二次創作小説(紙ほか)

Re: 東方stories ( No.1 )
日時: 2018/01/05 14:11
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

人里。
「よ、万事屋?」
幻想郷にそんな店があることは天理も初耳だった。
人里にいる慧音に話を聞く。
「あぁ、どうやら彼の名前を知っているのはごく少数らしい。
 みんなの前では万事屋と呼んでいるがな。妖怪退治に仕事の手伝い、
 もちろん私も彼に特別教師として来てもらい外の世界のことを
 話してもらったりしている。
 あ、もちろん天理のこともみんな親しく感じているらしいぞ。
 どうだろう?私は用事があって彼にお金を払いに行けないから
 天理、お前に任せてもいいか?」
「分かりました。行ってきますね!」
慧音から授かり、聞いた場所へ向かった。

 ■

周りは木々に囲まれている場所に一軒の小屋があった。
確かにここらしい…。
「こ、こんにちはー…」
戸を挟み声を出す。
「あぁ開いてるから中に入ってきてくれ!」
中からは男の声がして、天理は戸を開け中に入った。
「慧音さんから預かってるんですけど…これ」
「あぁすまないな慧音の代わりに。そういえば見たことない顔だな、
 慧音の知り合いか?」
「あ、はい。天道天理です」
男は顎に手を当て何か考える仕草をした。
「なるほどな、慧音や人里の人たちが言ってたのは君だったのか。
 まぁあまり名乗らないが、俺は東 神也、よろしく」

Re: 東方stories ( No.2 )
日時: 2018/01/05 14:47
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「本気で言っているの貴方?記憶を戻すためとはいえ他にも
 やり方はあるはずよ!」
一人の女性は一人の男に反論する。

「だけどこっちの方が確実だろう?俺の能力で奴の能力を操り
 記憶を戻す、そのためにはここに呼び出す必要がある。
 なら…」
「そんな…ッ!?」
大きな岩の戸が開きその女は光に包まれていく。
手を伸ばしても近づくことはできず戸の中に引きずり込まれていった。

 ■

博麗神社。
「…最近、曇ってばかりね。スッキリしないわ」
霊夢は空を見上げ灰色の雲を見ながら呟く。
「今は冬だし、こういう天気があってもおかしくないけどここ一週間
 ずっと晴れないと流石に寒いね…」
息は真っ白になり極寒の幻想郷だ。

数時間経った午後一時、ある異変にようやく気付いた。
辺りは真夜中になってしまった。
いや今は昼、日が堕ちるのが早いと言えど可笑しいと感じたのか
霊夢は立ち上がり辺りを見回した。

霊夢が気付いた時点で全員が気付かないはずがない。


Re: 東方stories ( No.3 )
日時: 2018/01/05 15:06
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

天岩戸伝説、須佐之男命が暴れだしたのが原因で太陽神である
天照大御神は天岩戸に隠れてしまい太陽が出なくなってしまった。

その伝説と同じことが起きれば幻想郷では何という?

「この辺りみたいね…」
霊夢はそこで立ち止まった。
「…?」
「どうしたんだ?響樹兄」
「この先にいるみたいだな。計三人分、か…一人は魔力を持っているな
 それに俺たちよりも先に到着した奴が…」
「先に?どういうことよ」
霊夢は真っ暗な道の奥を見つめる。
一体誰が先に来ているのだろうか?

 ■

近くにはほんのりと光が漏れだす岩戸があった。
そこで一人の男は膝をつき頭を抱える。
「…これが全てだ。東 神也」
「これが、俺の過去、か…よく分かった。ならお前は——」
「そうだ。俺はお前の思っている通り月読だ」

月読は鞘に納まった刀を神也に渡した。
そして抜刀し構える。
「戦えってことかよ…この刀で」
神也も渡された刀を抜刀し構えた。

 ■

真っ暗な道を霊夢たちは走っていた。
「そういえばここって…」
「えぇ大きな岩戸がある。それにこの状況で神力を持つ人物が
 いる…神がいるってことね」
神、岩戸、真夜中…天理はハッと思い出す。
日本神話の伝説に似たようなことが…。

Re: 東方stories ( No.4 )
日時: 2018/01/05 15:22
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)


「くっ!」
「どうした?能力を使えば俺に勝てるだろう?さっきから防戦一方で
 お前は攻撃を受けてばかりじゃないか」
二人は間合いを取り、構えなおした。
だがフラフラなのは神也の方だった。

「(どうなってるんだ?能力が発動しない?いや思い出せ、
 アイツの能力は確か…)」
月読を見据えどうにか考えそして思い出した。

「終わりだ、神也!」
月読の刀が振り下ろされたその刹那。

「“輪廻「エレウシス伝説」”」
「なっ、こいつは!?」
神也の足元に大きな円が浮かび彼を青と白の光が包み込んだ。
見る見るうちに傷は塞がり戦う前の万全な状態に戻った。
「(神也の能力と似ているな、だが能力は使えないはず)」
「全く情けないわね、私たちよりも先に来てたくせに」
「まあまあ、いいじゃねえか霊夢。天理のおかげで最悪は防げたし
 形勢逆転ってことでよ」

神也の前に四人が立った。
「なんで霊夢たちが!?」
「そりゃあアンタ、私は異変解決の専門よ?」
「神也さんの能力は私の能力の一つで影響を受けないように
 したので使えるようになっているはずです!」
天理は笑顔でそう言った。
神也は立ち上がり、四人の前に立った。

「さぁこっからは俺たちのターンだ!」

Re: 東方stories ( No.5 )
日時: 2018/01/05 15:58
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「人数が増えたところで変わりはしないぞ!スサノオ」
「え!?す、スサノオ!!?」
「神也、初耳なんだが!?」

「俺もさっき知ったばかりだ!それよりサポート頼む!
 次で決めるために」
神也は体勢を低くし、駆け出した。
「相手の目くらましなら任せろ!“魔符「ミルキーウェイ」”」

「“罪符「天津罪の縛り」”」
「くっ、体が!」
黒い鎖に全身の動きを封じられ足掻けば足掻くほど固くきつく
なっていった。
「終わりだ、月読!“神符「神斬」”」
月読は力が抜け地面に倒れた。
だが辺りはまだ真っ暗だ。

 ■

目の前にあるのは重そうな岩戸、それをどうするか、だ。
「神也、お前の回帰を操る程度の能力でどうにかなるだろ?」
「まぁやるだけやるぞ」
神也が岩に触れると岩戸が消え眩い光があふれ出し辺りは元の
明るさを取り戻した。

「神也、記憶を取り戻したのね」
薄い黄色の着物と長い黒髪の女性。

「あぁ自分のこともちゃんと思い出したぞ天照」
「な、なんですって!?」
「じゃあホントにこの異変。あの伝説みたいだね!!」
「あら天理と言ってかしら?貴方のご先祖たちとも私は知り合いよ?
 それと私は天照よ」

Re: 東方stories ( No.6 )
日時: 2018/01/05 18:55
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

青黒い髪の男はこの場にいる五人を見た。
本来なら他に三人いるのだが、裏切られたからには仕方ない。

この六人が次の異変を引き起こす。

 ■

ある女性は人里を駆けまわっていた。
「どうしたんだ?」
「あ、天騎さ…ッ!?」
天騎の隣にいたのは涙を流していた少女だった。
「まぁ!!」
「お母さん!!」
少女は母親に抱き着き泣いた。

「およ?この子が探してたのはアンタだったのか。良かったな!」
「うん!ありがとう!」
「本当にありがとうございます!」

 ■


共に道を歩く神也と天理。
その進む先に一人の少女がいた。
金髪に銀髪が混じった髪をしている。
「あ、神也さん!」
「ノルン!なんでここにいるんだよ!?」

ノルンと呼ばれた少女の元に駆け寄る。
「あ、そっちは天理ちゃんでしょ?私はノルンだよ、よろしくね。
 能力は予知する程度の能力だよ。で、神也さんあの人たちが
 もうすぐ動き出すよ、気を付けてね?じゃあね!」
ノルンは後ろを向き歩いて行ってしまった。