二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方異聞録♯TH 【オリキャラ募集中】 ( No.74 )
- 日時: 2017/07/21 21:35
- 名前: ミヅキ (ID: RSw5RuTO)
第36話 兄妹と姉妹
博麗神社の前で、黄金の竜と四本腕の男が戦っていた。
近くでは萃香がのびており、倒れている。
「くっ・・・・、レイム・・・・!」
神竜の姿に変わっていたチキが息を切らしてその場にへたり込む。
「貴様を殺せばブルームパレスとやらが機能しなくなるらしい、素直に死ぬがいい。」
目の前の四本腕の男がチキを見下ろして低く笑う。
「まだよ・・・・まだ、終わってないもの・・・・!!」
チキは、雷のブレスを全身全霊で男に向かって吐き出す。
「ふんっ!!」
だが、男は素手でブレスをはじいてしまう。
「ミラージュの力なしでそこまでやるなんて・・・・あなた一体!?」
「ミラージュ・・・・この小娘のことか?」
男は右手に赤髪の幼女の髪を引っ張り、持ち上げていた。
「痛いよー!やだー!!おにいちゃぁぁーん!!」
「な、なんてことを・・・・・」
「さて、おとなしく死ね、神竜の巫女、チキ!・・・・いや待てよ・・・・」
男は少し考え、再びチキを指さす。
「ただ死ぬのでは面白くない、この小娘の命が惜しければ、自ら首を斬れ。」
「・・・・・!!」
「ひっ!!あぁぁぁぁーっ!!やめてぇぇぇーーっ!!!」
首を斬れという言葉に反応した幼女は、さらに大声で泣き出す。
「さあ、どうする、この小娘を見捨てるか?自ら命を絶つか?」
「・・・・・。」
チキは黙り、神龍の姿から元に戻って、近くに落ちていた刀剣を手に取る。
「私が命を絶てば、その子を放してくれるのね?」
「ああ、約束する。」
「・・・・・・わかったわ。」
チキは両手で刀剣を握り、首に刃を当てる。
「その子を放せ!!」
突如、博麗神社の正面の階段から闇と激流が混ざったブレスが
勢いよく四本腕の男に当たる。
「うおっ!?」
「きゃあっ!!」
男は幼女を思わず離してしまう。
「ったく、女の子は大事にしなさいよ」
神社の階段を竜化で登ってきた霊夢とカムイ。
吹き飛んだ幼女を受け止め、地上に下ろす。
「大丈夫?もう怖くないよ。」
「うぅ〜・・・・ありがとう、おねえちゃん〜・・・・」
「博麗霊夢にカムイ・・・・やっときたか。」
男はニヤッと笑う。
「そこの四本腕の・・・・・ミラージュじゃないわね、何者よ!?」
「私か?私はセイント・α・ケイル。そのミラージュと契約していたんだよ。」
「ふん、一方的にでしょ。」
セイントの答えに、鼻で笑う霊夢。
「一方的に力を奪うことができるの?」
「できるわよ、ただし、ミラージュの力を一方的に奪う方法だから、パフォーマが底を尽きたミラージュは消滅するけどね。」
チキは唇をかみしめる。
「ふーん・・・・こんな小さな子供のミラージュから無理やり力を奪ってたのね。」
「ああ、ギムレーから受け取ったんだが、最初から私を拒んだのだ、当然の報いだろう?」
セイントの言葉に、ダンッと大きく足踏みをして、水柱を上げる霊夢。
「普段はこういう義理堅いことはしない性質なんだけど、久々にブチギレるわ・・・・。」
何やら赤黒いオーラを纏う霊夢にカムイはうひっ!と声を漏らす。
「あんたの性根、叩き直してやるわ、覚悟なさい!!」
「思った以上に、これは・・・・。」
ひまわり畑は、いつもなら黄金で一面が美しく彩られていたが、
今は見る影もなく、辺り一面焼け野原だった。
「風見幽香さん、これでもう終わりですか?」
「終わりなの?あっけなかったね、β。」
秘書のような女性と、明らかに子供のような格好の少女が
膝をつく幽香を見下ろす。
「そうね、私にはミラージュはいないもの・・・・。」
幽香は地面を見ながら息を切らしていた。
「もっと楽しませてくれるって聞いたんだけど、リオン〜」
「・・・・・。」
少女の後ろの、リオンと呼ばれたネクロマンサーのミラージュは黙っていた。
「だんまりか、まあいいや!じゃ、バイバイ、ゆうかりん!」
少女はカルネージ・フォームで変身して、巨大な鎌で幽香の首を落とそうとした。
「ゆうかちゃああああああーんっ!!」
ものすごい轟音と共に、何かが勢いよくふってきた。
「げ、げんげつ、むげつ・・・・」
姿を現せたのは、カルネージ・フォームで変身した幻月と夢月であった。
「や、ゆうかちゃん、珍しく苦戦してるね!」
「今の登場はちょっとカッコよかったな、ゲンゲツ。」
「・・・・・エフラム、エイリーク」
幻月と夢月の姿を見てリオンはエフラムとエイリークの名をつぶやく。
「兄上、この気配・・・・リオンですよ!」
「・・・・・!!」
エイリークの言葉に、少女を見るエフラム。
幻月と夢月は、幽香を安全な場所まで連れていく。
「エイリーク、リオン・・・・とは?」
「私たち双子の、親友なのです。」
「リオン、どうしたの、急に黙り込んじゃって。」
少女もリオンの様子に戸惑う。
「まあいいや、とりあえず、あんたら女の子二人組、名を名乗りなさいよ!」
幻月は二人を指さす。
「あ、そうでしたわね、私はメイリン・β・フライン。クロノス様の秘書ですわ。」
「ボクはリントだよ!よろしくね!」
「ちなみに我が名は幻月、夢幻世界の主なり。」
「ね、姉さん、いきなりそんな自己紹介しなくても・・・・あ、私はこの人の双子の妹の夢月です。」
お互い自己紹介を終えると、
「エフラムッ!!エイリークッ!!」
リオンが急に叫ぶ。
「わわ、どったのリオン!?」
「今日こそお前たち双子を超える!超えてみせるッ!!ああああああああーっ!!!」
リオンは発狂して、エフラムとエイリークに叫ぶ。
「リオン!?何を言う・・・・俺たちは!」
「うるさいっ、黙れぇぇーっ!!」
「リオンさん・・・・」
エフラムの言葉を遮るリオン。
「なんだかよくわからないけど、β、はやくやろうよ!」
「仕方ありませんわね。」
メイリンも身の丈よりも大きな斧を取り出す。
「ゲンゲツ、ムゲツ、リオンを止めるぞ!」
「お、おう!任せろ!」
「はい!」