二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH ( No.4 )
- 日時: 2017/07/08 17:09
- 名前: ミヅキ (ID: lQjP23yG)
第一章 リインカーネーション
第1話 異変発生・・・?
現在、平和でやることもなく、のんびりとお茶を飲んでいる、博麗の巫女、博麗霊夢。
今日はカラっと晴れていて、平和そのものだった。
同じく、博麗神社の居間でお茶を飲んでいる金髪の魔女、エレン。
彼女も相棒であるソクテラスと共にのんびりしていた。
「・・・・つーか・・・」
霊夢がプルプルと震え始めた。
「どったのれーむ。」
エレンが間抜けな声を出して返事をした。
次の瞬間、霊夢がちゃぶ台をドンッ!と叩き
「どったの じゃないわよ!何何気に一緒にのんびりしてんのよあんたは!」
「ふぇ、いいじゃん、暇だったし。ねー、ソクテラス。」
エレンの膝元にいた白猫、ソクテラスは「にゃー」と返事をした。
霊夢は、その返事を聞いて、これ以上は無駄かと怒りを通り越して呆れてしまった。
「・・・・ったく、まあ、皿とか・・・・なんか壊さないでよ。」
「はーい。」
「にゃー。」
とにかく今の幻想郷は平和だった。
「うぉおい!霊夢ッ!!」
突然縁側から勢いよく飛び出してきた白黒の魔法使いが、慌てた様子で霊夢に叫んだ。
「な、なによ、そんなに慌てて・・・」
霊夢はびっくりしてお茶をこぼしてしまったため、ちゃぶ台を拭く。
「あ、魔理沙、ひさしぶり〜。」
「お、エレン!夢美がでっけえ船で来た時以来だな、久しぶり!」
「魔理沙も随分様子が変わったね〜」
エレンがにこやかに話しているが、魔理沙は顔色を変えて
「・・・・って私は世間話をしにきたわけじゃない!異変っぽいんだよ霊夢!」
「・・・・っぽいっていのが随分曖昧ね・・・・。」
「なんか見おぼえなのない幽霊が私を襲ってきたんだよ、十分異変だろ!」
霊夢はそれを聞いて、呆れて肩をすくめる。
「幽霊なんかこの幻想郷に何人いると思ってるのよ、大方、無縁塚に行く途中の幽霊なんでしょ。」
「で、で、でも、襲ってきたんだぜ!めっちゃ怖かったし!」
魔理沙の尋常じゃない様子に、エレンも心配になり、
「霊夢、なんか普通じゃないよ・・・何か異変が起きてるかもしれないよ。」
「はぁ」
霊夢は湯呑をちゃぶ台に置いて、一息ついて
「まあ、様子を見に行くだけなら、ね。本当に異変なら、すでに紫が動いているかもしれないし。」
「さすが霊夢、話が分かるぜ!」
霊夢は立ち上がり、魔理沙が案内するままに、ついていくことにした。
「ここ、ここ!ここに青いツギハギのローブを付けた男の幽霊が私を襲ってきたんだ!」
魔理沙が案内してきた場所は、博麗神社から少し降りたところの道端だった。
「なんか黒くてもやもやしててさ!あとうめき声も出してた!」
魔理沙が一生懸命状況を説明しているときに、
霊夢は、状況と場所を分析していた。
「あと、風の魔法とかも使って・・・・って、霊夢?」
「魔理沙、あんた酔っぱらってたんじゃないの?」
魔理沙はそれを聞いて激昂した。
「な、なんだと!?私が酔っぱらって幻覚を見たって言いたいのか!」
「今の状況からはね、そういう風にとれるのよ。」
霊夢は冷静に、そして低い声で
「確証がない今、簡単に動きたく・・・・いや、動けないのよ」
「さらっと本音をいいやがったな」
「と、とにかく、これから里に買い物にいくついでに、情報収集してくるわよ。他にもその幽霊とやらを見た人がいるかもしれないし。」
魔理沙は、納得しきらない表情で
「わ、わかったよ」
と返事をして、今日のところは解散となった。
- Re: 東方異聞録♯TH ( No.5 )
- 日時: 2017/06/23 23:49
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第2話 生命の源パフォーマ
次の日、霊夢は昨日里で情報収集し、メモをとったものをちゃぶ台に並べていた。
「行方不明者が多数・・・ローブを纏った幽霊に、侍みたいな幽霊・・・・」
昨日、里では同じような目撃情報が多数あった。
皆口をそろえて「幽霊を見た」と言っていた。
そしてここ最近、行方不明者が多数出ているとのこと。
霊夢は腕を組み、今考えている結論を元に、紫の元へ行こうと考えた。
ガラガラッ
縁側の引き戸が開き、魔理沙とエレンが室内に入ってくる。
「おはよう霊夢、なんかわかったか?」
「おはよう!今日はお菓子作ってきたよ、差し入れ!」
エレンは手に様々な形のクッキーの入った籠を霊夢に差し出した。
「お茶にするわね」と霊夢は、立ち上がりお茶を入れるために部屋を出た。
「ほーん、で霊夢。今日早速紫んとこ行くのか?」
「口にモノを入れたまましゃべるな!」
霊夢はハァとため息をつき、
「そうよ、行方不明者が多数出てる、幽霊を見た。これだけで異変と呼べるわ。
まあ、原因はわからず・・・だけど。」
霊夢が説明をし終えると、タイミングを見計らったかのように大雨が降る。
「雨・・・?さっきまで晴れていたのに・・・」
「す、すみません・・・」
ふと、外から弱弱しい男の声がした。
霊夢が様子を見に外に出ると、
白い髪に白い鎧を身にまとった幽霊が倒れていた。
「あ、あんた、どこから・・・!?」
「た、たすけ・・・」
白い髪の男は弱弱しく言うと半透明になっていた。
「わわっ!?この人、誰!?」
エレンが男を見るや、驚く。
魔理沙も男を指さして、
「こ、こいつだよ!私が見たのは・・・・・ってあれ、青いローブを付けてないな・・・・」
「あんた、助けてって、どうしたらいいのよ」
霊夢は男に近づいて話しかける。
男は、弱弱しく
「ぱ、パフォーマ・・・」
「ぱふぉーま・・・?」
霊夢が戸惑っている。
「み、皆さんが・・・もってい、る、命の・・・・源です・・・・」
男はせき込む
「ヨコセ・・・・・」
突如、暗く低い声が響いた。
声のする方を見ると、そこには、青いツギハギのローブを着た幽霊がたっていた。
「パフォーマヲ・・・・」
「な、な、あいつだ!アイツが私を襲ってきたんだ!!」
魔理沙は指を刺しながら激昂する。
「も、もう追いついて・・・・お願いします、パフォーマを・・・」
男は霊夢に助けを求める。
次の瞬間、霊夢の中からまばゆい光が現れた。
「グググ・・・・ウギィィ」
その光を見て、ローブの幽霊は怯んだ。
「な、これは・・・!?」
「霊夢、それがパフォーマだよ!」
エレンが戸惑う霊夢に言う。
「それをその白い髪の人にぶつけると、多分いいと思う!」
「よ、よくわからんが・・・・」
霊夢はその光を白い男に勢いよくぶつける。
「うおぉぉぉ!!」
- Re: 東方異聞録♯TH ( No.6 )
- 日時: 2017/06/25 06:44
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第3話 ミラージュマスター、覚醒
輝く光の玉を白い髪の男にぶつけると、
白い髪の男は、みるみる回復していき、男自身も輝きを増していく。
「ありがとうございます、お嬢さん!」
先ほどより回復した男は、霊夢に向かって感謝を述べる。
「ウギギギ、アアアアアァァ!!」
怯んでいた青いローブの幽霊は、態勢を立て直していた。
「わわわ、あいつめっちゃ怒ってるぜ!」
「えっと、赤くて白い人!僕が力を貸します、協力してください!」
「えっ、ちょ!?」
白い髪の男は、霊夢の手を握りしめると、光に包まれる。
「ちょ、何事!?」
「あれは、『カルネージ・フォーム』だよ!」
魔理沙の誰に投げかけるでもない質問に答えるエレン。
「なんでお前、そんなこと知ってんだよ!」
「あとで教えるよ」
「「カルネージ・フォーム!!」」
白い髪の男と霊夢は同時に叫んだ。
光が晴れたかと思うと、そこには、まるで女騎士のような衣装をまとう、
髪色も白のグラデーションがかかった色合いになっている、霊夢の姿があった。
「・・・って何よこの格好!?」
霊夢が驚いている。
「えっと、霊夢さん・・・・だっけ、どうも、はじめまして。」
「あぁ、こりゃご丁寧に・・・」
白い髪の男は、姿が見えないが、声は聞こえている。
「で、早速なんですけど、あの青いローブの男は、正気を失っているのです。」
「確かに、気がしっかりしてなきゃ、人なんか襲わないわよね」
「そして、あの幽霊・・・ミラージュは、ミラージュの力でしか対抗できません。」
「つまり?」
「ミラージュマスターとなった、霊夢さんのお力が必要です。」
「そのミラージュってのが、今回の異変の原因なわけね。」
白い髪の男の声に応える霊夢。
「ところで、あんた、名前きいてなかったわね」
「え、あ、ハイ・・・カムイです。」
カムイは慌てて霊夢の質問に答える。
「それじゃカムイ、あの青いローブのミラージュを倒すわよ!」
「はい!」
霊夢は、黄金に輝く剣を握りしめる。
青いローブのミラージュは、呪文のようなものを唱えた。
「エクスカリバー!」
すると、刃となった風が霊夢たちを襲う。
霊夢はそれを避けた。
「うわっ、あぶなっ!」
「きゃう!?」
魔理沙とエレンもそれを避ける。
ミシミシ、ドォォン!
後ろの林に風が直撃して、無残に切り刻まれていた。
「あ、あんなの当たったら、挽肉じゃすまないな・・・」
「いくわよ、カムイ!」
「はい!」
霊夢は、青いローブのミラージュに斬りかかった。
「ハァ!!」
「イギッ!?」
青いローブのミラージュは悶える。
「いくわよ、貫くッ!」
霊夢は光を剣に集中させ、青いローブのミラージュに命中させた。
「ギャアアアアアアア!」
青いローブのミラージュは、断末魔を上げて、消えてしまった。
「やったか!?」
「・・・・いや、逃がした。」
霊夢はそういうと、元の姿に戻り、カムイの姿も現れる。
「すみません、僕の力不足で・・・・」
カムイは申し訳なさそうに頭を下げる。
「それより、何が起きてんだよ、あとエレン、お前なんか知ってそうだな?」
魔理沙はエレンを睨みつける。
エレンは
「うん、だって私もミラージュマスターだもん。」
「「・・・・は?」」
霊夢と魔理沙は、呆けた顔でエレンを見た。
- Re: 東方異聞録♯TH ( No.7 )
- 日時: 2017/06/26 20:57
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第4話 雑木林のイドラスフィア
そして、次の日・・・・
「カムイ、この辺にあのミラージュがいるってホントなのか?」
魔理沙は帽子と髪についた蔦や葉をはらいながらぼやいた。
昨日————
「あんた、いつからミラージュマスターになってたのよ・・・」
霊夢があきれてエレンに問いかける。
「うーん、おとといだよ。」
エレンは迷いなく答えた。
カムイは、
「エレンさんはミラージュマスターなんですね、どういったミラージュのマスターなんですか?」
カムイの問いかけに答えるように、青い髪の白い仮面を被った騎士のような女性のミラージュが、エレンの背後に現れた。
「うん、この子がパートナーの、カチュア。」
「はじめまして、みなさん。」
エレンの紹介に、少し戸惑いながら自己紹介をするカチュア。
「で、その話は置いておいて・・・・皆さん、先ほど逃げたミラージュは、多分、この先のイドラスフィアで回復を試みていると思います。」
カチュアが林の向こう側を指さして言った。
「て、ことは・・・・回復したら誰かのパフォーマを狙って暴れるってことか!?」
「そうなります。しかし、もう日が暮れかけています。暗闇の中でイドラスフィアを探すのは困難です。」
「・・・・いどらすふぃあ?」
聞きなれないワードに魔理沙は首をかしげる。
「ミラージュが作り出す、異空間のようなものです。」
「ホントにこの林に、イドラスフィアがあるのかよ・・・」
魔理沙は愚痴を言いながら歩いた。
「ちょっと、口動かさずに足動かしなさい。」
霊夢が魔理沙につっこむ。
へいへいと軽い返事をして、一同は歩いて行った。
- Re: 東方異聞録♯TH ( No.8 )
- 日時: 2017/06/27 21:02
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第5話 青いローブのミラージュ
「あったよ皆さん、あれがイドラスフィアです。」
カムイが指を刺した先に、天高くまで穴が開いた入口のようなものがあった。
「あれがイドラスフィア?なんかすげーな」
魔理沙が感心していた。
「あれを放置していると、外にミラージュが溢れて、ミラージュに対抗できない人々はパフォーマを奪われてしまいます。」
「そういや、気になってたんだけど、パフォーマを奪われたら、人間とか妖怪とか妖精って、どうなるのよ?」
霊夢の質問に、カムイは静かに答える。
「パフォーマを奪われた人間は、生気がなくなり、最悪の場合死亡します。」
「・・・・ッ!?」
「ですから・・・悪いミラージュや、昨日のミラージュを止めないと、この世界は大変なことになってしまうんですよ。」
カチュアも静かに語る。
「ミラージュの存在自体、異変ってわけね」
霊夢は拳を握りしめる。
「よし、いくわよみんな!」
「すっげー!ここがイドラスフィアか!」
入口から中に入るとそこは、西洋の街並みが広がっていた。
ドラゴンやペガサスなどが飛んでおり、人ではないが、ミラージュたちが歩いていた。
「この中に、昨日の青いローブのミラージュが?」
「うん、この中にいるはずです、行きましょう、霊夢さん!」
カムイの言葉に、霊夢は怪訝そうな顔をした。
「カムイ、あんたさ・・・いつまで私に敬語使ってんのよ」
「・・・え?」
カムイは驚いて間抜けな声をあげる。
「え?じゃないわよ、私たちはパートナーなんだから、今更敬語使う相手でもないでしょ、あと呼び捨てにしなさい。」
霊夢の言葉にカムイは、嬉しそうな顔をして
「わ、わかったよ、霊夢!」
と元気よく答えた。
しばらく、街並みを見ながら進んでいくと、
昨日の青いローブのミラージュを見つけた。
「あ、いた、昨日の!」
「キ、キ、キサマラ!!」
「ていうかあいつ、しゃべれたのかよ!」
魔理沙のツッコミに青いローブのミラージュは激昂した。
「クッ・・・・マダ回復ガデキテナイ・・・・ダガ・・・・」
ミラージュは手元の魔術書を開き、呪文を唱える。
「エクスカリバー!」
巨大な風の刃を生み出し、霊夢たちに仕掛けた。
「「カルネージ・フォーム!」」
霊夢とエレンは、変身して風の刃を斬り捨てた。
「あんた、成仏してもらうわよ!」
霊夢はローブのミラージュに指をさして叫んだ。
「いくわよ!カムイ、私に力を!」
「カチュア、いくよ!」
霊夢とエレンは、青いローブのミラージュに攻撃を仕掛けた。
「穿て、竜の力!」
霊夢は黄金に輝く剣でミラージュを斬る
「グアッ・・・・マダ・・・・・!!」
「ホラホラいくよ!」
エレンは休む暇など与えず、ペガサスの翼が特徴的の槍でミラージュを貫く
「グオオオオッ!!」
ミラージュはヨロヨロとふらついていた。
「クソッ、コノママデハ・・・・」
ふと、ミラージュが魔理沙を見ると、
魔理沙の胸の上に、光の玉が輝いていた。
「アレハ・・・・ソイツヲヨコセエエエエエエ!!」
「っ・・・!魔理沙っ!!」
ローブのミラージュは、魔理沙に狙いを定め、魔理沙に突撃する
霊夢は一足遅く、追いかけるが間に合わない
「でありゃあああああああああっ!!」
刹那、魔理沙は胸の光の玉をローブのミラージュにぶつける。
「ナ・・・ニィ!?」
「あ、あれは・・・・」
ローブのミラージュは光に包まれ、やがて、青みがかかった緑の髪。青いローブを羽織るミラージュへと姿が変わった。
「ぼ、僕は、一体・・・・」
緑の髪のミラージュが我に返ったかのようにあたりを見渡す。
「あ、あなたは、マリクさん?」
カチュアが緑の髪のミラージュ・・・・マリクに問いかけた。
「カチュア・・・・?」
「なるほど、僕はみんなにご迷惑をおかけしたようだね・・・・」
マリクは申し訳なさそうにしていた。
「というかカチュアの知り合いってことは、あんた、記憶があるの?」
「いや、僕も皆さんと同じく、元の世界のことはおろか、自分自身の事すら・・・・」
「やっぱわからず仕舞いかぁ・・・・」
エレンはがっかりしていた。
「お詫びといってはなんだけど、僕はみんなに迷惑をかけたようだし、あなた達に協力するよ。」
マリクは気を取り直していった。
「マジか!じゃあ私もあの「カルネージ・フォーム!」ってのができるのか!?」
「えっ!?ああ、そ、そうだよ」
魔理沙の勢いにたじろいでしまうマリク。
「じゃあ私のミラージュになってくれよ!なあなあ!あと、あのエクスカリバー!ってのも教えてくれよ!」
「あ、ああ・・・」
「よっしゃ!じゃあさっそく、エクスカリバーを教えてくれよマリク!
・・・・というか私たちって名前がちょっと似てるな。仲良くしていこうぜ!!」
「あ、ああ!そうだね・・・よろしく、マイマスター、魔理沙!」