二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.59 )
- 日時: 2017/07/11 20:18
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第六章 ジョルジュとゴードン
第25話 英雄王マルス
あれから1か月の時が過ぎた。
悪しきミラージュと善いミラージュが半々、急激に増加し、
行方不明者も絶えることはなかった。
「藍、最近のミラージュ事件の様子は?」
満月が照らす湖の上で、紫は隙間を使って藍と交信をしていた。
藍の声が隙間から響いてくる。
「はい、魔界の上空にもイドラスフィアができたそうですが、魔界の有志とミラージュの協力により鎮圧。
そのほか、各地にもイドラスフィアができている模様。
霊夢や魔理沙一行による悪しきミラージュの鎮圧、討伐もなお続いております。」
「ご苦労様。引き続き、監視と報告を頼むわ。そして危なくなったら逃げなさい。」
「ご心配、痛み入ります。」
紫は隙間を閉じた。
「こんな夜分遅くにこんなところで・・・・危険ではありませんか?」
「・・・・!!」
湖の真ん中で、背後から若い少年の声が聞こえた。
紫は振り返ると、
ショートヘアに金色の髪飾り、青い高貴そうな服、黒いマント。
そして、蝶のカタチをした黒い仮面をつけた少年が、湖の上に立っていた。
「ミラージュ・・・!?」
「そうです、ユカリ。今日はあなたにお話があり、こちらへ出向かせていただきました。」
仮面のミラージュは肯定すると、紫は扇子を口元に当てる。
「なるほど、で、どのようなお話を?」
「はい。——————。」
「・・・・!!」
仮面のミラージュの言葉に、驚いて目を見開く紫。
「その情報をどこで・・・・あなたは一体何者なのです?」
「僕の事は幻影異聞録にも記されているはず・・・・。」
「・・・・まさか、蒼き英雄王・・・・・」
「その通り、僕はマルス。あなたに協力をしたい、この幻想郷・・・・いや、世界のために。」
マルスは静かに紫に手を差し伸べた。
「英雄王マルスかぁ〜」
カムイは寝転がりながらチキから借りた幻影異聞録を眺めていた。
「コラ、何もないからってゴロゴロすんな!」
霊夢はそんなカムイを箒ではたく。
「ゲホッ!ゲホッゲホッちょっと!埃が・・・・ゴホッ」
「ふーん、あんたらミラージュも私らみたいな反応するんだな、まるで生きてるみたいだ!」
箒ではたかれているカムイをみて、感心する萃香。
「うん、なんでも幻想郷はミラージュたちの世界に近いから、こうやって物に触れたり、食べたり飲んだり眠ったり、普通の人達と同じように生活してるよ。」
カムイは人差し指を天井にさしながら萃香に説明する。
「うーん、ま、難しいことはわからんな。」
萃香は手元のヒョウタンの中身をぐびぐび飲みながら笑っていた。
「その「普通の人と同じ反応ができる」っていうのが割と厄介なのよね。」
霊夢はそうこぼした。
「れ、れれれれれ霊夢ぅぅぅ!!大変だァァァァァーッ!!!」
魔理沙が障子を突き破って突入してきた。
「アアアアアアアアアアアア!!?」
霊夢が普段出さないような声で叫ぶ。
悲痛な叫びでこっちも泣けてくる。
「あ、萃香、こんちは。」
「よ、魔理沙、相変わらず忙しそうだな。」
「なんてことしてくれてんのよあんたはァァァァ!!?」
「そんなことより霊夢、大変だぜ!」
「そんなこと!?障子を戸ごと粉砕することより重要なことってなんなのよ!!?」
霊夢は怒り狂っている、まるで正気を失ったミラージュである。
「竹林に赤いミラージュが現れて、妹紅に憑りついちまった!」
「な、なんですって、それを早く言いなさいよ!里には!?」
「い、今エレンとカチュアとマリクが止めてくれてるけど、それもいつまでもつか・・・・」
「早くいくわよ、カムイ!」
霊夢は話を聞いてカムイとカルネージ・フォームで変身した。
「魔理沙、あんたつかまりなさい!」
「え、私は箒があ」
魔理沙が言い終わるまでに霊夢が魔理沙の襟をつかみ、
竜化して足元に水をジェット噴射のように勢いよく出して空高く飛んだ。
「うわああああああああああああああああっ!!!」
「あーあ、行っちまった。・・・・静かになっちまったな。」
萃香は霊夢と魔理沙を見送って周りを見る。
壊れた障子を直そうと小さい萃香達が、のりを貼ったり障子を張り替えたり、木の棒をくっつけたりしていた。
「やれやれ、今日も霊夢たちが戻ってくるまで待つとすっか。」
と萃香は畳の上に寝転がった。
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.60 )
- 日時: 2017/07/11 23:46
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第26話 大陸一の弓の名手
ギュルルルルルル
ドォォォォォォォォォォォン
博麗神社からジェット機のように飛んできた霊夢と魔理沙は、
着地の水しぶきと共に姿を現す。
着地した場所の周りは、着地のために竜の翼の羽ばたきの風圧と、水をクッションのように大量噴射した水圧で大きな穴が開いていた。
「うえぇ〜、もう二度とやらねえよこんなん・・・・」
「め、目が回るぅ〜・・・・」
「ハイハイ、泣き言はいいから、さっさと・・・・!?」
霊夢は魔理沙を立ち上がらせながら周りを見ると、
竹林が燃えていた。
「ミラージュに憑りつかれた妹紅が竹林を燃やしているの!?」
「えげつないことやりやがんな・・・・マリクとエレンとカチュアが心配だ!」
「カムイ、森の消火しつついくわよ!」
「まかせてレイム!」
霊夢は再びカムイとカルネージ・フォームで変身した。
そして、水をまきながら、燃える竹林を進む。
「くっ、マリサ・・・・もう持ちこたえられない・・・・!」
マリクが膝をつく。
「くっはははははっ!!その程度か魔道士!俺に、もっと力を見せろ!!」
ミラージュに憑りつかれた妹紅が高笑いをしながら炎を放つ。
カルネージ・フォームで変身したエレンは、炎をはじきながらマリクを守っている。
「消しても消してもきりがない!どうしよう、カチュア・・・・」
「マリク、あなただけでも逃げて!」
カチュアはマリクに叫ぶ。
しかし、マリクは首を振る。
「こいつが里へ行けば、もっと甚大な被害が及ぶ・・・・僕は約束したんだ、マリサがくるまでこいつを里に近づけさせないと!」
マリクは手元の本を開き、呪文を唱える。
「砕風!」
マリクは、妹紅の周りに複数の竜巻を呼び、閉じ込めた。
「エクスカリバー!!」
巨大な風の刃を妹紅に向かって放った。
「爆火!!」
妹紅は竜巻を吹き飛ばし、マリクに向かって爆風を放った。
爆風はマリクに命中し、マリクが足から燃え上がる。
「ぐああああああああっ!!」
炎が消えると、マリクはその場に倒れ込んでしまった。
「マリク!」
エレンは、すかさず回復を試みるが
「ふんっ!!」
「きゃあっ!」
妹紅はエレンを蹴り飛ばした。
「まあ、よく頑張った方だな。ご褒美に一瞬で塵も残さないように燃やしてやるよ」
「・・・・こ、ここまでか・・・・。」
マリクは観念して顔を伏せた。
「流星!」
その刹那、上空から無数の矢が勢いよく飛んできた。
シュババババッ!
妹紅が避けた瞬間に、その場に矢が突き刺さる。
「あり、避けられちゃったよゴードン。」
「構いません、これは威嚇射撃なので。」
竹林の陰から皮の胸当て、頭のてっぺんに犬の耳、
動きやすそうな服、ぴっちりしたズボン、皮のブーツ、右手に厚手の皮のグローブを付けた、謎の女性が現れた。
「ゴードン・・・・貴様、何のつもりだ・・・。」
妹紅は、女性の持つ弓を睨みつける。
「ジョルジュさん、その女性を解放してください。大陸一と謳われたあなたがこんな・・・」
「何が大陸一だ!あんなものに意味などない!!」
「ジョルジュさん・・・・」
女性の持つ弓・・・・カルネージ化したゴードンは説得を試みるが、
興奮している妹紅・・・・ジョルジュの耳に届かない。
「それに、あのお方が教えてくれた・・・・この不死の人間のパフォーマはうまいってなァ!!」
高笑いをするジョルジュ。
「はーん、なるほど。確かに不死の人間ならパフォーマをいくら搾り取っても死なないからね、考えたねあんたの主人。」
女性はにやりと笑う。
「何がおかしい・・・・」
ジョルジュは女性を睨む。
「いや、ちょっとね。まあでも、あんたはそいつのパフォーマを奪うことはできないさ。なぜなら・・・・」
「この今泉影狼、狙った獲物は絶対に逃がさん性質だからだッ!!」
影狼はジョルジュに向かって、弓を構えて叫んだ。
「ゴードン、お前の力を貸してくれ!」
「もちろん、僕はカゲロウのミラージュだよ!」
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.61 )
- 日時: 2017/07/12 22:05
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第27話 邂逅、そして・・・・
影狼は、弓を引く。
「ジョルジュ、もう一度言う・・・・その女性を放すんだ。」
「お願いします、ジョルジュさん!そんなことに意味はありません!!」
ジョルジュは手に炎の玉を出して、影狼に投げつける
「説得に意味はない!俺を止めたければ力づくで止めてみせろ!!」
「くっ!!」
影狼は身体を逸らして炎の玉を避けた。
「では、お前を獲物とみて・・・狩りの始まりだ!」
影狼は目を爛々と輝かせた。
「レイム、だいぶ鎮火できてるよ!」
剣になったカムイは霊夢に叫ぶ。
「そのようね・・・・しかし、妹紅はどこにいるのかしら・・・・」
「マリクも心配だ、無茶してなきゃいいんだが・・・・」
「そ、そこに誰かいるのか?」
弱弱しい声が竹林の中から聞こえる。
「レイム、あそこ、あそこに誰かいるよ!」
カムイはカルネージ・フォームから戻って、林の真ん中を指さした。
一同が近づくと、アイスブルーのロングヘアのミラージュが、
慧音を介抱していた。
「れ、霊夢と魔理沙か・・・・よかった、来てくれたんだな。」
「お仲間ですか、ケイネさん。」
「・・・・ああ。」
アイスブルーの髪のミラージュは、慧音から少し離れ、
「お初にお目にかかります、私はアクア・・・・ってアレ、カムイ?」
アクアは、カムイを見ると、驚きの声を漏らす。
「やっぱカムイじゃない!久しぶりね」
アクアはカムイの手を取って笑顔になる。
「え、えっとぉ・・・・どなた?」
「え、私の事覚えてない?・・・・・ハッ、しまった・・・」
アクアは何かに気づいたのか、急にオロオロとし始める。
「ご、ごめんなさい、「まだ」あなたには会ってないわね!」
「どうしたんだ、アクア・・・・会いたい人に会えたんじゃないのか?」
「いえ、時間軸が・・・・」
アクアと慧音はよくわからない話をしている。
「で、あんたたちは一体ここで何してるのよ?」
「ああ、そうだ、実は妹紅をこの辺まで見送りに来ていたんだが、突然、赤いマフラーの腕に弓が生えたミラージュに襲われたんだ。」
「私は偶然この場に降り立ったらケイネさんが大けがを負ってたから、介抱してたの。」
「なるほど、そういうわけね。」
慧音とアクアの話に納得する霊夢。
「妹紅は私を突き飛ばして、そのミラージュに憑りつかれてしまったんだ・・・・」
慧音は悔しそうに唇をかむ。
「で、妹紅は今どこに?」
「奥だ、だが、奥は」
ドォォォォォォォォォォォン
突然、爆音がしたので振り返ると、竹林の奥から灰色の煙が上がっていた。
「な、なんだありゃ!?」
「エレンとカチュアとマリクが心配だわ、アクア、慧音から離れちゃだめよ!」
「ちょ、どこへ!?」
「奥に行くのよ、じゃね!」
霊夢はそう叫ぶと、走って奥へと進んでいった。
「ま、待てよ霊夢!」
続けて魔理沙も箒にのってスピードを出す。
「ぼ、僕も」
「カムイ!」
突然アクアがカムイを呼び止める。
「なに?どうしたの?」
「あなたがどんな選択をしても、それが自分の出した答えならそれでいい・・・・いつかあなたが・・・・」
「カムイー!早く来なさーい!!」
「い、今行く!じゃあ、アクアさん!」
カムイは、霊夢の元へ慌てて走って行ってしまった。
「いつかあなたが、全てを敵に回したとしても、私はあなたの味方で居続けるわ、カムイ。」
アクアは、カムイの走り去った場所を見つめてつぶやいた。
「ぐはっ!」
「うわあっ!!」
影狼は吹き飛ばされ、地面を滑った。
「この程度かゴードン!さっきの威勢はどうした!」
影狼は、口の中の血を吐き出して弓を構える。
「まだまだ、これからが本番だよ」
「ジョルジュさんが目を覚ますまで、負けられない!!」
まだまだやる気十分だが、二人はボロボロだった。
「カゲロウ、もういい・・・退け!」
「いーや、このまま退いても竹林が燃えて無くなっちまう。
最後まであきらめないのが、私だ!」
影狼は笑う。
マリクは彼女の姿を見て、理解ができなかったが、
かつての友人を見ているような感覚になった。
「———!もういい、退こう!!」
「ダメだマリク、彼女たちを解放しないと・・・・」
「だが、このままでは君が・・・・!!」
「目の前の救える命を諦めるなんてできない!」
「君はいつもそうだ、———。」
「カゲロウ、僕も応戦する。」
マリクは、吹っ切れた顔で影狼の隣に立つ。
「そんなボロボロなナリで?」
「お互い様だろ。」
「あははっ、それもそうだ!」
マリクと影狼は、武器を構える。
「揃いも揃って死にたいのか?いいだろう、ならば・・・・一瞬で灰にしてやる!!」
「そうはいかないわよ、いけぇ!!」
ボォォォォオオ!!
突如横から黒い炎がジョルジュを襲った。
「なっ・・・・!?」
吹き飛ばされたジョルジュを睨みつける竜化した霊夢。
竜化から戻り、ジョルジュに指をさした。
「あんた、竹林を燃やして・・・ただで済むと思ってるわけ!?」
「き、貴様は・・・・ギムレー様が言っていた、「博麗霊夢」か!?」
「その通り、というわけで妹紅に憑いてるミラージュ!さっさと妹紅から離れて私にぶん殴られるか、今からぶん殴られるか、どちらかに一つ、選びなさい!!」
「どっちも断るに決まっているだろ!!」
「そう思ったわ、いくわよ!!」
ジョルジュと霊夢は、戦闘を開始した。