、何かわかったかしら?」
チキは真剣なまなざしで霊夢たちを見据える。
「大体ね」
「暗黒竜メディウスではなく、別の竜が幻想郷を滅亡に導こうとしている?」
紫は珍しく考え込む様子を見せる。
「暗黒竜を目覚めさせようとした者が「故意に暗黒竜を復活させて、その力を喰らって」その竜が目覚めてしまった・・・としたら?」
チキは腕を組んで自分の今考えている推測を漏らした。
「そんな話・・・」
「ありえない話ではないと思いますよ、ミラージュにもガーネフと同じ考えを持つ者がいたとすれば。他者を取り込みその力を自分の者にするミラージュがいたとすれば。そのミラージュが暗黒竜を喰らって自分の力にして滅ぼしたという話も、ありえない話ではないと思います。」
霊夢を遮り、早苗が推測する。
「そんなミラージュ、いるのかな?」
「ミラージュも十人十色だからね。」
カムイのつぶやきに、答えるマリク。
「まあ、真実がわからない以上、これ以上の議論と推測に意味はないわ。」
紫は手を打ち鳴らす。
「霊夢、あなたは引き続き、この異変の解決に専念しなさい。あと協力してくれるミラージュたちの協力を仰いで異変を解決するの。一刻の猶予はないわ。
あと、現在、藍に紅魔館に出向いてもらってるわ。吸血鬼たちにも協力を仰ぐように言っているから、連絡が来次第・・・・」
紫は何かに気づいたように、隙間を見る。
「霊夢、今すぐ紅魔館に行きなさい。」
「えっ、何がどうしたのよ?」
紫の言葉に驚く霊夢。
「紅魔館の近くにイドラスフィアができたみたいよ。」