二次創作小説(紙ほか)
- Re: 東方以心録 ( No.1 )
- 日時: 2017/12/10 17:44
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の壱 アリス留守中
アリスが出かけて数分。
前不利なしに紫が二人の前に現れる。
「ビックリした!紫さん、せめてノックして・・・」
「ごめんなさいね、アリスがいなかったのは想定外だけど
はい、これ」
紫は少し古ぼけたノートをテーブルの上に置く。
「なんだこれ?ノートか?」
「えぇ、天理の祖先についてのね」
「なんでご先祖様のことが書かれてるノート?」
「じゃあ私はこれでアリスとかが来てから見ときなさい」
「え、ちょっと・・・!」
引き留めようとするも消えてしまいノートだけが残っていた。
数十分後、帰ってきたアリスに事情を話した。
「・・・そうなら見てみましょうよ、それ」
「そうだな、開いてみるか」
奏真がノートを手にすると辺りは光に包まれた。
そして三人は高天原に立っていた。
「ここは高天原か・・・」
「あ、ねぇあそこにいるのって・・・」
アリスの指差した方向に二人の神がいた。
転生前の奏真、須佐之男命と伊邪那岐と伊邪那美だった。
そしてその前に立っていたのは黒髪の女性。
- Re: 東方以心録 ( No.2 )
- 日時: 2017/12/10 18:21
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の弐 神と高世
どうやらアリスたちの姿は見えてないらしい。
「人間、名を名乗れ」
黒髪の女性は深く下げていた頭を上げる。
「はい、高世と申します」
「高世、貴方は私たちが見えるのね?」
「はい、でもなぜ私をこんな美しい場所へ?私のような者には
もったいないですよ、他にも私より良い人がいると思います」
「なぜ、ですか・・・私と伊邪那岐はずっとあなたを見ていたのです。
貴方ほど明るく慈悲深い者を見たことがない、そして貴方は
巫女をしている、どうでしょう?私はもっと貴方を知りたいわ。
此処にいてくれないかしら?もちろん地上への行き来は貴方の
自由にするけれど・・・」
高世は少し考え頷いた。
高世は地上に降りた。
「高世様、ありがとうございます」
そのうち彼女は村で『現人神の巫女』と呼ばれるようになった。
そして数億年後、次は高世 神埜(たかせ かみの)。
母親も父親もいなくて辛そうだった。
「そうだな高世の子孫のことなら覚えておこう」
「えぇありがとうございます伊邪那岐様」
「お前ももうすぐ婆さんになるんだろ?孫はなんて名前を
付けるんだ?」
「ちょっと今じゃ変わった名前だけれど天理、四字熟語からって
意味もあるけど高天原の天、理は理つまり道理の意味です」
「・・・その名前、覚えておいてやる」
- Re: 東方以心録 ( No.3 )
- 日時: 2017/12/10 18:53
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の参 少女と剣神
そして天理が生まれた。
静岡にある小学校。
その日、二つ年上の男の子に声をかけられた。
「なぁなぁ名前、なんていうんだ?」
「高世 天理、です」
「天理?なんかカッケエ名前だな!」
「そ、そうかな・・・///」
そしてアリス邸に戻ってきた。
「高世、なんとなくだが思い出してきたな」
「すごいわね天理の先祖は神様と仲が良かったなんて」
「自分でも驚いてるよホント・・・」
炎の森の中、一人の少女が迷い込んでいた。
「きゃあ!」
その少女はつまずき後ろを振り向く。
異形の怪物が少女を喰おうとしていた。
「こ、来ないで・・・誰か、誰かぁ!!」
怪物の触手が捉えようと伸びてきたその時だった。
「邪魔だ」
ドサッという音がし少女は恐る恐る目を開ける。
一人の男がこちらに近寄り屈む。
「大丈夫か?立てるか?」
「は、はい・・・あのありがとうございます」
「迷ったようだな。俺が出口まで連れてってやろうか?」
「え、えっとありがとうございます。ぜひお願いします」
- Re: 東方以心録 ( No.4 )
- 日時: 2017/12/10 19:24
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の肆 帰還する少女
「あのお名前を聞いてもいいでしょうか・・・?」
少女はそう口にした。
「俺はガイト、お前は?」
「えっと私は瑠奈です・・・私、紫っていう人に連れてこられて
そしたらいつの間にかここにいて・・・」
「・・・そうかこの先を歩いていけばアリスの家だ。
一人が怖いならそこにでもいさせてもらえ」
ガイトは後ろを向き森の中へと帰っていく。
「あ、あのぉ!・・・行っちゃった・・・」
瑠奈はガイトに言われた通りまっすぐ歩いていく。
そしてアリスの家を見つけた。
丁度その時、天理がドアを開けた。
「あ!どうしたの?とにかく入ってきなよ」
天理は瑠奈の手を引き家の中へ入った。
「そうガイトが、ここを・・・?」
「はい・・・あの私、外の世界に戻りたいんですけど」
「あーその辺は問題ない。紫、この子を返してやれよ」
紫はスキマから顔を出す。
「分かってるわよ、ごめんなさいね急に・・・さ、ここを通れば
貴方が元いた世界よ」
紫のスキマの中に瑠奈は入っていく。
- Re: 東方以心録 ( No.5 )
- 日時: 2017/12/10 21:02
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の伍 異変が始まるころ
仁凪 礼夜(ひとなぎ れいや)という少年は
奏真の弟子的存在だった。
「礼夜くん、お疲れ!」
天理とアリスが出てくる。
「じゃあ今日は終わりにするか」
「もう昼食はできてるしみんなで食べましょうか」
★
「・・・これから我らの願いのため理想郷計画を始める」
一人の男は周りにいる者たちにそう告げた。
「シャグラン、では影たちの完成を急いだほうがいいですよね?」
「あぁ、頼んだぞ?翔魔(しょうま)」
「もちろん」
「俺はとりあえず彼らのところにでも行ってくる」
「しかし貴方がこれから異変を起こすと知れば彼らは!」
「あぁ分かってる、だが気にするな」
★
アリスは翌日、突然消えてしまった。
三人も冷静だっただが異変は怒った。
「誰?なんでアリスと同じ姿を・・・」
赤い目をしたアリス?が家の前にいた。
「誰ってそんなの見ればわかるでしょ?私はアリスよ
もしかしてたった一日で忘れたってわけじゃないわよね?
でも私と奏真以外、ここにはいらないわ」
三人が同時に攻撃を避ける。
「やっぱり三人にこんなのはきかないのね」
「アリス、じゃなさそうだね」
「えぇさっき私はアリスと言ったわね?でも私はアリスを基に作られた
影、そうね狂愛っていうの」
可愛い笑顔だがその笑顔の裏には何か恐怖を感じるものがあった。
- Re: 東方以心録 ( No.6 )
- 日時: 2017/12/11 15:40
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の陸 決着の夜明け
「・・・?どうしたんだよ響樹兄ちゃん」
「ん、あーそうだな変な奴っていうか怪しいのがいるような」
「なんだそれ?」
〜アリス邸・前〜
「うわっと!!」
「ちょこまか動かないでくれないかしら?」
赤く光る瞳で睨む狂愛。
「今回の敵はニセモノまで作って異変を起こすのか」
どこからか投げられたナイフは狂愛の右肩を貫く。
「な、嘘!?さっき避けたはずなのに・・・」
「天騎!」
「今回のことはさすがに許せないな。大切な仲間のニセモノを
作り、仲間を攫うとはたとえ姿が同じであろうと許すことは
できないぞ?」
「・・・ッ!!?なんで、そんな!」
どうにか動こうとするもその場から動くことはできない。
その理由は簡単なモノ。
「まさか、貴方・・・!」
「あぁ能力でお前とその辺の地面を「合」わせた」
「どんなことがあったのかそれは私たちが知ったこっちゃないね。
でもこんなことして幸せになっても貴方の夜明けは絶対に来ない!
“明符「暁に燃ゆる」”」
「やったか・・・?」
- Re: 東方以心録 ( No.7 )
- 日時: 2017/12/11 16:48
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
其の漆 今、できること
「お疲れ様、それと礼夜貴方を外に返すわ、約束通りね」
スキマを開いたまま彼の前に立った。
「そう、ですか・・・分かりました。それじゃ短い間だけど
ありがとう、また会えたら会おう!」
それだけ言い残してスキマの中へ入った。
勿論紫も消えていった。
「急な別れって奴か・・・って、俺は伝えることがあって
ここまで来たんだったァッ!!
霊夢に伝言を任されてだな、レイもすぐアンタたちのところに
来るから、後異変が起きてるみたいだし私も協力するわよ、
だってさ」
「異変・・・」
そこへ何者かの声が割って入る。
「ごめん遅れた!」
赤がかった茶色の髪をした少年が駆けてくる。
神堂 レイ、そして彼と共に来ていた緑がかった黒髪の少女は
東城 美音(とうじょう みおん)。
彼女はクシナダヒメの転生体。
「美音、レイ!」
「アリスさん、本当に連れ去られちゃったみたいですね・・・
まぁきっとアリスさんなら大丈夫だと思いますし私たちは私たちで
今やるべきことを頑張りましょう!」
「そうだね美音の言う通りだ」