二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.39 )
- 日時: 2017/07/03 19:52
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第13話 深紅の悪魔
霊夢たちが紅魔館にたどり着いたころには、
既に悲惨な状況になっていた。
「あの、大丈夫ですか!?」
カムイが門の傍に倒れていた女性、美鈴を抱き起す。
「・・・・気絶しているだけです」
早苗が脈をとり、大事がないことを確認した。
並の人間であれば、生死を彷徨うことになっていただろう。
「レイム、この気配、暴れようは・・・・ミラージュだと思いますよ。」
「まあ、大体そうよね。・・・・もしくは、力の強い悪魔にミラージュが憑いているか。」
カチュアの言葉に、えらく冷静な霊夢。
魔理沙は、紅魔館の入り口のすぐ近くに穴が開いてることに気づく。
「おい霊夢、イドラスフィアを見つけたぜ!」
「こんなところに・・・・」
「だ、だれかいるのかしら・・・?」
紅魔館の中から弱弱しい声が聞こえた。
「パチュリー!?」
霊夢たちは慌てて紅魔館の中に駆け込む。
扉を開けると、紫の髪の女性、パチュリーが血を吐いて倒れていた。
「あわわ!大丈夫なの!?」
エレンが慌てて駆け寄る。
「な、なんとかね・・・賢者の石で命をつないでいるから・・・・」
「パチュリー、ここで何があったの?大惨事じゃない!」
霊夢はパチュリーに強く問いかける。
パチュリーは、エレンの介抱を受けながら答えた。
「あ、紅い悪魔が・・・・悪魔が・・・・ゲホッゲホッ」
パチュリーは心底おびえた様子で霊夢の手を握る。
その手は震えていた。
「お願い!レミィとフランと咲夜を・・・・助けて!!」
パチュリーは全身全霊を込めて霊夢に向かって叫んだ。
魔理沙は、パチュリーの頭をなでながら
「大丈夫だぜパチュリー、私たちがきたからにはもう安心だ。首を洗って待ってろよ!」
と微笑みかけた。
マリクは少し呆れてツッコミをした。
「首を洗うのは敵の方だけどね・・・・」
「うぐっ」
「パチュリー、あんたはここで休んでなさい、3人は必ず取り戻してくるから。」
霊夢も優しく語り掛けた。
パチュリーは安心した顔つきでそのまま気絶した。
「レイム、マリサ、エレン、あなた達はイドラスフィアへ行きなさい。」
ティアマトが美鈴を抱きかかえて紅魔館へと入ってきた。
早苗もパチュリーを介抱した。
「ここは私たちにお任せを、3人は早く紅い悪魔とやらを追ってください!」
霊夢は、少し安心したような顔をした。
「ありがとう、早苗、ティアマト。サクっと片づけてくるわ。」
「2人も別の悪いミラージュが来るかもしれないから、気を付けてね」
霊夢たちはその場を後にし、紅魔館入り口の近くのイドラスフィアに入っていった。
イドラスフィアの中は、赤い空、赤い荒野・・・・
一面が赤色に染まっていた。
「目きっつぅ・・・・」
魔理沙が目をこする。
「シルフ●コープでも持ってくればよかったね」
エレンも続いて目をこする。
「お二人、目をこすると目の病気になりますよ」
「「嘘!?」」
カチュアの言葉に驚く魔理沙とエレン。
「馬鹿やってないで、レミリアとフランと咲夜を探すわよ。」
霊夢とカムイが先に歩いているのに気づいた魔理沙とエレンは、
慌てて走っていった。
その上空で二つの影が一行の様子を見ていた。
「あらン、新しいお客様ね。・・・・おいしそうなパフォーマを持っているわ・・・・ウフフ」
「・・・・・。」
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.40 )
- 日時: 2017/07/07 11:47
- 名前: ミヅキ (ID: 9RGzBqtH)
第14話 紅蓮の刃と黒き翼
「いけどもいけども、赤、赤、赤。赤い空、赤い大地。他には何もないわね。」
霊夢たちはイドラスフィアの入り口から歩き続けて、約2時間は経過していた。
いつもならミラージュたちが歩いていたりするのだが、
本当に、空と大地以外何もない。
風も吹かず、音も歩いて靴の音がするだけで何も聞こえない。
それはまるで・・・・
「死の世界だな、地獄ってこんなもんなら、善い行いをして天国に行きたいぜ。」
魔理沙は愚痴をこぼした。
ふと、霊夢は何かを発見したのか、立ち止まった。
「血の匂い・・・・」
霊夢は指をさしてつぶやいた。
霊夢以外のみんなは、霊夢の指さす場所を見た。
「なんじゃこりゃ、惨いな・・・」
魔理沙は、腕で口元を塞ぎながら「ソレ」を見ている。
それもそのはず、ミラージュやら人間やらが
地面に深く突き刺さる太い丸太のようなものに
深々と刺さっているからだ。
丸太からは血がこびりついており、見ているだけで吐き気がしそうである。
突き刺さっているミラージュや人間たちは、
絶望に染まった表情や、助けを呼ぼうとしていたのか、大きな口を開けて死んでいる。
まさに死屍累々である。
「・・・・昔、こんな事件があったわね。」
霊夢が突然話を始めた。
「どんな事件?」
カムイは恐る恐る聞いてみる。
霊夢の話す事件の全貌は
あるとき、心優しい紅蓮の悪魔は、ある吸血鬼の姉妹と仲良く暮らしていた。
しかし、その紅蓮の悪魔は太陽が沈むと、殺戮の限りを尽くし、
人々は恐れおののき、眠れない夜が続いた。
困った人々は、巫女に知恵を分けてもらい、その紅蓮の悪魔を昼のうちに縛り付け、処刑した。
「そんな話よ、今はもういない巫女から聞いた話だから、詳細はわからないけどね。」
「でも、そんな話と、この場所・・・一体どんな関係が・・・・つっ!」
カムイが詳しく聞こうとした瞬間、鋭い頭痛が走った。
「・・・カムイ?」
エレンは心配そうにカムイの顔を覗き込む。
(・・・・この光景・・・・昔、どこかで・・・・)
「な、なんでもない、ごめん!」
カムイは首を振り、謝る。
「まあ、とにかく、長居は無用だぜ。」
魔理沙は手を振り、話を流した。
「そうだね、ここをもう少し調べて・・・・ッ!?危ないッ!!」
マリクがこの場の調査を提案しようとした時、
攻撃の気配を感じ取る。
一同は、間一髪で、強力な魔法を避けることができた。
「あらあら、避けちゃったの?」
頭上から黒髪で顔が隠れた、下半身が黒いペガサス、腕が黒い鳥の翼になっている女性と、
赤い髪、鮮血のように真っ赤な瞳、背中には悪魔の羽と尻尾が生えている黒い服を着た男性が降りてきた。
「ウフフ、その丸太に刺さってる子たちのようにするつもりだったんだけど・・・」
女性は嘲笑していた。
「・・・・・。」
「何者ですか、あなた達!」
カチュアは、エレンの前に立ち、女性と男性に叫ぶ。
「他人に名前を聞くときはまず自分から・・・・って言葉もないのかしら、アナタ?」
女性はカチュアを見下しながら笑っていた。
「いいわ、教えてあげる。私はインバース、この子はグレン・スカーレットちゃんよ。」
インバースは、グレンをなでながら自己紹介をした。
「というかなんだよこいつ、なんか臭いぜ!?」
「屍人というものか、禁忌に手を出したのか!?」
魔理沙は鼻をつまんで、
マリクはグレンの姿を見て怒りを露わにしていた。
「私がやったわけではないのよ、私も「あのお方」に蘇生の術を施されたんだもの。」
「蘇生の術は、贄もある程度必要になる・・・・人を殺したわね」
インバースの言葉に冷静に呟く霊夢。
「おしゃべりはここまでよ、グレン・・・・皆殺しにしなさい。」
インバースの言葉に、
「我ガ求メルハ、破壊ノミ!」
グレンは刀剣を抜く。
「「「カルネージ・フォーム!」」」
霊夢と魔理沙とエレンは、素早く変身して、グレンを迎え撃つ。
グレンの素早い動きに翻弄されつつ、
エレンは、槍で追突する。
「カチュア!一緒に!!」
「行きましょう、エレン!」
「「陽炎!!」」
エレンは炎の纏った槍をもってグレンに突撃する。
ガキンッ!
大きな音を立てて剣でふさがれてしまう。
「雷神剣ッ!」
霊夢はその隙に雷を纏う斬撃で追撃をする。
「・・・・・。」
グレンは回転し、霊夢の攻撃をはじいた。
「ほらほぉら!グレンだけ集中してないで!!」
インバースが空から風の魔法を放つ。
「エルウインド!」
巨大な風圧が霊夢とエレンを襲う。
「きゃあっ!」「くっ!!」
吹き飛ばされ、丸太にたたきつけられる二人。
「ほぉら、もう一発!」
「させるか!エクスカリバー!!」
インバースの追撃に魔理沙は風の刃をインバースにぶつける
「邪魔をするな、小娘がァ!!」
「怒り狂って冷静さを失っている、インバースを引き付けるぞ、マリサ!」
「任せとけ!」
インバースは怒り狂い、魔理沙とマリクは魔導書を開き、術を唱え続ける。
グレンは、その間に倒れている二人に斬りかかる。
キィン!
しかし、霊夢は立てなおし、グレンの剣を防ぐ。
そこでグレンの剣を受け止めるカムイは気づいた。
「こいつ・・・誰かに操られてる!術者はこの近くにいる!!」
「インバースが・・・操ってるんじゃ・・・!?」
「ううん、インバースは術者じゃない・・・・多分・・・・・」
カムイが何かを言う前に、グレンの剣に押される。
「ちぃっ!!」
「レイム!!」
弾かれた霊夢は態勢を崩してしまう。
「させない!」
エレンは霊夢をかばうように前に出る。
「グレン、あなた・・・・私のお店に来てくれたことあるよね!レミリアと一緒に!」
エレンは、グレンの剣を受け止めつつ、グレンに話しかける。
「おほほ、無駄よ無駄!そいつは今やただの操り人形・・・あのお方の傀儡よ!」
「おまえはちょっと黙ってろ!」
魔理沙はインバースを遮り、エクスカリバーをうち続ける。
「グレン、お店に来てくれた時、すっごくレミリアに優しかったじゃん!あのやさしさはどこいったの!?」
エレンは説得を続ける。
「・・・・・。」
「かわいいぬいぐるみを持って、「フランにもあげるんだ」って笑ってたよね!私、覚えてるもん!!仲のいいきょうだいだって・・・・」
「・・・・・・・ウ。」
グレンの力が一瞬弱まる。
「カムイ!」
その一瞬を霊夢は見逃さなかった。
「でやああああああっ!!!」
霊夢はグレンを斬る。
「グアアアアァァァァ!!」
グレンの断末魔が耳をつんざく。
そして、グレンは糸のきれた人形のように倒れ、ピクリとも動かなくなった。
「や、やった・・・?」
霊夢はつぶやく。
「お、おのれぇぇぇぇっ!!」
インバースは、急に叫びだし、イドラスフィアの外まで猛スピードで駆けだした。
「くっ、あのお方に報告を・・・ん!?」
イドラスフィアから飛び出し、紅魔館の入り口に立つインバース。
しかし、何かに気づいたかのように空を見上げる。
真っ赤な満月に、影が映った。
その姿は・・・・
運命を司る吸血鬼、レミリア・スカーレットの姿であった。
「あなた、インバースって名前だったのね。よくもやってくれたわね・・・・」
レミリアが低い声でインバースに向かって手に持つ武器を向ける。
「・・・・・ふ、フン!ミラージュの力を持たないお前が、私にかてるとで・・・・も!?」
「レミリア、本気を出してもかまわないのね?」
レミリアの持つ武器・・・・それは、カルネージ化したミラージュだった。
「ええ、リンディス。私に剣が扱えるか心配だけど・・・・フランと咲夜とパチェと・・・・ついでに中国を甚振ってくれたお礼はしないといけないわ。」
リンディスと呼ばれた刀剣を持ち、レミリアは構える。
「さあ、覚悟しなさいインバース。」
ザシュッ
その一瞬、レミリアはインバースを斬る。
「かっ・・・・アッ・・・・・「カムイ」・・・さ・・・・・」
レミリアに斬られ、真っ二つになったインバースは言葉を残して倒れる。
「懺悔するといいわ、あの世でね。」
レミリアは剣を鞘に納めながらつぶやいた。
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.41 )
- 日時: 2017/07/06 01:24
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第14話 深まる謎、そして黒い影
「あだだだだ!!」
「魔理沙さん、じっとしてください!」
インバースとグレンをなんとか撃破した霊夢たち。
一行は、イドラスフィアから脱出して、紅魔館を借りて怪我を治療していた。
「んなこと言ったってよ・・・・いだいっ!!」
「ったく、なかなか手強かったわよ、あいつ。」
「ホントにね・・・・。」
霊夢とカムイは魔理沙の様子を横目に、グレンとの戦闘を振り返っていた。
「ま、ここでゆっくり療養していくといいわ、あなた達には・・・・いつも世話になっているし。」
レミリアが微笑みながら言う。
「いやー、ボクのおかげだってことも忘れないでよね☆」
銀髪がのぞくローブを羽織った少年が、踊るように場に割り込む。
あの後、このローブの少年・・・・ヘンリーが全容を話してくれた。
「あり?みーんな倒れてる、死んじゃってるのかな〜?」
ヘンリーは紅魔館の廊下に倒れてる妖精たちを叩いたり蹴ったりするが、反応がない。
「生きてる人、いないのー?」
ヘンリーが呼びかけるが、返事がない。
「イヤアアアアアアアアアア!!」
外から女性の悲鳴が聞こえた。
ヘンリーは、慌てて外に出ると、
金髪の少女が腰を抜かして上を見上げる。
赤い髪の悪魔が、少女に剣を振り下ろそうとする間近だった。
「そぉら、グルンレイヴン!!」
ヘンリーは、カラスの魔法体の群れを赤い髪の悪魔にけしかけ、
烏の魔法体は水圧へと変貌した。
「ほぉら、こっちこっち!」
ヘンリーは悪魔を引き付け、たまたま近くに開いていたイドラスフィアの中へ入り込む。
(中略)
なんとかヘンリーは、逃げ出せた。
「その中略の部分が重要じゃないの」
霊夢はジト目でヘンリーを見た。
ヘンリーはヘラヘラ笑いながら
「いいじゃん、気にしないでよ巫女のくせに。」
「ハア、もういいわ。・・・・で、そっちのミラージュはどうやってレミリアと出会ったの?」
霊夢はヘンリーを無視して、ポニーテールの剣士のミラージュ、リンディスに話を振る。
「気軽にリンって呼んで。私は、紅蓮の悪魔に襲われているレミリアとレミリアを庇って大けがした咲夜を守っただけよ。」
リンディス・・・・・リンの説明によると、
紅魔館に突如現れた紅蓮の悪魔が、紅魔館の住人たちを襲い、
レミリアに斬りかかろうとした時に、咲夜がレミリアを庇って、肩から致命傷を負ってしまったらしい。
「ちょっとまって、時を止める能力とか、運命を司る能力は?」
霊夢は思わず口に出す。
「でもレイム、ミラージュたちの前では能力は打ち消される的なことあったでしょ。」
カムイは妖精たちの持ってきたクッキーをリスのように食べながら指摘する。
「あんたね・・・・」
「つまり、あの紅蓮の悪魔・・・グレン兄さんは、ミラージュだといいたいの?」
レミリアはカムイを睨みつける。
「あら、あんた兄さんがいたの。」
「別に言う必要なかったし。・・・・で、どうなの、カムイさん」
レミリアは、カムイを問い詰めた。
「可能性はないこともない。」
カムイは自分の推測を述べる。
「・・・・と思う、そこはチキさんか、岡崎教授が詳しいと思うよ。」
「まあブルームパレスに一度戻る必要があるわね。」
霊夢は腕を組んで渋柿を食べたような顔をした。
ところ変わって紅魔館のイドラスフィア。
糸が切れた人形のように動かなくなったグレンに人影が近づく。
「ふふっ、一瞬だけど、私の術が打ち消されたみたい。
ホラ起きて、グレン。あなたはまだやるべきことがあるよ。」
グレンの前でしゃがみこみ、グレンに手を近づける謎の人影。
「あらら、しばらく動けそうにないっか。
まー、私も力を失ってるから、仕方ないっか。」
グレンに闇が包み込み、そのまま消えてしまう。
謎の人影は腕を組み、考え込んでいた。
「もうしばらく泳がせておこうと思ったけど、流石に邪魔になってきたなあ。喰べちゃおうかな?」
「ま、いっか。「彼」の目の前で、霊夢も魔理沙もエレンも早苗も、レミリアも・・・チキも。全員嬲り殺してココロを壊してあげようっと。ウフフ」
謎の人影は不敵に笑うと、どこかへ消えてしまった。